不二家の賞味期限切れ牛乳の使用で、問題が生じたが、問題はまさに逆である。不二家の商品に事故が起こり、その原因の究明の結果賞味期限切れの牛乳が使われていたというのなら話はわかるが、商品事故が起こっていないにもかかわらず問題にするのはおかしい。だから、マスメディアがあんなに騒いでいたのに行政処分の対象にはならなかったのである。賞味期限というのはあくまでも美味しく食べれる期間であって、保障期間ではない。牛乳や卵は生きているのであって、保存方法さえよければいくらでももつのである。会社だって事故は怖い、事故が起こるとわかっている原料を使うわけは無いのである。おそらく長い間の慣習であったのであろう。それでも事故は起こっていなかったのである。僕も食品会社の品質管理を担当していたことがあるので、賞味期限がどんなにいいかげんなものであるかは身をもって知っている。。低塩、低糖、無添加と健康志向の結果、賞味期限は短くなる傾向がある。さらに重要なことは、賞味期限を短くすることにより、商品の回転を早めようとしていることである。賞味期限には科学的根拠は無い。原料段階で賞味期限を問題にしている食品会社はまず無い(明らかに変質している場合は別)。商品価値と食品価値の乖離がそこにある。回収された多くの飲食可能な商品は、消費されないまま、廃棄されたであろう。もったいない。さらに重要なことは、不二家の従業員、不二家レストランのパートのおばさん、アルバイト学生、納入業者、お客さん、不二家食品工業が営業を自粛している間、解雇されたり、納入を停止されたり多大な影響があったのである。彼らには何も罪は無い。一人の不心得者(あえて言う)の内部告白によって始まったこの事件によって良くなったことは一つも無いのである。ただ云いたい。「不二家さん従業員は大切にしなさい」と。