人間もそうですが
花や木や動物などにも
魂の段階というものが ありましてね
要するに 魂として
何年生くらいかなという感じのものです
段階の違いというものは
どういうものかと申しますと
例えば これはとてもつらく苦しい例ですが
ある人が 誰かに自分の子供をさらわれ
殺されてしまったとします
ほんとうに 悲しいことです
人間は 自分の子供を殺した人を
激しく憎みます
心も魂も割れそうなほど悲しみます
それほどに つらいことなのです
子を持つ人間なら だれしもわかることでしょう
けれども
段階をすすんだ人ならば
自分の子供を殺した人を
許すことができるのです
なぜなら 愛する子供を
無残な悲劇で失ったという経験をしたということは
それは自分が持っていた罪の浄化であるか
あるいは神によって自分に与えられた
魂の試練という愛であるかもしれないということを
わかっているからです
火の玉のような憎悪を飲み込み 頬を涙で洗いながらも
自分の荒ぶる感情と戦い それを耐え忍び
殺意にさえ染まった肉塊のような感情を
自ら引きちぎり 血まみれの心になりながら
すべてを愛の中に帰し
もっとも憎いはずの人間を 許すという
魂の勉強をしたのです その人は
そして罪を犯した人の その浄化の苦しみを思い
その苦しみを自分の苦しみとして味わうこともできる
子を失った悲しみは同じでも
人間には これはまだ できません
これが 段階というものなのです