ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

向田邦子の恋文~向田和子

2013-05-12 05:39:17 | 本の少し
向田邦子の恋文 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

☆☆

向田邦子さんの恋人へ宛てた五通の手紙。

日常のことが、淡々と綴られているなかに、揺れ動く恋心が滲みでる。

相手は妻子ある男、脳卒中で倒れ足が不自由に・・・・。
そんな彼に、仕事に缶詰になったホテルから合間を縫って手紙を・・・。

世間からは、仕事からは遠のいている彼、仕事でも、経済的にも支える邦子。

尽くすことで、どこか満たされる邦子の思い。

洪水のごとくドラマとラジオの原稿が押し寄せる中で、
ご自分の生きがい、自分が尽くせる対象をずっと“秘め事”としてご自分の中へ。

全ては、ご自分の・・・で、決して自己本位の自分ではなく、自分さえよければ、
自分さえ我慢すれば・・・甘え、燃える女ではなく、強い、耐える女を演じる。

その、二人のやりとりの手紙は、まさに向田邦子のドラマそのもので、
言葉少なく、情念は濃い。

この時代に、携帯電話があり、二人がメールを交わしていたら、
どんな展開になっていたのか・・・・障害のある中での恋。

向田邦子の世界は、私生活の中でも一途に展開されていた。



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