歌舞伎のぐるりノート (ちくま新書) | |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
☆☆☆
歌舞伎のおもしろさを、素人目線で伝えてくれる。
いるけど、いない人と黒子の存在にいたく感心を示す。
黒子の存在こそ歌舞伎のらしいものはないと・・・。
成駒屋=六代目歌右衛門の所作や表情にグロテスクを感じると、
十七、八の小娘がいう様なことを平気で還暦過ぎの著者がいう。
この、玄人なのか素人なのか、解らぬ曖昧さが中野翠さんの魅力か。
名ゼリフに痺れてでは、
「せまじきものは宮仕え」「腹が減っては戦ができぬ」
「とんだところへ北村大膳」「お若えのお待ちなせえやし」
「待てとおとどめなされしは、拙者が事でござるかな」
「月も朧に白魚の・・・・」
落語の「稽古屋」にでてくる、
「世辞でまろめて浮気でこねて、小町桜の眺めに飽きぬ」これも「喜撰」の清元
歌舞伎の裾野は広いもんだと・・・。
そして、巻末には、1991年の勘三郎(当時勘九郎)さんとの対談も・・・、
勘三郎さん、当時いかに歌舞伎の裾を広げたく思っているか窺える。
全編に亘って、歌舞伎はこんなにおもしろいもんだと、外国人向のガイダンスみたいで、
単純かつ、意表のつく視点で歌舞伎のおもしろさを紹介してくれる。
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