あしたの ひかりを
野の花のように摘んで
心臓の壺に差し
生きてゆくことが
小鳥が土の中を飛ぶことよりも
むずかしい
世の中を 生きていました
みんな 人間は
自分の思いどおりにならないことばかりで
生きるのが苦しくて
傷つけあってばかりいて
それでいっそう生きることがつらくなって
また人間同士で馬鹿にしあって
もっと苦しくなって
世の中は そんなことばかりで
正直に美しく生きて行こうとすることは
本当に難しかったのです
空を見上げながら
神さまの涙を飲んで
わたしを信じてくれる
すべての風を抱きしめて
明日も生きて行こうと
わたしは自分の心臓に棲んでいる
小鳥に言いきかせて
生きていたのです
何をしなければならないのかは
なかなかわからなかった
けれど 空の上から
虹がわたしのところに降りてきたとき
それがわかった
つらくても 苦しくても
自分を捨てずに
がんばって生きて来たことが
これですべて生きることになる
わたしはそう思って
胸一杯に風を吸い込んで
高く 高く 世界中に向かって
小鳥のように歌を歌ったのです