マスコミ論調では、守備が崩壊した後半最後の20分が問題というのが主流ですが、本当でしょうか。では、岡田監督のいうように90分雪原に解き放たれた犬のように走り回ればオランダに勝てたのでしょうか。私は否だと思います。バイタルエリアの外でボールを回し続け、希に打つシュートは枠に飛ばず、一瞬の隙を衝かれて相手の一発に沈む。前回W杯と全く同様の結果が待っているとしか思えません。
オランダの監督や選手が指摘するように、なんの脅威も感じさせなかったFW。MFにしてもバイタルエリアに自ら切れ込むこともなく、リスクチャレンジもしないため、同様に脅威とはならず得意というフリーキックを得ることもできない。後から投入された選手の批判をする資格はないでしょう。ますはシュートを打たなければゴールは生まれないし、枠に飛ばなければゴールは生まれない。
選手の中からも90分間あのようなチェイスをするのは無理という言葉がでてきています。選手の信頼がゆらいだらチームは内部から崩壊するでしょう。確かに鍛えれば一試合はそういうゲームができるかもしれない。しかし、どういう気象条件やピッチ状況、選手のコンディションになるかも分からないW杯の舞台で、毎試合そういうゲームをすることは、どう考えても非現実的。結果は火を見るより明らかです。
こういうチームコンセプト、ゲームプランしか持てない監督は、失格といわれても仕方がないでしょう。やはり、弱小チームを世界で戦えるチームにした実績のある外国人の監督に任せるべきだと思うのです。最初から論理的に破綻しているのでは、いつかチームは必ず内部崩壊します。その兆しはすでに選手のコメントからも感じられます。選手層が薄いというのも、選手の選択に難があるからでしょう。さらに欧州列強との親善試合を企画しているようですが、経験を積めば強くなれるというのは、幻想にすぎません。蟻地獄が待っているということもあるのです。
でも、不思議に思いませんか。どのマスコミも評論家もいわないようですが。自由を標榜して戦ったジーコジャパンと、規律重視の岡田ジャパンが、フタを開けてみればどちらも同じようなサッカーをして同じような負け方をしているということ。もう一つ、世界クラブ杯に出たJのチームが、外国人FWがいるとはいえ、必ずしも日本代表のようなゲームをしているわけでもないこと。世界のサッカーが、アスリートサッカーになっていること。前線からのプレスや、素早い攻守の切り替えなどは、日本代表だけでなく世界の常識であることを差し引いても、こんなサッカーしか本当にできないの?これで本当にいいの?と思わずにはいられません。どう考えても運動量の落ちたボランチと狙われた右SBを変えないのであれば、それこそ監督などだれがやっても上記のように同じ結果になるわけですから、高額報酬で楽な商売です。私にやらせてください!
という人はいくらでもいるのではないでしょうか。監督という仕事は、長期的には選手選考とチーム戦術の確立。短期的には、ゲームプランと選手交代が全て。そして、もっとも大事なのが選手のモチベーションを高め勝利への気持ちをひとつにすることじゃないですかね。それには、特に長期的戦術に関しては論理的な破綻があってはいけない。短期的には出た結果には全て責任をとる。選手のせいにしない。ブラジルに敗戦後、すべての責任は私にあると言ったマラドーナは、そういう意味でも誰かさんよりは監督業が分かっているといえるのではないでしょうか。
イロガワリというイグチ科のキノコがあります。鮮やかな黄色(日本人)なのですが、切ると群青色(青鬼・南蛮人)に変色します。黄色とは補色関係なのでびっくりします。科学変化を起こすわけです。青い色というのは食欲を減退させますが、これは非常に美味しいキノコなのです。日本代表が、科学変化を起こすためにはなにが必要なのでしょうか。緩急のリズムをつけながらも、ここという瞬間には全員で火のように点を取りに行く。そんなチームはできないものでしょうか。アウェイでアルゼンチンを撃破した最強のブラジル代表を見ると、ため息ばかりの今日この頃です。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコ、粘菌、夏の花、昆虫、樹木、蝶などを更新しました。トレッキング・フォトルポにない写真も掲載してあります。