ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ねむらない樹・vol.1

2018-09-27 05:05:05 | 本の少し
短歌ムック ねむらない樹 vol.1
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆

短歌ムックの創刊号。

もともと、ムックって何・・・magazineのmとbookのookの混成語で、
雑誌と書籍を合わせたような刊行物のこと。

その、創刊号が新鋭短歌シリーズの書肆侃侃房から発刊、
さっそく、読んでみる。

まだ短歌をかじり始めたばかりなので、体系的には知識もなにもなく、
ニューウェーブという括りがあり、加藤治郎、穂村弘、西田政史などの作品傾向に
萩原裕幸が命名し、自身もそう呼ばれたと。
ニューウェーブの定義とは「ライトバースの影響を色濃く受けつつ、
口語、固有名詞、オトマトペ・記号などの修司をさらに尖鋭化した
一群の作品に対する総称」・・・・知らなかったです。

当時、「岩波現代短歌辞典」にピックアップで一番紛糾したのが、
この「ニューウェーブ」と「サラダ日記」とは、時の流れとはおもしろいものですな。

林あまり×東直子さんの対談では、東さんが「MOE」という雑誌の投稿して、
林さんがよく採用され、温かい選評を頂いたと・・・・同じ年ぐらいなので
同時デビューと思っていたら、そんな時間差があったなんて・・・・。

私にとっては一年間の短歌の世界を、整理するのに丁度良いテキストができました。

まだまだ、豊富に楽しめる項目、いっぱいですが・・・

最後に、新世代がいま届けたい、現代短歌100から、お気に入りを

俺なんかどこが良いのと聞く君はあたしのどこが駄目なんだろう (泡凪伊良佳)

缶コーヒー買って飲むってことだってひとがするのを見て覚えたの (山崎基)

くびすじをすきといわれたその日からくびすじはそらしかたをおぼえる (野口あや子)

月を見つけて月いいよねと君が言う ぼくはこっちだからじゃあまたね (永井祐)

とても私。 きましたここへ。 とてもここへ。白い帽子を胸にふせ立つ (雪舟えま)

春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる (服部真里子)

人を抱く時間は冬の虹に似て一生のうちほんのわずかの (吉川宏志)

ボーダーを着てボーダーの服を買いに行くのはながいきのおまじない (橋爪志保)

 みんな好きなら私の好きはいらんやろかき氷でつくるみずたまり (北村早紀)
コメント
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