あたらしきものが きたる世に
そのものたちが みる
この世の すがたが
いかなるものと うつるか
君たちに
想像することが できるか
空気の鉄の部屋で
明るいテレビの 光と音が
世界のまぼろしをつくる
その世界の中にいる
君たちには わからないものを
あたらしきものは みる
夢みるものに 明日はないと
きつつきが とびらをたたいて鳴く
その歌に 耳が背を向ける
君たちは 眠り続けるのか
ただ 白い猫だけがひとり
その歌を 見染め
夢の硬い扉を
月の形の爪で
かりかりと掻く
でてゆかむ
と
猫は言う