![]() | 向田邦子の恋文 (新潮文庫) |
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新潮社 |
☆☆
向田邦子さんの恋人へ宛てた五通の手紙。
日常のことが、淡々と綴られているなかに、揺れ動く恋心が滲みでる。
相手は妻子ある男、脳卒中で倒れ足が不自由に・・・・。
そんな彼に、仕事に缶詰になったホテルから合間を縫って手紙を・・・。
世間からは、仕事からは遠のいている彼、仕事でも、経済的にも支える邦子。
尽くすことで、どこか満たされる邦子の思い。
洪水のごとくドラマとラジオの原稿が押し寄せる中で、
ご自分の生きがい、自分が尽くせる対象をずっと“秘め事”としてご自分の中へ。
全ては、ご自分の・・・で、決して自己本位の自分ではなく、自分さえよければ、
自分さえ我慢すれば・・・甘え、燃える女ではなく、強い、耐える女を演じる。
その、二人のやりとりの手紙は、まさに向田邦子のドラマそのもので、
言葉少なく、情念は濃い。
この時代に、携帯電話があり、二人がメールを交わしていたら、
どんな展開になっていたのか・・・・障害のある中での恋。
向田邦子の世界は、私生活の中でも一途に展開されていた。
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