ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

それなりのネタ披露~浪切亭落語

2008-12-20 23:17:13 | 浪切亭・せんしゅう亭・落語
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岸和田市立浪切ホール・・・・・・・・・・・・・・・

朝から、嫁さんと鳳のアリオヘ買物に出掛けて、
そのあしで、岸和田の浪切ホールヘ。
一日に、多くの事ができるのも地元での落語会のおかげ。

会場(1;30)の10分前に並ぶと、既に70名ほどの列。
それも前の40名ほどは、20代のうら若き女性の集団。
なんと、吉弥さん目当てか。
いやはや「ちりとてちん」効果は、客層の拡大には大貢献ですな。


一、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」

トップバッターとして、吉弥さんが登場、会場がざわつく。
いかにも、普段の落語会とは、空気が違う。

マクラは、30箇所、40公演、米團冶襲名公演にお供して
各地まわったはなし。

口上の舞台は非常に光栄で、一番下っ端の私が司会で、左端。
続いて、南光さん、米朝師匠、米團冶さん、東京からのゲスト
正蔵、小朝、花緑さん、そして、ざこばさんの順。

「本日は、襲名につき、米朝師匠をはじめ、皆、米朝がご挨拶などと
敬称を略させて頂きますが、決して「ちりとてちん」などで、
天狗になった訳では御座いませんと言うと、

「いやー、天狗になってるでぇー」とすかさず、ざこば師匠。
いやいや、危険人物は、一番遠くにして置いて、正解でした。と。

噺は、冬にちなんで、「牛ほめ」、一度も寒いと言うのはでてこないが
なぜか、冬の噺と思っている。

池田イコール冬か。・・・・池田にも春も夏もあるのに。
五月山の桜はきれいでっせ。・・(何をかくそう私は池校出身でおます)

「庭は縮緬漆喰、畳は備後表の寄り縁に萩の違い棚、・・・・・・
天井は薩摩杉の鶉木・・・・・」

題になってる牛ほめは
「天角、地眼、一黒、直頭、耳小、歯違う」と。

これもまた、七五調で、耳障りが良いが、
今日の吉弥さん、面白いが、科白がリズムカルにいかず
なぜか、慎重。・・・・・・・ネタのおろしたてなのか。

全体に、もっと爆笑編になるのに、おとなしめ
多少、不満げの残る、牛ほめでした。

私にとって「牛ほめ」はやはり、高校時代に聴いた
仁鶴さんですな。・・・・過去に拘るのは年のせいか。


二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・「浮世床」

出てくるなり、トップがお目当ての吉弥さんで、先に
ステーキが出てしもうて、後で、サラダとスープが出てきますが
ひとつよろしくと、文鹿さん控え目で好感を呼ぶ。

清原の散髪と、文鹿さんのインドでした散髪代。
なんと、清原さんの丸坊主頭、2~3万円。文鹿さん、80円。
2万人と、80人と、お客様の数の違いか。

床屋の話から、浮世床ヘ。
講釈を読めるフリをしている無筆のおっさんが詰りながら
読む、「あねがうあー 、あねがぁ・・・」のくだりと、
「まがち、じゅうざえーまもん・・・」もっと、もっと
噛んで、詰って、楽しませて欲しい。

これも、大昔に、五郎兵衛師匠(当時、小春団冶)で聴いた
「浮世床」が、あまりにもインパクトが大。

やかんに顔を写してオモシロイ顔に。
鼻に火箸を突っ込んで、首を振り、チーン・チーン
「ただ今、二時です」・・・。
いやはや何十年前の事なががこのフレーズ、
頭に、残っていますなぁ。・・肝心な事は忘れていますが。


三、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・「掛取り」

都んぼさん「四人癖」、「崇徳院」、「阿弥陀池」と
今年の都んぼさんのネタ、全て大好き。
そして、この「掛取り」誰よりもオモシロイ。

八百屋の好きなもので断わろうと、・・・・。
都んぼさん、なんと落語好きで登場させる。
それが、東西の落語家のしゃれづくしで、おもしろい。
最後は・・・これでご勘弁しとくなはるな。(楱葉)もでてくる。

かつて、小米朝という落語家にクラッシック好きの洋服家ガ
出てくるが・・・・・数段、こちらの方が上出来。

しかし、この「掛取り」、、地獄八景のように、各自の演出が
いれ易いネタか。

本好きで、作家尽くし・・・・お菓子好きで、映画好きで、
海外旅行好きで・・・・・と、何でもできますな。
それでいくと、一番のネタの豊富さは、
やはりWヤングさんですな

いや、都んぼさん、今年の私の中で
、注目度、好感度アップの噺家さんでおました。


四、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・「辻占茶屋」

噺は難波新地の女に入れ揚げる主人公が、
女の性根を試す為に、心中をもちかける。
金持の旦那なら、「星野屋」か。

男と女の騙しあいだが、全編に流れるのが、辻占という占い。
女を待っている間、隣の部屋から聞こえてくるのが、
「ゆかりの月」、「待たしゃんせ」、「そりやかまわせぬ」
この噺、主役はひょっとすると、三味線方か。
本日の三味線演者は誰なのか。・・・ええお声でしたで。
今後はプログラムにお名前、必ず載せて欲しいですな。

初めての、辻占茶屋との出合い、なんとも掴みところの無い噺。
染弥さん、力演ながら、真直ぐ心に入ってこないのは、
私の男女間の経験不足ゆえの、理解不足か、良し悪し判断出来ず。

心に、難解、「辻占茶屋」、理解は、更にコンチニュ、来年に続く。


五、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」

亭主の夢の中身を知りたくて、
女房、友達、家主、お奉行、そして天狗まで仲裁をしながら
その夢の内容に、皆、興味津々。
人間、隠し事には常々興味あり、自分だけ知りたいという
欲求は確かにありますな。
人には言うてくれるなという秘密、
これは心に留めておくのは難しいですな。

でも、この噺、私が好きなのは、噺の発端になる、
女房のお咲きさんが、我が亭主の寝顔を見て呟くところ。
子供の寝顔はかわいいものですが、大のおとなの寝顔を
じっくりとみてくれる、女房とは、それだけで嬉しいですな。

昔から、喧嘩するほど仲がよいとは、この夫婦にもあてはまる。
夢は、無意識の世界、夢を見る見ないというのは間違いで、
覚えているかいないかが正解らしい。

でも、これもまた、落語としてのまとめはなかなか手強い噺。
三金さん、来年も続けて取り上げていただき、
再度、聴きなおしたい、「天狗裁き」でおました。



浪切亭落語ワールド・VOL13
2008年12月20日(土)午後2:00開演
浪切ホール・多目的ホール

一、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」
二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・「浮世床」
三、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・「掛取り」
中入り
四、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・「辻占茶屋」
五、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」


次回、浪切落語ワールドVOL14は
2009年5月2日(土)
人数が多く入る、小ホールにて開演予定。
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