さてある日、私は恐ろしい夢を見ました。3羽のオウムが、3つの鳥籠にそれぞれ閉じ込められて、舞台のような所に並んでいます。その周りには、なんと何万というトカゲの死骸が、山となって広い舞台を埋め尽くしているのです。どうもオウムの餌みたいなのですが、それにしてもものすごい量。で、私の仕事は、どうもその死骸の山を掃除することらしいのです。確かに私は夫と一緒にお掃除屋さんしてるけど、…いやだなあ、誰かほかの人がやってくれないかなあ…、と思っているうちに、目が覚めました。さて、印象的な夢でしたが、どういう意味でしょう?
言葉をしゃべるオウムが3羽、鳥籠に閉じ込められているということは、心に秘密を持っている、要するに嘘をついている人がたくさんいるということです。周りに積み重なったトカゲの死骸は、その嘘のお陰でたくさんの犠牲が出ているという意味を読み取れます。それを掃除しなければならない、ということはつまり、その嘘で汚れてしまった言葉の世界を、少しでも美しく、正しい姿に戻していかねばならない、おまえはそういう仕事をしなければならないのだと、無意識が私に教えてくれているのではないか。
むちゃな。そんな難しいこと、できるかなあ…。
(2004年3月ちこり30号、コラム)