![]() | 吉朝庵: 桂吉朝夢ばなし |
クリエーター情報なし | |
淡交社 |
☆☆☆☆
吉朝さんの息子さんが、生前お父さんにご縁のあった方々に、
親父である吉朝さんの話をおうかがいしてまとめたもの。
お茶目で普段からいたずら好きで、運転免許の写真を撮りに行く時、
モーツアルトのようなカツラを被って免許証をつくってしまう。
小学生の子供と一緒に花火をしていて普通では飽きて、ロケット花火を地面に置いて
火をつけて民家のゴルフの練習している庭先へ直撃・・・オッサンがオッサンに怒られる。
帰ってくると「ヘッヘ、怒られたぁ」・・・・まるで、落語の“初天神”の親子。
ものまねが上手いんで、いろんな人の声でいたずら電話をかけまくる。
あるときは新聞記者で米八さんへ、雀三郎さんの家には米朝師匠で・・
相手のチョチョマウ姿を見て愉しむ。
ある小さなホールでの独演会では、高座に上がった吉朝さん、
「私、携帯電話嫌いですねん。よう、落語をやってる時に客席で
鳴ることがあるでしょう、あれ、他のお客さんにも迷惑やし、
こっちの気分も悪い。ですから、今日もし客席で鳴ったら、その時点で
落語やめて帰りますから。」と、客席が静まりかえった一瞬、会場のどこかで
「トゥルル」という携帯の呼び出し音、客席の空気が凍りついた次の瞬間、
吉朝さんモソモソと懐に手を入れると、携帯電話を取りだして
「ああ、もしもし。いま、落語やってんねん。すんだらじき帰るわ」
とだけ言うと電話を切り、知らん顔で落語を始めた・・・。
つまり、高座のソデの弟子に言いつけて携帯に電話をかけさせた。
すべてが落語、おもしろいなと思ったことは何でもしてみないと気が済まない。
でも落語は上方の江戸前といわれるぐらいの本格派。
もし、生きておらえれたら、米團治かはたまた米朝襲名の一番手。
吉朝一門は好きな噺家さんばかり、でも実は、師匠の吉朝さんは生では聴いたことなし。
CD引っぱり出してきて、十八番の「ふぐ鍋」でも今日は寝ましょうか。
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