秋の終わりごろまで咲く花です。北米原産で、花が綺麗で、蜜が取れることから輸入されたようですが、この花はススキなど在来の他の植物の繁殖を抑制するようで、この花が繁茂すると、本来その地域にあった植物が無くなる・・、などとして有害な植物として嫌われたことからでしょうか、最近は群生しているのを見るのは少なくなったような気がします。また、一時花粉症の原因の一つとされた時期もあったようですが、花粉が風に飛んで繁殖する風媒花ではなく、虫に頼って繁殖する虫媒花ですから、その疑いは晴れたようです。キク科、アキノキリンソウ属の多年草で草丈は高いものでは3mくらいになります。写真は、10月16日に道路沿いの空き地に咲いていたものを撮影しました。
秋の紅葉でも特に美しいものの一つがニシキギの紅葉だと思います。緑の葉と真紅の紅葉がまだ混在しており、とても美しい風景です。和名も紅葉の美しさから名づけられているようです。5月の連休の頃に5mm程度のごく小さな黄緑色の花が咲きます。秋になって冷え込むようになると緑の葉が真紅に色づきます。晩秋になると木全体が紅色に染まります。家庭の庭や公園でも植栽されて彩色豊な秋の風情を醸し出してくれます。学名は「Euonymus alatus」で、ニシキギ科の落葉低木です。写真は近くの大学の遊歩道にあったものを10月17日に撮影しました。
今年も実りの秋が来ました。最近健康ブームで五穀米とか言われていますが、五穀の一つが稗です。写真は数年前に伊勢の里山で、稲の実りの近くにあったものを撮影しました。最近は健康ブームで稗も栽培されているところもあります。「五穀」と呼ばれるものは時代によってその内容が変わったようです。ウイキペディアによれば、現在は「米」・「麦」・「豆」・「粟」・「黍」又は「稗」とされています。その中の稗です。なかなか今では見ることができない珍しい穀物になりましたね。かつて子供の頃は農作業で農家の人が水稲の田んぼの中に生えた稗を一本ずつ抜いて歩いていたのを覚えています。ヒエはイネ科、ヒエ属で、雑草である野生種のものと、古来主食として栽培された栽培種があるようです。写真は立派な花穂を持っていますから、栽培種の流れがあるかもしれませんね。
熱帯アメリカが原産で暑い夏に咲いていました。写真のように一般には艶のある緑色をした葉が多いです。写真には他の観葉植物と一緒に植えられていますので、斑入りの葉が見えますが、別の植物ですので悪しからず。学名は「Bromeliaceae」で、パイナップル科、エクメア属の熱帯植物です。もともとは、熱帯の樹林で樹に着生して生育します。葉に赤く色がついて花のように見えますが、葉が変色した苞といわれるものです。花は先端にある黄色い部分に小さく咲いています。苞が長らく美しさを保つことから、観葉植物として販売されており、夏は明るい日陰で、葉水をやると美しさを維持するようです。秋から冬は葉水をやらずに室内で温度管理をすれば冬も越すようです。写真は8月上旬に撮影しました。
田んぼの畦道や土手あたりで普通に見ることが出来ます。踏みつけられても踏みつけられても力強く生き延びている雑草です。根がしっかりしていて、引き抜くのに大変力が要ることから和名になったと言われます。牛久自然観察の森で撮影しました。学名は「Pennisetum alopecuroides」で、イネ科、チカラシバ属の多年草です。9月頃から固いブラシのような花穂をつけています。雑草も良く見る機会が少ないですから、写真にとって掲載しました。写真は9月29日に撮影しました。
9月初旬頃から咲いています。朝は鮮やかな白い色をしていますが、昼過ぎ頃からだんだんピンク色に変わり、夕方から朝にかけて更に濃くなり、萎む頃には赤くなっています。この色の変化が、あたかも人が酒を飲んで酔う様を表現しているところから和名になったと言われています。上手く表現された花ですね。写真でも左隅のほうに赤く萎んだ花が見えます。フヨウの園芸種で、八重咲きです。学名は「Hibiscus mutabilis cv. versicolor」で、アオイ科、フヨウ属の落葉低木です。朝早く観察すると、赤く萎んでいる花と純白で咲き始めた花の対比がとても美しく品格のある花です。写真は10月初旬の昼前頃に近所の庭で咲いていたものを撮影させていただきました。
最近あちこちで上品なあの芳香が漂ってきます。キンモクセイが咲いています。茨城あたりは今が盛りですね。金色に輝く小さな4弁の花が枝から直接咲いているように見えます。この花は咲き誇っているときの香りも良いですが、花が散ったときに金色の雪が積もったように地面を覆う感じもまたなんとも言えないくらいに風情があります。中国が原産、学名は「Osmanthus fragrans var. aurantiacus」で、モクセイ科、モクセイ属の常緑小高木です。秋の香りの筆頭にあげられる樹木だと思います。静岡県の県木にも指定されているとか。散歩していると相当はなれていても風が香りを運んでくれますので、すぐにこの木を発見できます。写真は近くの公園に植栽されていたものを10月上旬に撮影しました。
近くの大学の構内で数本の大木に独特の実がついています。学名は「Platanus orientalis」で、スズカケノキ科、スズカケノキ属の落葉高木です。山に篭って修行をする山伏が着用する「篠懸(すずかけ)」の房(胸にぶら下がっているように見えるもの)に似ていることから、和名の「鈴懸け」となったとの説があります。秋になるとあちこちの街路樹や公園でもこの風景を見かけます。また、かつて佐伯孝夫氏が作詞し、灰田勝彦さんが歌った「鈴懸の径」を幼い頃に聞いたことを思い出します。♪♪~・・友と語らん 鈴懸の径 通いなれたる 学舎の街・・~♪♪ 真に哀愁を帯びた灰田さんの声が偲ばれます。写真は10月6日に撮影しました。
ひまわりの仲間ですが、今年も10月に入って美しく咲いてきました。北米原産の花で、園芸店では「ゴールデンピラミッド」という商品名で販売されていたものを購入して翌年に地植えにしました。寒さにも強いのか毎年綺麗に咲いてくれます。図鑑で調べると、学名は「Helianthus salicifolius」で「ヤナギバヒマワリ」と言う名称で記述されていました。キク科、ヒマワリ属の多年草です。日当たりと水はけの良い場所を好むようです。鮮やかな黄橙色の花が庭全体を明るくしてくれます。和名は葉が柳の葉のような細長い形をしているからでしょうね。写真は10月初旬に撮影しました。
6月20日に初夏に咲くユッカランの花を掲載しましたが、年に2回咲くこの花、秋になってまた咲いています。独特の蘭の花ですので、公園や庭の花壇等でも目立つ花です。学名は「Yucca gloriosa」で、北米南部地域が原産、リュウゼツラン科ユッカ属の常緑低木です。別名を「厚葉君が代蘭」と言う立派な名前を持っています。直径3~4cmの白いベルのような花をぶら下げるように咲きます。二度咲きをしますので、5月から6月頃及び10から1月頃が花の時期です。写真は10月初旬に近くの花壇で咲いていたものを撮影しました。
8月1日に掲載したクサギの花の実です。「秋に赤い実が美しい」と説明板に書かれており、秋に実がなれば撮影して掲載しますとお約束したものです。写真のように赤紫色の実が見えますが、実は赤紫色の部分は、萼(がく)で、萼が開いて黒っぽい実が見えています。この対比が美しく、遠くからでも小鳥などに発見されやすくしているものと思われます。10月1日に牛久観察の森で撮影しましたが、10月下旬頃までは、多くの赤紫色の萼が反り返るように開いて美しい頃だと思います。ブログを見た方から羽子板の羽のようだとコメントいただきました。その表現がぴったりですね。
牛久自然観察の森で始めて見ました。小さな花が集まって真っ白い毛糸のような珍しい穂状の花序が特徴です。草丈は70-80cm程度で、にょっきり伸びた花茎に花穂がつき、葉は一見シュウメイギクの葉に似ているように思います。関東地方から近畿地方にかけての山地の林の中に分布し、学名は「Cimicifuga japonica」で、キンポウゲ科、サラシナショウマ属の多年草です。和名は、もともと中国で漢方にも使われる「升麻」があり、これは、春先に若葉を摘んで茹で、水に晒して食用にしたことから「晒菜升麻(サラシナショウマ)」と呼ばれました。これに対して、このイヌショウマは干した根の部分も薬用にならないことから名付けられたようです。植物では、「イヌ」と冠詞がつくものが多いですが、良い意味のものは少ないような気がします。写真は10月4日に撮影しました。
牛久自然観察の森で見かけました。青紫色の独特の花が美しいですが、説明板には全草有毒(猛毒のアルカロイドを含んでいる)であるので注意が必要と書かれていました。関東地方から中部地方にかけて分布していると言われ、学名は「Aconitum japonicum subsp. maritinum」で、キンポウゲ科、トリカブト属の多年草です。花の形が、舞楽で使われる兜に似ていることから和名になったようです。また、「筑波」と冠詞がついているのは、最初に筑波山周辺で発見されたからでしょうね。林縁などで生育し、花が咲くまでは見つけにくいですが、牛久自然観察の森では、説明板が置かれていますので、容易に観察できます。牛久周辺では山野の下草刈り等をしなくなって絶滅が危惧されていると記述されていました。写真は10月初旬に撮影しましたので、残念ながら花が終わりの時期でした。草丈は高く他の雑草の上に顔を出しています。ヤマトリカブトと似ているそうですが、こちらはまだ見たことがありません。
まさに実りの秋を象徴するのが、クリの実です。近くの農園で実っていました。品種はわかりませんが、とても大きな実で、最近裂開したばかりのようです。早朝に行くと農家の人が繰り拾いをされています。写真のクリの実も翌日には収穫かもしれませんね。写真は10月4日に撮影しました。
牛久自然観察の森の入り口付近でアケビが実り、皮が裂けていました。アケビを探すのは通常木の上のほうですが、このアケビは、珍しく目線とほぼ同じ高さに実っていたため接写ができました。写真をご覧頂くと、葉が三枚見えます。以前にも紹介したミツバアケビです。アケビにはいろいろ種類があるようですが、葉の枚数で見分けているようです。ちなみに通常アケビといわれるものは葉が5枚です。裂開した果肉は食べごろです。中央の白い種子を取り巻く果肉の中には、黒っぽい種子が入っています。子供の頃この白い部分(果肉)を食べた記憶があります。甘くて美味しかったことを覚えています。最近はスーパーなどでも売られていることがありますね。山野での秋の代表的な味覚の一つです。小鳥たちの餌になるのももう直ぐでしょうね。写真は10月4日に撮影しました。