お子さんが中学生になった頃、親は今までの子育てをふりかえることがあります。
順調に育ってきたと思えればいいのですが、そうも思えない場合もあるでしょう。
言われないと自分からは学習に向かわない。
あるいは、言ってもなかなか学習をしない。
自分から進んでものごとをやろうとする覇気にかける。
自分では決めることができず、人任せである。
もっと積極性や自発主性がほしい。
こう思うとき、今までの子育てをふりかえり、
親が何でも先回りをして育ててきたからだろうか。
または、親がかまいすぎたからかもしれない。
何でも親が与えすぎたのだろうか。
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ほんとうに、親の悩みは尽きません。
しかし、親御さんのなかて、なにか心当たりがあるならば、そのようにしてきた自分の気持ちや感情に目を向けてみたらどうでしょうか。
わが子を大切に思うからこそ、将来苦労させたくない。可能性を伸ばして、豊かな人生を送ってほしい。
こう思ってきたのです。
これは、親の愛情です。
愛情があればこその親の行動だったのです。
それほどまでに強い気持ちの愛情だったのだと思えばいいのであり、わが子にそれだけの気持ちを向けることができたのはすばらしいことなのです。
ただ、その気持ちや思いの出し方が適切でなかっただけです。
また、考えてみると、「わたしの子育てはこれでよかったのだ」と自信をもって自分の子育てを語れる人がどれほどいるでしょうか。
みんなが迷いながら、悩みながら、「これでよいのだろうか、よかったのだろうか」と思いながらいるのです。
私も迷ったことがありました。
でもわが子が成人した今では、私はできないことよりも、できることの方に目を向けることができます。
行動力があるなとか、しっかりとした考えができるとか感じるようになりました。
車で迎えに行ったら、降りるときに必ず「ありがとう」と言ってくれる。
このように思えることが増えてくると、逆に子どもに任そうと思えることが増えてくるから、不思議です。
みなさん、お子さんが中学生でも、わが子が「できないこと」よりも、「できること」を考えてみてください。
けっして少なくはないはずです。
これもできる。あれもできる。
そうすると、「うん、この子は大丈夫」と思えるようになります。
そう思うことができる親御さんは、私から言います。
「あなたの子育ては大丈夫です」と。