~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

息子の手のひら~ランディさんの短編を読んで

2015-03-06 19:34:56 | 日記

春秋社で出している、冊子「春秋」が届きました。

この冊子に毎月、田口ランディさんが短編を書いて

いるのです。

佐藤初女さんのことを書いた文章に、私が衝撃を受け

そのことが、初女さんとランディさんの対談へと

繋がったのですが、今月は「不器用な手」という

短編でした。

お年玉で手相の本を買った主人公の「私」が友達の

手相をみるということから始まる短編小説です。

読んでいて、突然記憶のかなたに消えていたことが

鮮やかに立ち上がってきたのです。

子供が2~3歳の時だったでしょうか、私は何気なく

子供の手相をみたのです。

自分が手相が分かるわけでもないのに…

唯一知っていた生命線があまりに短く、びっくり

したのです。

そして、その後にきた不安な気持ちを、

小さいからまだ生命線が出ていないんだという事で

自分に言い聞かせていましたが、私は

息子の小さな手に爪で線を書くようにして

「この線が長くないといけないの」と言いました。

それから息子は度々「つっ君の短いの」と言って

自分の爪で手のひらに線を書いていました。

手相がどんなものかわかりませんが、

13歳で亡くなった息子を想うと、手相が

当たったのか、私があんなことをしたからかと、

不意に立ち上がった思い出に、悲しみが

押し寄せてきました。

親の愚かさでしょうか…

 

コメント (3)
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