ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

無私の日本人~磯田道史

2019-01-14 05:05:05 | 本の少し
無私の日本人 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆☆☆

「無私の日本人」私利私欲の為ではなく、人の為に生きる。
今の政治家に是非読んで、爪の垢でも煎じてほしい、
「穀田屋十三郎」、「中根東里」、「大田垣蓮月」の三人のお話。

最初の話は、仙台の貧しい町、吉岡が、藩の助けもなく、民家が潰れはじめた。
絶望した住民が、藩に千両もの福祉基金をつくって、利子を藩からいただき、
それを全住民に配る仕組みを考えた・・・思い立ってから、六年、七年、の後、
前例のないことを執念でようやく、満願成熟。

この主人公の「穀田屋十三郎」がその四年後、死に臨んで子供たちに残した三つの言葉。
「ひとつ、わしのしたことを人前で語ってはならぬ。わが家が善行を施したなどと、
ゆめゆめ思うな。何事も驕らず、高ぶらず、地道に暮らせ」
「ひとつ、これからも吉岡のために助力を惜しんではならぬ。商売がつづくのは、
皆々様のおかげと思うて、日々、人様に手を合わせよ」
「ひとつ、茶を売れ。菅原屋が吉岡に産を興すためにはじめた事業をたすけよ」

どこかの、首相とはえらい違い、後世に名を残したい一心で変革との名ばかりの、
なし崩しの改悪が行われている。
「正直」「誠意」「浄化」「謙虚」「利他行」「感謝」「先他後私」、などの、
我が国にあった良き倫理道徳は何処へ、「日本人の幸福」とは。

日々の暮らし方を考えさされる本でおます。

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