![]() | おみやげと鉄道 名物で語る日本近代史 |
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講談社 |
生意気なようだが、なかなか着眼点がユニークでおもしろい本。
おみやげ、それもお菓子についてあれこれと語られる。
日本独特のおみやげ文化、おみやげの起源ついては、諸説あるようだが、
「宮笥(ミヤケ)」説、これは神社に参る時に持っていく「笥(ケ)」という器の意から転じた。
もうひとつは、「屯倉(ミヤケ)」大和朝廷直領におかれた稲米の倉が転じて・・・。
どちらにしても、神仏や貴人に対する「献上品」や「もてなし」の意味が濃い・
神仏に捧げられたものに対して、人は神酒などを授かる。神と人は神人供食、
つまり「直会(ナオライ)」、これって神社での落語会の打ち上げを常々こう呼んでいましたが、
もっと神聖なものだったんですな・・・。
そして、鉄道の発達と共に、色んな名物が誕生、これらは今もあるものばかり、
安倍川餅、山葵漬、柿羊羹、蕪の千枚漬、吉備団子、八つ橋、五色豆、鳩サブレー、
伊勢の赤福、ひよこ饅頭、そして鉄道弘済会の利権絡みの駅構内での独占販売など、
日持ちと販路、鉄道での広い範囲へ普及。
まさに、今の飛行機によってメジャーになった、「白い恋人」仙台の「萩の月」など、
脈々とその手法は続いているんですな。
また、全国菓子大博覧会が昭和十年の仙台から改称され現在でも続いているし、
今デパートで盛んな、北海道展などの物産展などは、多大の人を集め、
おべんとうだけではなく、お菓子、名産品の販売普及に貢献している。
そういえば、今では高速の「サービスエリア」、幹線道路の「道の駅」などで、
一地方の名産品が車社会の普及により広範囲の方に支持されていく・・・。
更に、ネット販売、今一地方の名物、名産品は、かつて旅という人の移動という形で
拡販したものが、居ながらにして注文できる世の中に・・・便利過ぎるぐらい便利。
だからこそ、わざわざ持って伺う「手みやげ」に価値を感じる今日この頃ですかな・・。
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