高島平発・文化的居場所「ミストラル」への夢

地域をファッション・音楽・お酒の“文化”の力で元気に!……地元に文化的な居場所作りを模索しています。

“生きること”と“生かされること”

2008年03月30日 23時59分31秒 | ●美意識・ファッション・デザイン私的考察
ギリシャ神話に出てくる、スフィンクスの逸話をご存知でしょうか?

道行く旅人を捕らえて、「最初は四つ足、その次に二本足、最後に三本足で歩くものは?」という謎々を出して、間違った旅人を食べていた怪物です。

謎々の答えは人間なんですが、最後の三本足で歩くのは、杖を使って歩く老人のことです。

毎週日曜日に、84才になる義父を見舞いに、病院へ行っているのですが、現在の老人の実態は、神話が出来た頃と様相が全然違っています。

三本足の後に0足、つまり、寝たきりの時間(平均で5年前後)があるんです。

義父は病室を2回替わりましたが、2つの病室とも周りは反応の出来ない、寝たきり老人ばかりでした。

医学の医療技術の進歩で、日本の平均寿命は世界で1位(女性)・2位(男性)ですが、実際は数年の寝たきり期間があり、その時間をどれだけ減らすかが、今後の老後の課題でもあると、去年、大東文化大の「《高島平ルネッサンス》シンポジウム2007」で、話しが出ていました。

その中で老後の精神的な活力維持法に、音楽やファッションなどの文化的な趣味趣向の世界があると思います。

現実に養老院などでは、認知症の人でも思い出の曲に反応をするそうです。
歳を取っても、知的好奇心を失わなければ、寝たきりの年数も変わるはず。

人間は歳を取ると、段々と子供に帰ると言われますが、リタイアしてからこそ、文化的な興味を支えに、医療で“生かされる”のではなく、少しでも長く自分の意思が伝えられるような、“生きる”道を歩みたいものです。

“鮮やかな死に方”=“鮮やかな生き方”でもあるのでは?

病院の帰りに、今日の雨で少し散り始めた、満開の「さくら通り」のサクラを見ながら、そんなことを思いました。
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