モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

秋キノコの季節到来!(妻女山里山通信)

2009-09-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ にほんブログ村 写真ブログへ
ブログランキング・にほんブログ村へ

 夏キノコが一段落して、しばらく端境期が続いたのですが、やっと北信濃の里山にも秋キノコのシーズンがやってきました。夏キノコは多雨で豊作でしたが、秋は小雨で今年は不作のようです。
 まず一番手は、なんといっても裏紅布袋占地(ウラベニホテイシメジ)。同じイッポンシメジ科の一本占地(イッポンシメジ)や草裏紅茸(クサウラベニタケ)という非常に間違えやすい毒キノコがあって、同定には要注意のキノコです。また、ウラベニホテイシメジのことをイッポンシメジという地方もあるので注意が必要です。

 傘の斑点や軸が中実であることとか見分ける方法がありますが、もうひとつ私は匂いで分かります。毒の二種には特有の匂いがあります。これを経験的に知っておくと更に確実に判別ができます。幸い今まで一度も間違えたことはありません。以前、山梨県のある村の直売所で、クサウラベニタケがウラベニホテイシメジとして売られているのを見たことがあります。図鑑などにプロも間違えるキノコと書かれていたりしますが、要注意のキノコであるといえるでしょう。

 次は桜占地(サクラシメジ)です。ほろ苦さが特徴の歯切れのいいキノコです。昔はうんざりするほど採れたのですが、当地では希少なキノコになりつつあります。早松(サマツ・バカマツタケ)、紫箒茸(ムラサキホウキタケ)なども数が減っています。

 三番目は、青犬占地(アオイヌシメジ)。アニスや桜餅に似た香りがあるキノコで食べられます。青いキノコというだけで食欲が湧きませんが、桜餅よりはアニスに近いかなという、ややケミカルな香り。酢の物、ピクルス、湯がいてデザートにとあるのですが、あえて食べたいと思うような香りと味ではありません。同じ青なら青緑の絣模様が入った藍茸(アイタケ)の方が格段に美味しいキノコです。

 四番目は、食用キノコではありませんが、きれいなので。紅茶碗茸擬(ベニチャワンタケモドキ)です。朽ち木にはえるキノコで、直径は5~20ミリぐらい。写真のものは大きいものでも6ミリぐらいでした。緑と茶色の森の中では、小さくてもとても目立つキノコです。

 最後は、キノコではなくオケラの花。花は直径1.5~2cmで、魚の骨を並べたような苞葉があります。「山で旨いはトトキ(ツリガネニンジン)にオケラ」といわれるように、若葉が食用とされます。
 古語ではウケラで、転訛してオケラになったようで、昆虫の螻蛄(オケラ)とは無関係です。万葉集にも「恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の うけらが花の 色に出なゆめ」とうたわれています。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコ、粘菌、秋の花、昆虫、樹木、蝶などを更新しました。トレッキング・フォトルポにない写真も掲載してあります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする