バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

ベッキーが泣いた

2008年02月02日 | お仕事
私は海外保険セクションでシステムアナリストをしている。

去年の暮れぐらいから、よそのセクションで統計アナリストの仕事も1日数時間ぐらいで勉強している。

ベッキーはそこでリード統計アナリストとして、もう何年も働いているベテランだ。年はそんなに変わらないが、同じ職種をずっと続けているので勤務年数も私よりも長ければ、給料も彼女のがずっと上だ(当然)。

今朝いつものように前日の売り上げデータを二人で見ていた。

エクセルをたくさん利用する人ならわかるだろうが、データ、グラフ、フォーミュラなど、他人が作成したものを理解するのはややこしいときがある。ましてや、このセクションが扱う項目というのは、私が自分のセクションでこなすそれとは雲泥の差であった。なおさらややこしい。

私が一通り目を通したフリをしていたら(おぃ)、彼女が「あ、これ、おかしい。」と顔を曇らせた。一瞬私が変な間違いをやらかして、それを見つけられたのかと思ってこっちも顔を曇らせてしまった(ひえぇ)。

実際彼女が見つめていたのは去年と今年の数字を比べるコラムだった。

彼女いわく、そこはデータベースに問題があって、いつも何らかの不都合がある、と。

彼女のフラストレーションが目に見えてわかった。無言で何やら数字を殴り書きしては計算機と格闘している。私もよくやる行動だ。そして彼女がおもむろに、

「もう嫌。家に帰りたい。」

と言った。でもこのセリフは(私も含めて)周りで使う人たくさんいるので、さほどインパクトは持っていなかった。

数分して彼女がデータベースを扱う人と電話でやり取りを始めた。会話のあちらこちらに、「I see.(分かったわ)」が聞こえたので、問題解決したのだろうと、ぼんやり考えていた。

彼女が戻ってくるなり、私はイスから転がり落ちるかと思った。

彼女が泣いているのだ。

涙がぽろぽろ、可愛い目から流れ落ちてくる。

「私のミスだったの。とっても簡単なミス。先週直しながらもう大丈夫だと思っていたのに。もうね、自分に腹が立ってきて嫌になった。」

と泣くのだ。

私は何がどうミスなのかも分からずに、ただオロオロと彼女の背中をさすってあげることしかできなかった。

ベッキー、自分の仕事にとても責任をもってやってるんだね...。

思いつくままに励ましの言葉をかけてあげたら、さらに泣かれてしまった。
自分が辛いとき、誰かが励ましてくれたり、誰かに褒められたりすると、うれしくて、もっと涙がでてくることがあるよね。きっとそれだと思う。

数時間後、彼女はまたきりりとした元気な普段の姿にもどって仕事していた。

私は私で月末レポートをやっている。毎月の頭に前の月のいろんなレポートを作成して「上に」持ってくのだ。

今日も残業。これが今日の私の机。


ぐちゃぐちゃ。

K姐、毎月私の「きぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」は、ここから生まれるのです。



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昨日はタブーだった話

2008年02月01日 | 歯列矯正
この話は本当は昨日の朝起こったことなので、昨日のブログで挙げるべきだったかも知れなかったが、怖くて触れることができなかった。

今日はもう大丈夫なような気がするので挙げておく。
後で「ああ、あんなバカなことにびびっとったよね」と笑えるように。

矯正を始めてから、左上の八重歯のとなりで少し後ろに隠れていた(八重歯がある人ならわかりやすいだろうな)歯が、ワイヤーのおかげで幾分か前に移動してきた。でもまだ完璧に出ていない。

今回太めのワイヤーになったので、助手もワイヤーをこの歯に通していくのが大変だと言っていた。

そして「この歯、これから向きをどんどん変えていきたいからしっかりワイヤー通しとくわ。ちょっとだけプレッシャー感じると思うけど我慢してね。」と助手。

「ホッへー(オッケーと言っている)。」と何気なく言ったのだが、そのプレッシャーがあんなにすごいとは思ってもいなかった。

本気で前歯折られるかと思ったぐらいだ。

痛くはないのだが、もう怖くて怖くて今にも「みし...」とか音がしてきそうで、この得たいの知れない恐怖に心臓バクバクしておった。

ものの5秒ぐらいで終わったのだが、自分の中では10分ぐらいの恐怖と戦っていたかのごとく、かなりの疲労感を味わった。

本題はここから。

水曜日の早朝、私はバスルームでいつものように歯を覗き込んでいる。
「この歯の向きを変えたいから...」って、助手が言ってたな、とふと思い出してその歯を見てみる。

なんとその歯、とんでもない方向にぐるりと向きを回転していたのである。

げっ!!!!!何これ...。

そしてその歯に触れたが最後、その歯がぽろん...と抜けてしまったのだ。

悲鳴も出なかった。ガタガタ震える指が隣の前歯に触れた瞬間、その前歯までぽろん、とまた抜けてしまったのだ。

鏡の自分を向き合った状態で意識がなくなってゆく。



...そこで目が覚めた。

夢だったのだ。どうりでワイヤーが歯の上になかったわけだ。

普段は起きてすぐはうつろな感覚がするのだが、昨日の朝は意識朦朧だったとはっきり覚えている。

それでいて、口の中で歯が次々に抜けてゆくあの感触が、まだある。


(今でこそ笑い話。でも本当だったら、と思うとぞっとする)

「夢でよかった...」と安心したのもつかの間、「歯の抜ける夢って、すっごい縁起が悪いんじゃなかったっけ?しかも抜ける歯が前であればあるほど、縁起が悪いことが早めに起きるとかだったよな。」...夢から覚めても恐怖である。

昨日これを挙げたくなかった一番の理由は、ハニバニ(夫)がテキサスから飛行機で帰ってくるからであった。

昨日はテキサスもここもすごい突風が吹いていて、飛んだとしても遊園地の乗り物さながらのスリルを味わうことになっただろう。

縁起がどーのこーのというのは私らしくなかったが、「ま、いっか。」と言ってしまえるほどの気力は失せていた。

あの感触のせいだ...。いや、全ての事の始まりはあのプレッシャーからだ。

私が昨日どんな思いだったかつゆ知らずのハニバニは、「腹減った」とマックのチーズバーガーと共に元気に帰宅した。

歯が痛くてさすがに「一口かじらせて」とは言えなかったが、彼ののんきな顔とチーズバーガーの美味しそうな香りで、
少し苦痛が遠のいた。
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