ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

志ん橋・雀々・鶴二~第180回TORII寄席

2009-10-01 05:42:51 | 笑福亭鶴二
東西の実力派の咄家集合。
上方代表は、私の好きな鶴二さんと嫁さんが好きな雀々さんの登場。
さらに江戸落語まで味あえるなんて、贅沢な落語会。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・いつもの落語会と違い、年代も高く、落着いた客層。・・・・・
100人弱のほぼ、満席。

最初に、トリイの支配人が挨拶、
そのあとサプライズで米朝師匠が、米團治さんの付添いで登場。

かすれた声で、思わず聞き耳をたてる。
師匠に米團治さんがふると、つかさず、・・それも二、三回
「話すとそれだけでも長い話になるけどな」と笑いをとる。

実は、米朝師匠、前身の旅館の時、物書き等に利用。
新しく、今のビルに建て直す時、ホールを創る事を提案。
出来たのが、このトリイホール。
・・・TORII寄席180回記念で御挨拶。

そして、志ん朝師匠が大阪へ来られた時の定宿。
その縁で、ホールが出来たら、死ぬまで出演させてもらいますよーと。
亡くなられた直前も、ここの東西名人会でした。

そして、今日。10月1日は、志ん朝師匠の命日と。
なんとも、記念すべき落語会に参加出来るなんて・・・。

前回の、「上方落語と志ん朝」の本にあったように、
志ん朝師匠と六代目の関係からの、鶴二さんの出番か。
すべては、人の縁ですな。

米朝さん、病み上がりといえば、病み上がり
元気といえば、元気。正直、微妙なる元気さですな。

人間国宝にお会いでき、ご健康をお祈りして、
思わず手を合したくなりましたな。


・・・・・・・・一階にあるトリイにちなんだ、鳥居・・・・・・・・・・・

一、桂優々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「東の旅・発端」

名前だけ見ていると、女性の新弟子を期待していたが、
現れたのは、やはり男の子それももっさりした今風でない。

噺は、東の旅・発端、口調は滑らとまではいかないが、
しっかりとしていて、噛む事もない。
でも、本来多少なりとも笑いがとれるとこでもクスリとも無く
客の見る目が厳しいのか、客が緊張し過ぎるのか。

まずは、二、三回は、「東に旅」、聴かせてもらいまっせ、優々さん。
またまた、楽しみな若手が誕生してきますな。

二、桂吉の丞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「遊山舟」

さすが、7年目、しっかりした噺ぶりに安心感が漂う。
今まで、吉の丞さんで聴いたのは「時うどん」と「軽業」
今日は「遊山舟」、それも最初の夕涼みの冒頭が終われば
いきなり、玉子のマクアクの部分ヘ飛ぶ。
そして、サゲの「質屋にいれても流れんように」まで
じっくりと慌てることなく演じる。

名人会に、相応しいネタを、自分なりにもってきて
大胆な割愛とまとめ方に、大感心。
吉の丞さんも、名人ですな。

三、林家彦いち・・・・・・・・・・・・・・・・・「・・・・・」(しゃべりの母親)

林家木久蔵師匠のお弟子さん。
肩口から袖へ掛けて、太いラインが入ったナイキ製の着物かと
思える、大胆な着物で登場。

マクラは、日常の真実の中に笑いがあると・・・・・・
次から次に例をあげて、艦砲射撃のごとく繰出す。

最初に、先ほどの優々さんに、「今日のお客さん、どんな」と
聞けば、すかさず「トリイホールのお客さんです」、当たり前。
でも、後から私が考えるには、よく来られる常連さんという意味では

話は、新作で、しゃべりがテーマで、息子のベットの下からエロ本を
見つけた母親が、うろたえ、皆に相談して、結果、近所の人、交番の巡査
学校の先生、クラスの全員まで、知られてしまう。
ドタバタ劇・・東京にも、雀々さんに負けぬぐらい賑やかな噺家さん
おられるんですな。

正式な題は解らず、私がつけるとすれば、「おしゃべりな母親」
上方では、「しやべりなオカン」ですかな。


四、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「上燗屋」

米朝師匠のことを、マクラでたっぷりと。
そして、上燗屋ヘ・・・・・・・・・・・。

「お金もらえんというたら・・」、
「どういうこと」、「笑ぅてぇ」の繰り返し、雀々ワールド全開。

いつもの「これは何」とは、まるっきり違う「上燗屋」。
でも酔うてる、雀々さんと同席したら、周りの客は
さぞうるさいことでしょうな。


五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「竹の水仙」

鳴物が入る、上方らしい落語と期待していたが、
意に図らず「竹の水仙」

江戸落語と上方落語のMIX型か、
いつもよりアッサリめに聴こえる。

モタレの位置での演目選びは、真に難しいですな。
オオネタははずして、
客にはある程度の技量は見せなければならない。

最近、最高の出来の、大ネタばかり聴いている鶴二さん。
私には、期待が大きい分だけ、ネタのもの足りなさが、
そのまま、不完全燃焼に・・・・・・・。

六、古今亭志ん橋・・・・・・・・・・・・・・・「藪入り」

師匠の志ん朝さんのハナシ。

印象に残った話を一つ、
のぞみが止まらない駅のプラットホームで待っていると、
目の前をのぞみが、速度も落とさず、もうスピードで通り過ぎると
一言「あんなに、いそがなくても良いのに」・粋ですな。志ん朝師匠。

噺は「藪入り」、志ん朝さんのダミ声が響く。
「おっかあ」と子供帰りを待ちこがれる、父親と母親。

この前の、福團治さんの大感激が今だある「藪入り」
目頭が熱くなったのですが、今日は皆目無し。

江戸言葉は、私の胸には、脳には、打ったえないのか。
嫁さんも、ここのお家、貧乏なのかどうかあまりはっきり見えない

私たち夫婦共々、江戸落語は、外国語に近い言語か。
金坊より、寅ちゃんですな。


帰りしなに、みずかけ不動の前の「桃粋」で
美味しい料理とお酒を堪能。


第180回・TORII寄席 (10月恒例・東西落語会)
2009年10月1日(木)午後6:30開演
千日前・TORII・HALL


一、桂優々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「東の旅・発端」
二、桂吉の丞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「遊山舟」
三、林家彦いち・・・・・・・・・・・・・・・・・「・・・・・」(しゃべりの母親)
四、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「上燗屋」
仲入り
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「竹の水仙」
六、古今亭志ん橋・・・・・・・・・・・・・・・「藪入り」

09-66-300


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