![]() | フラジャイル―佐藤りえ歌集 |
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風媒社 |
☆☆☆
本題の「フラジャイル」って何、松岡正剛が提唱されたキーワードで、
弱さゆえの強さ、外面的な弱さに隠された内面の充実というような意味とか。
あの大友浩さんがその著者の「花は志ん朝」(既読している本ですが)の中で、
古今亭志ん朝さんの特質をこのフラジャイルなる言葉を軸として論じていると、
(記憶にありませんな・・・・)
でも、歌集の題にもってこられるぐらいですから、
佐藤りえさんの一番のこだわりなんでしょうな。
でも、例のごとく、私のお気に入りは、
ひょっとすると意図するところとは外れているような・・・
そんなことは、気にしないで・・・・ご紹介を。
この夜がこの世の中にあることをわたしに知らせるケトルが鳴るよ
たべ終えたお皿持ち去られた後の泣きそうに広いテーブルを見て
こなごなになってしまったいいことも嫌な思いも綺麗な粒ね
一人でも生きられるけどトーストにおそろしいほど塗るマーガリン
たましいを半分ぐらい切り取ってきみにあげたい 果実のように
シロップはお使いですか? マドラーは? 口に運んでさしあげますか?
地下鉄の窓に貼り付くひとひらの桜のように春とはぐれたり
鍵盤に指をおろした瞬間に逢う音のような君に会いたい
ヘッドホン外した時の静寂にどこか似ている恋の終わりは
抱きしめることと束縛することの違いを百字以内で述べよ
あたためたミルクに入れる角砂糖恋よ楽しむためにだけにあれ
ぼくたちが歩くはやさで暮れる日よあんぱん3個買って帰ろう
わたしより安い恋なら許さない 火曜は燃えないゴミの日だった
たべ終えたお皿持ち去られた後の泣きそうに広いテーブルを見て
こなごなになってしまったいいことも嫌な思いも綺麗な粒ね
一人でも生きられるけどトーストにおそろしいほど塗るマーガリン
たましいを半分ぐらい切り取ってきみにあげたい 果実のように
シロップはお使いですか? マドラーは? 口に運んでさしあげますか?
地下鉄の窓に貼り付くひとひらの桜のように春とはぐれたり
鍵盤に指をおろした瞬間に逢う音のような君に会いたい
ヘッドホン外した時の静寂にどこか似ている恋の終わりは
抱きしめることと束縛することの違いを百字以内で述べよ
あたためたミルクに入れる角砂糖恋よ楽しむためにだけにあれ
ぼくたちが歩くはやさで暮れる日よあんぱん3個買って帰ろう
わたしより安い恋なら許さない 火曜は燃えないゴミの日だった
なんか、選んだのは、食べ物に関する歌が多いようですな・・・・・。