少し前に描いた、「弥勒菩薩立志歩行像」を大きめの紙に描いて、切りなおしてみました。サイズが大きくなると、またなかなか立派に見えます。弥勒は半跏思惟の姿勢のまま、長いこと凍りついたように動きませんでしたが、ここにきて、ようやく目を開いた。
彼は唇から手を離し、組んでいた足をほどき、立ち上がり、歩きだした。なぜか右手には薔薇を持っている。その意味は要するに、たぶんもう、嘘の時代はおわり、真実の時代が来ると言うことなんでしょう。
今はまだ、嘘が上手につける人ばかりが、うまくいうという時代ですけれどね、それはだんだんと変わってくる。なぜならもう、嘘は行き詰まり、真実との矛盾の前に立ちつくしていることしかできず、もうそれ以上一歩も進めないからだ。一歩進むと、もうそこには何もなく、果てもない奈落に落ちて行くよりほかはない。彼らは、その真実の前に、一切を放り出して逃げたいのだが、そういうわけにもいかず、絶望的な目をして、同じことを繰り返している。
そのような人々を救う弥勒とは誰か。もちろん弥勒菩薩は知っている。それは自分自身だと。
すべての人が、自分の真実の姿に気づき、自分自らを救ってゆく。それが弥勒の救いというもの。要するに弥勒とはすなわち、人類全員という意味だ。
この図はまた、何かの思いを感じた時にまた描いてみようと思っています。まだ不満足な点がいくつかあるので…。そのときはまた、見てください。