高島平発・文化的居場所「ミストラル」への夢

地域をファッション・音楽・お酒の“文化”の力で元気に!……地元に文化的な居場所作りを模索しています。

サヨナライツカ・・・「私はきっと愛したことを思い出す」

2009年10月08日 03時17分22秒 | ●“私を支える”一言・本・音楽.etc・・・
まだ、読み始めたばかりの本なのですが、辻仁成の『サヨナライツカ』にハマりそうです。

最初のページに詩が書いてあります。

  
  サヨナライツカ

  いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
  
  孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい

  愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある

  どんなに愛されても幸福を信じてはならない

  どんなに愛しても愛しすぎてはならない

  愛なんか季節のようなもの

  ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの

  愛なんて口にした瞬間、消えていまう氷のカケラ


  サヨナライツカ

  永遠の幸福なんてないように

  永遠の不幸もない

  いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる

  人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと

  愛したことを思い出すヒトとにわかれる


  私はきっと愛したことを思い出す


物語の主人公に、主人公の婚約者から送られてきた詩なんですが、文中に婚約者が語るこう云うくだりがあります。

 「ええ、もちろん愛されたことも思い出すでしょう。それは嬉しい記憶として。
  でも愛した、ということ。自分が誰かを真剣に愛し抜いたということは、
  生き物として生まれてもっとも尊いことだと考えるのです。
  そういう一生を送りたいんです。」

この後に、主人公が結婚を決意したのが、詩の最後の3行が目から離れなくなったからと、書かれております。

まだ十分の一程読んだだけなので、どんな結末になるのかは分かりません。

でも、この一節を読んだだけで、満ち足りた気持ちになってしまいました。


会社で徹夜の時、原稿の待ち時間に、ネットでこの本を知りました。

一見辛い徹夜仕事ですが、思いもよらぬところで、何かとの出逢いもあります。

私のシアワセは何所にでも、転がってるような気がします・・・
コメント
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