月下のマウリツィオ・パスカーレ・チコリーニ。大きな瞳のオッドアイが魅力的で、美しい男。すてきです。
このお話のアイデア、前からあったんですが、主人公の名前をイタリア風にしたら、こんなキャラになってしまいました。イタリア男性って、なんだかこんなイメージあるじゃないですか。偏見でしょうか。
「やあクレリア、銀の髪が月に濡れて絹のようだ。美しいね」
「ああら、マウリツィオ、うれしいことを言って、わたしをとりこにするつもり?」
自分で書いてて、恥ずかしかったります。
「マウリツィオ、クレリアばっかりで、わたしには何も言ってくれないの?」
「ああ、そんなことはないよ、ごめんよ、ええ…」
「マルゲリータよ。覚えてないのね」
「そんなことはないよ、あまりにきれいな音楽だから、簡単に言えなかっただけさ。きれいな名前だね、マルゲリータ」
まあ、お話は、フィクションです、もちろん。でも猫は、人間が思ってる以上に、大切な仕事をしてますよ。犬もね。大切なともだち。できるだけのことはしてあげましょう。
違う生き物が、愛を育てあうのは、難しいもの。でも、男と女の愛よりは、簡単かな? いや、ほんとは、もっと難しい。
マウリツィオ・パスカーレ・チコリーニ、金と銀の目の長毛白ネコさん。滅多にいない美形だな。
「まあ、わたしは、美しく生まれすぎた男ですから、女性に尽くすことは使命のようなもの。ぜひ、皆さんにも見習ってほしいですね。…え、爪のアカ? いいですよ。さしあげましょう。…では、わかりましたか? 男性のみなさん! あなたたちの人生が苦しくなるのは、女性に尽くせないからですよ! これ、真実!! はい、ノートに書いてくださいね!」