世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

君子重からざれば

2012-06-25 07:31:13 | てんこの論語

子曰く、君子重からざればすなわち威あらず。学べばすなわち固ならず。忠信を主とし、おのれに如かざる者を友とするなかれ。過ちてはすなわち改むるに憚るなかれ。(論語・学而)
先生はおっしゃった。君子は小さなことでおろおろしているようでは人に軽く見られる。勉強をすれば自分本位に偏りがちなものの見方を改善することができる。何事にもまことを尽くすということを、自分の心の柱とし、友人を選ぶなら優れて学ぶべき人を選びなさい。間違ったことをしてしまったら、すぐに反省し、それを改めなさい。

   *

これは、ある人に言いたいことなんですが、仮にその人を、Aさんとしましょう。Aさんは今、悩んでいます。大きな壁にぶつかり、その壁をどうやって乗り越えたらいいのかわからなくて、悩んでいます。とにかく今、大変なことになっていて、本当に困っているのですが、どうしていいかわからず、ただ毎日を、おろおろと過ごしているのです。
問題をなんとか解決したいのだが、どうしてもAさんにはそれができない。それはなぜかというと、理由は簡単、自分のしたことが、間違っていたのに、それを認めたくないからです。
実に残念なことなんですが、人間、多くの人は、こういうときは本当の現実に目をつぶる。そして毎日ただ、悩むだけで何もしないでいるうちに、状況はどんどんひどくなって、結果、だいたいは、本当に大変なことに、なりすぎてしまうのです。

自分の過ちを認め、素直に頭を下げ、自分のするべきことをする、つぐなうべきことはつぐなう、そういうことを、真心を持ってやれば、問題はたとえ全部とはいかなくても、かなりなんとかなるものなのです。本当に大切なのは、人にも自分にも、「忠信」をつくすということだ。真心でもって対応する。本当に正しいことをする。それがどんなに苦しくとも、自分のやるべきことを、正しい方向に求めてゆく。

学べばすなわち固ならず。…すなわち、正しいことを勉強していれば、自分本位に偏りがちな固い心を改め、しなやかに頭を切り替えることができる。つまりはです。いつまでも、なんでこんなことしてしまったのか。どうしてこんな馬鹿なことをしてしまったのかと、うじうじと悩んでいるよりは、すっぱりとその悩み迷う心を切り捨て、どこからみてもそれが正しいということをしなければならない。すなわち、ケチくさいプライドを捨て、土下座をしてでも謝って、全て自分で何とかしてみますと言って、自分にできることをすべてやってきなさい。

その壁を乗り越えられないのは、やはり、Aさん、どう言い訳しても、あなたが、自分のことしか考えていないからです。こんな恥ずかしいことをしてしまったという自分の過ちを、認めたくないのだ。できるなら、なんとかうまいやり方を考えて、自分の過ちをなんでもないことにして、自分のプライドも何もかも傷つかない方法で、上手にこの状況を乗り越えられないかと、虫のいいことを考えていませんか。

以下に再び述べます。
これは、あなたが、この問題を乗り越えるための、最後の方法です。はっきりと言います。先方の人のところに行って、頭を下げ、何もかもを正直に申し上げ、すべて責任はとります、できることは何でもやります、申し訳ありませんでした。…と、心より謝って来なさい。そして、迷惑をかけたその人のために、自分にできることはすべてやりなさい。

Aさん、言っておきますが、今のまま、何もしないでいては、後々に、もっと恥ずかしいことになります。

最近のわたし、だいぶきついですね。昔はもっと優しかったような気がするが。何か知らないが、わたしの中に、もう一人のわたしがいるようだ。そのわたしは、ずいぶんと、何かに腹を立てているようです。

とにかくだ。正しいことをまっすぐにするということ、間違いに気づいたら改めると言うことが、どんなに大事なことかということを、どちらの道を選ぶにしろ、Aさん、今回のことで、あなたは大きく学ぶことでしょう。





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