花は志ん朝 (河出文庫) | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
☆☆☆☆
古今亭志ん朝さんの芸について、ご本人さんや周りの噺家さんの言葉を
多く取りいれて、その真意を語る。
今迄、色んな本を読んで既に知っていたことも多くあったが、
新たに気になったところを「本の少し」紹介させて頂くと、
志ん朝は、落語を覚えるためにノートをつけていた。これは伝聞だが、
ノートには芝居の台本のように、「第一幕第二場」などと書かれていたという。
落語を芝居のように構成するところから、志ん朝の落語は始まっていた。
これは、落語を立体的に構成することにつながる。
これと対象的だったのは、兄である十代目金原亭馬生ではないだろうか、
馬生の高座は、落語をあたかも一本の線のように語っていたように思われる。
馬生の高座には古いももの良さがあるように感じられたのだが、それは馬生が
落語を線のように語ったからではないかと、これに対して、立体的な志ん朝の
落語には一種の近代的な新しさが感じられると・・・・・・。
志ん朝のところどころに打ちこまれるアクセントは、ジャズのドラムから
来ているのではないかと勘ぐりたくなる。
「志ん朝の見事なフレージングさばきの手法に、自分から入れる短い合いの手がある。
句と句のあいだに、「ねェ」、「えェ?」、「なァ」、「うン」、「本当に」、といったことばの
つぶてを頻繁に投げいれる。
あぁ、そぉいえば、流れる様なリズミカルなフレージングをつくるために、
それを極力短く入れながら、必ずリズム上のアクセントをとらえている。
あの鼻にかかった「(ほ)ンと〜ン(に)」、はなんて心地よいんでしょう。
ああ、志ん朝さんの落語聴きたくなってきましたな・・・・。
数ある中でお気に入りは「火事息子」と「厩火事」ですか。
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