ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

米朝らくごの舞台裏~小佐田定雄

2015-05-01 09:39:21 | 本の少し
米朝らくごの舞台裏 (ちくま新書)
クリエーター情報なし
筑摩書房

☆☆☆☆

早くも、米朝師匠の追悼の本が発刊。

談志師匠の時も、批評家はもとよりお弟子さんたちが次々に、
このあと、一門の皆さんから色々な教えと想い出の数々が披露されるんでしょうか。

40の演目別にあれやこれやと、米朝師匠がその噺にまつわる芸談を語る。
羨ましいのは、小佐田さんが聞き手として実際生で聞いておられること。

話は、多岐に渡り、米朝師匠の先人たちのハナシも多く、まさに中興の租として
上方落語を後世に残すべき語り部、繋ぎ部としての芸談が満載。


数ある中から一つだけ紹介すると、「たちぎれ線香」で米朝師は、

「もちろん難しい噺やねんけど、若旦那が紀ノ庄に行くまでは悲劇的なところは
一切ない、普通の落語として陽気に演じるんや」と言っておられる。
若旦那が紀ノ庄にたどりついて、「ごめん」と声を掛けると、家の中から女将が
「はーい」と返事をする。その「はーい」の一言が暗くて、気だるい調子で、
勘のいい聞き手は「おや、この家になにかあったのかな?」と予測するトーンなのだ。
女中のお仲の案内で座敷に通された若旦那は女将から小糸の位牌を突きつけられ。
「小糸を殺したのはあんさんです」と告げられる。
その時点から「悲劇」はスタートするわけである」と・・・・・・。

今後「たちぎり線香」を聴く時、この女将の「はーい」は気になる台詞になりましたな。

この様に、噺一つ一つに思いが事細かにいっぱい。

是非、米朝師匠の音源と共に傍に置いて置きたい本ですな。

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コメント
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