世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

鳥音渡詩集・銀の栗鼠

2015-03-10 07:03:32 | 瑠璃の小部屋

鳥音渡は、彼女が作り出した架空の詩人の一人である。かのじょは彼のために、かなりたくさんの詩を書いて残している。それをこれから少しずつ発表していこうと思う。

鳥音渡のモデルはかのじょ自身だと言ったが、もちろんかのじょよりはずっと恵まれている。一人っ子で両親に愛されて育った。才能のある子どもだったが、神経が細すぎて心を病み、勤め先を辞めて家事手伝いをしている。ここらへんは篠崎什に似ている。違うのは、心を許せる二人の友人がいることだ。

愛情を素直に表現しても、馬鹿にしない友達が二人いる。それだけで、鳥音渡は生きていくことができた。短い人生の間にも豊かな表現をすることができた。これはかのじょ自身が、夢に描いていたことかもしれない。

遠く離れている仲間とともに生きていくことができたら、どんなにうれしいだろうかと。

鳥音渡は瞳のきれいな詩人だった。曲がったことやずるいことがまるでできなくて、社会の落ちこぼれになった。詩を書くことによって、がんばって生き抜こうとしたが、結局は病で若くして死んだ。

「ガラスのたまご」を書いていた時、かのじょはまだ自分の運命を知らなかった。だが、何となく、風の中に感じるものはあったのだ。

明日から、第1詩集「銀の栗鼠」を、一編ずつ発表していく。かのじょが残した甘い愛の詩の世界を、しばらく楽しんでくれたまえ。




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