ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

花は志ん朝~大友浩

2016-04-12 21:25:25 | 本の少し
花は志ん朝 (河出文庫)
クリエーター情報なし
河出書房新社

☆☆☆☆

古今亭志ん朝さんの芸について、ご本人さんや周りの噺家さんの言葉を
多く取りいれて、その真意を語る。

今迄、色んな本を読んで既に知っていたことも多くあったが、
新たに気になったところを「本の少し」紹介させて頂くと、

志ん朝は、落語を覚えるためにノートをつけていた。これは伝聞だが、
ノートには芝居の台本のように、「第一幕第二場」などと書かれていたという。
落語を芝居のように構成するところから、志ん朝の落語は始まっていた。
これは、落語を立体的に構成することにつながる。

これと対象的だったのは、兄である十代目金原亭馬生ではないだろうか、
馬生の高座は、落語をあたかも一本の線のように語っていたように思われる。
馬生の高座には古いももの良さがあるように感じられたのだが、それは馬生が
落語を線のように語ったからではないかと、これに対して、立体的な志ん朝の
落語には一種の近代的な新しさが感じられると・・・・・・。


志ん朝のところどころに打ちこまれるアクセントは、ジャズのドラムから
来ているのではないかと勘ぐりたくなる。
「志ん朝の見事なフレージングさばきの手法に、自分から入れる短い合いの手がある。
句と句のあいだに、「ねェ」、「えェ?」、「なァ」、「うン」、「本当に」、といったことばの
つぶてを頻繁に投げいれる。

あぁ、そぉいえば、流れる様なリズミカルなフレージングをつくるために、
それを極力短く入れながら、必ずリズム上のアクセントをとらえている。

あの鼻にかかった「(ほ)ンと〜ン(に)」、はなんて心地よいんでしょう。


ああ、志ん朝さんの落語聴きたくなってきましたな・・・・。
数ある中でお気に入りは「火事息子」と「厩火事」ですか。


にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 妹背山婦女庭訓~2016年4月文... | トップ | 史上最強の内閣~室積光 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本の少し」カテゴリの最新記事