勘三郎、荒ぶる (幻冬舎文庫) | |
クリエーター情報なし | |
幻冬舎 |
☆☆☆☆
読めば読むほど、勘三郎(勘九郎)さんの早すぎる死が惜しまれます。
伝統の古典芸能でありながら、、
平成中村座、NY公演、コクーン歌舞伎と次々、と「時代の遺物にしてはならぬと、
常に「今」を考え生きた演劇とチャレンジし続けた勘三郎さん。
時代物、江戸の世話狂言、上方狂言、新歌舞伎、そして舞踊と、
多彩に各分野で圧倒的な芸の力をみせる。
歌舞伎役者には爆発的な瞬発力とともに、それを押しとどめる静かな力が必要だと・・。
「観ている方は不思議に思うかしょうが、激しく見える立ち役より、
穏やかな女形の方が筋肉を必要とします。中腰の姿勢をとりながら、
なめらかに流れるように動かなければならない。力を込めて一瞬見せる大きな動きより、
ゆっくりとでも低い姿勢をとりながら持続する動きの方が筋肉への負担をしいる」
このまえ、文楽劇場で花柳の踊りをみたところなので、
「鏡獅子」同様、可憐で優美な「娘道成寺」の舞も過酷な運動量が必要なんだと、納得。
人脈の広さというか、芸を究めたいという一心で、歌舞伎以外の人でも、
良い舞台を創りたいと思えば、垣根隔てなく一緒にやろうと、お声掛けする。
演出家の串田和美さん、野田秀樹さん、現代役者の笹野高史さん、大竹しのぶさん、
、藤山直美さん、柄本明さん、舞台はご一緒してないが、談志さんに鶴瓶さん、
襲名の襖絵を書いた金子國義さん、どんどん思いの大きさだけ人の輪が繋がっていく。
一度も観ずして終わってしまった、勘三郎さんの舞台。
同じ時代に生きながらと、大いに後悔致しております。
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