人間って、苦しい時ほど、よく空を見るものですね。私も、よく空を見ます。青空や雲や日や月や、風の音の中にも、神様がかくしておいてくれた私への手紙がないものかと、探してしまうのです。つらいことがあっても、がんばれと、だれかに言って欲しい。そんなことばかりがよくある今日この頃。でも、なんとか、がんばれているのは、神様からの手紙が、言葉ではわからなくても、確かに私の心に届いているからでしょう。時々、自分という小さな入れ物の容量では、とても生み出せないほどの喜びが、ただ生きて日を浴びているというだけであふれ出してくることがあるのです。それはきっと神さまからの贈り物。生きなさい。耐えなさい。前に進みなさい。言葉がぶつぶつと沸騰する泡のように生まれて、どこかはるか上に向かって吸い込まれていく。どんなことがあっても、生きていこう。そう思うことができるのは、空の向こうから誰かが見てくれているから。そう思っても許されるでしょうか。
(2003年3月ちこり27号、通信欄)