8月6日(日) 下山の日。朝の聖平は好天であった。この三日間、午前中は好天、昼前頃から曇り始めやがてガスに巻かれるという日が続いている。次の行程が長いため、ここでは山人の朝の出発は早い。午前6時には前夜の週末の混雑はどこへやら、ひっそりとするほどの静けさになっていた。写真は、シラビソの森に囲まれた聖平小屋。
便ケ島への下山路は、聖平から30分程登ったところにある薊畑(あざみばた)の分岐から、ほぼ2000メートルの標高差を辿る道である。苔生す樹林の中の長い長い急坂の道はいかにも南アルプスらしい。午前8時15分に登山道に立ち止まってラジオから聞こえる広島の鐘の音に合わせて黙祷。聖光小屋のある便ケ島広場まで下山するのに約6時間を要した。厳しくも楽しい山の生活を堪能した4日間であった。写真は、薊畑から眺望した光岳(てかりだけ・2591.1m)。