![]() | ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺 (集英社文庫) 田中 啓文 集英社 このアイテムの詳細を見る |
まえから気になっていたが、BOKK OFF で見つける。
次の、「ハナシにならん」も有ったが、オモシロイかどうか解らぬ為、
とりあえず、第一話の「ハナシがちがう」のみ購入。
笑酔亭梅寿、まさに、六代目松鶴師匠と、ダブル。
豪放磊落な人柄、笑福亭の「捨て育ち」そのままで、
主人公、竜二は、才能を落語で、花開かせる。
古典の基礎があっての、新作落語。
良き仲間であり、ライバルである、兄弟弟子の、嫉妬と落し入れ、
ヤンチャもんの、竜二が後半からピュアにみえてくる。
でも、絶対的な存在は、梅寿師匠。
一門をまとめるのは、まさに大変なこと。
各章に、落語の演目にちなんでいるが、
謎解きみたいで、前半などは、落語版金田一少年みたいである。
でも、表紙をよく見ると、サブタイトルで笑酔亭梅寿謎解噺とある。
単に、落語家の高座姿の表紙と、目次の各章の落語にちなんだ題目だけで、
私が勝手に、もっと落語的内容と勘違いしていた・・・
・・・・・・逆に表紙の影響力、大でおますな。
「タレントは創ろうと思えば、三日で創れるが、
芸人を育てるには、時間がかかる」と、吉本のプロデュサーが述べていると。
本は、落語的であるが、落語界にしても、人物模写にしても
ましてや、落語の噺の中身としても、すべて軽く、不完全燃焼な感じ。
と言いながら、丸一日で一気に読んでしまったんですが・・・。
まあ、肩の凝らない、気楽な本・・急いで買う事もないが、
古本屋でも行く機会があれば、次の「ハナシにならん」も買いそうですな。
田中啓文さんの落語を、積極的に八天さんが演じているようだが、
近々に生の落語を聴いてで、著者の落語への思いを、評価してみたい。