上方らくごの舞台裏 (ちくま新書) | |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
☆☆☆☆
小佐田定雄さんの“舞台裏”シリーズの枝雀、米朝、に続いての第三弾。
今回は演目の精選38も、ど定番の演目ではなくちょいと捻ったもの。
実際、演者として紹介されるのも、三代目春團治、六代目松喬、五代目文枝、
四代目文紅、六代目松鶴、先代福郎、三代目文我、先代春蝶、先代歌之助、
露の五郎、吉朝、二代目染丸、仁鶴、雀三郎、松之助、ざこば、鶴瓶、
と生の高座を聴いた馴染み方ばかりで、親しみがわく。
ほんと裏ばなしに相応しい内容で、
例えば、吉朝さんがいかに落語が好きだったのかをと、「連鎖落語」を紹介。
「東の旅の発端」からスタートして、「ふたなり」「野崎詣り」「蔵丁稚」「饅頭怖い」
「不動坊」「口入屋」「親子茶屋」「持参金」「崇徳院」「つる」「小倉船」「皿屋敷」
「蛇含草」「狸の賽」「高津の富」を繋ぎながらの落語に。
そのときのネタ帖には「全十六席ヲ八分デ演了ス」と、聴きたかったですな。
「お囃子さん列伝」と称して、歴代のお囃子さんから、当代のお囃子さんまでご紹介。
師匠、お弟子さんの関係がわかって、スッキリと。
“舞台裏”シリーズの中では、個人的には一番のお薦めですな。