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出会ったことのある、数少ない歌人さんのひとり。嶋田さくらこさんの歌集。
うた恋がとどまることなく続く。私の好きな第1章の恋歌は、裏のプロフィールで調べると、35歳の時に作った歌ですが、歌われているのはそれより10年ほど前の25歳前後か・・・その時ぐらいの恋って、ワクワクしてて素敵ですよね。
そこで、好きな歌も恋歌に偏りました。
『第一章』
・君とよく行ったドラッグストアにはまだある同じ香りのシャンプー
・誰からかわかる受信の振動がかすかに愛を伝えてくれる
・淡雪がやさしい雨になりました 泣くならこんな日がいいでしょう
・魔法瓶に一晩泊まってゆくといい 銀色のお湯になれる幸福
・夏風邪をひいたあなたに出会いたい くしゃみの色をおそろいにする
・もしかしてきみのねがいはふたつだけ? うそつくこにはかなえてあげない
『第三章』
・素麺の白さと艶が欲しいとか毎年思っている また夏だ
・好きな人にキスするときは好きすぎて好きと言えないままキスになる
・すきだろ、と拾ってくれた桜貝の微熱にきみは気づいていない
・もう好きでない人でしたキスしたらわかった悲しい真実でした
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