MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『せかいで いちばん つよい国』

2013年12月08日 | BOOKS
『せかいで いちばん つよい国』
デビッド・マッキー/作
なかがわちひろ/訳


 「自分たちの国が世界中を征服すれば、世界中が自分たちのように幸せになる」と考えた大きな国の大統領が、兵隊のいない小さな国を征服しに行ったら……。
 世界の平和を見つめなおす、皮肉とユーモアにあふれた素晴らしい絵本です。
 小さな子への読み聞かせはもちろん、大人にも、とくに政治家の皆さんに読み聞かせたい1冊ですね。

 大きな国は欧米風の服を着て、小さな国はイスラム風の服を着ていることにも、大きな意味を感じます。
 表紙を開いてすぐの見返しと、最後の見返しの絵も、絵本の一部としてお見逃しなく。

 原題は『The Conquerors』
 直訳すると「征服者たち」ですね。
 「a General=司令官」は、「だいとうりょう」と訳されています。ずばり、「世界の警察」と称されている大きな国の大統領は軍の最高司令官ですから、名訳かもしれません。
 イギリスの出版社アンダーソンプレスの原書の紹介では、「Just who has conquered whom? (本当のところは、誰が誰に征服されたのかな?)」と書かれていました。


 兵隊のいない小さな国として、私たちができることはなにか。
 武器を持つことではない、もっと心豊かな方策がこの本にあります。
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