異性 | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
☆☆☆
穂村弘、角田光代との書簡という形で、異性、男と女について語る。
このまえ、内田樹さんの本の中で、書物をする上において常に本書きは、
第三者を意識しながら、対話をし、書き進めていくというのがあったが、
その話相手が、お互い穂村弘、角田光代の二人とあれば、どんなにおもしろいか・・・
結果、得心も得心、なるほどの連続の男女論、恋愛論になっている。
話のテーマだけ列挙すると、
1、「好き」というハードル
2、内面か外見か
3、おごられ女、割り勘女
4、運命の分かれ目
5、女は変化をおそれ、男は固定をおそれる。
6、絆への思い
7、感情移入の男女の差
8、女は非日常体験を求めているか
9、「好きな人」「まあまあ」「眼中にない人」
10、もてるための努力が恥ずかしい
11、恋愛カースト制度の呪縛
12、主電源オフ系男女
13、もてる人には“スペース”がある
14、別れた人には不孝になってほしいか
15、さかのぼり嫉妬
16、女とつきあったことのない男
17、男の勲章、女の勲章
18、錯覚と致命傷
19、好きだから許せる
20、好きだけど許せない
21、ファションがアピールするもの
22、自分とかけ離れた人を好きになる
23、「おれがいないとだめな女」「おれなんかにはもったいない女」
24、恋愛という物語-長編劇画と四コマ漫画
例え、「女は変化をおそれ、男は固定をおそれる」ということでは、
角田・・・・「私のこと好き? ずーっと好き? 一生好き?」と訊くのは、
なぜかおおむね男性ではなく女性だ。そう訊かれた男性は、なぜか答えを渋る。
穂村・・・・そういえば松任谷由美の歌にも「明日のことはわからないけど/
ずっと愛すと云ってくれない/あなたは冷たい人」というのがあったが、
明日のことはわからない「けど」ではなく、わからない「から」、あなたを「ずっと
愛す」と言えないんだと、これは「冷たい人」ではなく「普通の人」なんだと・・。
でも、リストラされて自殺するのは圧倒的に男性が多いし、
夫が死んだあと、いきいきと海外旅行に出かけたりするのも女性。
こんなにも変化をおそれる女性は、めっぽう変化に強いではないか・・・と、
穂村さんが指摘する・・・こんな具合に、人間としては共通でありながら
男と女のちょっとした心のズレを、お互い気づき気づかせで、はなしがすすむ。
読みながら昔を懐かしみ、にんまりできる、好エッセイ(書簡集)でおます。
13-B02
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