日常一般

日常生活にはびこる誤解、誤りを正す。

首相の靖国神社参拝の是非

2007年05月20日 | Weblog
 歴代首相の靖国神社参拝問題は国内外に大きな波紋を呼んでいる。きわめて複雑な問題である。その最大の問題点は靖国神社に東条英機、板垣征四郎以下7人のA級戦犯が祀られていることである。彼らはA級戦犯であって永久戦犯ではない。極東国際軍事裁判(東京裁判)の結果、処刑されその罪を償っている。その魂は神となって靖国神社に一般の戦没者と共に合祀されたのである。中国や韓国が文句をいいたい気持ちはわかるが、それは「内政干渉」である。「一国の総理が靖国参拝して何故悪い」この限りにおいてこの考えは正しい。
 しかしである、正しければ全て良しというわけには行かない。いくら正当性を主張しても、A級戦犯合祀は国内外の理解を得るのが難しいのも事実である。中国、韓国の反発だけでなく、欧米の世論も厳しい目を向けていることも考慮に入れねばなるまい。中国や韓国は近隣の諸国であり、今後仲良くしていかなければならない国である。安部総理は4月下旬に行われた靖国神社の春季例大祭に、真榊(まさかき)料として5万円を納めたという。「内閣総理大臣 安部晋三」名で私費を納めたと言う。私人と言いながら総理の名を冠したのでは私人とはいえないのではなかろうか?小泉元総理は「心の問題」だと言う。心の問題ならなおさら総理の名を隠して奉納すべきではなかったか?
 外交とは複雑怪奇で一筋縄ではいかないものである。筋を通すこともある場合には必要であっても、余計な摩擦を国と国との間に起こすことは無いのである。
 それよりも大切なことは、過去に行われた負の遺産は遺産として、政治、経済、文化、他においてそれらの国々との交流を深め、相互理解を深めることである。仲良くしていくことである。「一番嫌いな国から」「一番好きな国」に変えていくための外交努力を重ねることである。そのことによって過去のこだわりが無くなれば、靖国問題もおのずと解消するのではなかろうか?しかし、このことは簡単になされることではない。100年をめどに外交努力、民間の努力が必要であろう。あせることは無いのである。