白酒ひとり壺中の天 火焔太鼓に夢見酒 (落語ファン倶楽部新書009) | |
クリエーター情報なし | |
白夜書房 |
☆☆☆☆
良いですな、図書館で借りた落語の本、三冊の最後の一冊。
美味しいものを最後に取ってあったような気持ちで、
じっくり味わいながら読ませて頂いた。
白酒さんの、能天気な落語人生と、わが子のように育て上げる師匠雲助さん。
入ってからの稽古が
「道灌」「平林」「豆屋」「手紙無筆」「子ほめ」「堀之内」「宿屋の富」「初天神」、
そのあと一年半後入門の馬石さんと一緒に「黄金の大黒」「たらちね」
前座中に「妾馬」「お見立て」「干物箱」そして初めての出稽古が川柳師匠の「金明竹」
師匠は元々、前座に大きいネタを教えるのを是とされていたらしいが、
それにしても、「宿屋の富」とか「黄金の大黒」なんぞが早く教われるなんて・・。
「前座時代はよかったけれど、二つ目に上がって普通の人になっちゃったみたいな
パターン」と、「ぼちぼち、雲助師匠から離れませんか(芸の上で)」とアドバイスを受け。
「雲助は二人要らないと」自分の落語を目指して、一皮むける。
そして売り物になった演目が「代脈」と「代書屋」そのあと「四段目」「ざるや」へと
つながるらしい・・・・こういうのを聞くと、このネタ、是非聴きたくなりますな。
今の白酒落語へのターニングポイントになった志ん朝師匠の言葉、
「本当に面白いと思ってやってる?面白さがお客様に伝わるような努力をしないと
カネは稼げないし、カネを稼げないんだったらプロでやる必要はないんじゃないか。
だったら、素人で好きにやっていればいい。面白いものをどうお客様に伝えればいいか。
今のやり方はたぶん届いていないと思うぞ」・・・本質を見抜いた鋭い指摘。
する方の志ん朝さんも凄いが、その一言で考え方を変換した白酒さんも凄い。
常に「自分の落語はあるべきか」と考えて、準備できているから、
ちょっとしたヒントをものにできるんでしょうな・・・・。
丁度、昨日買った本が「なぜかうまくいく、1%の人だけが実行している45の習慣」
それにも繋がる様な、ハナシですな。
補足・・「壺中の天」(別天地に浸るの意)で、
雲助の壺中の天から抜け、白酒の新しい壺の中に楽園を創りたいとのこと・・・。
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