初めて来たさいたまスーパーアリーナは駅からすぐ近くにあり、新しく近代的なイメージの建物であった。
入口前のグッズ売り場もすでに大盛況である。開場まで時間があったので、アリーナ内にあるジョン・レノン・ミュージアムに入った。
ジョン・レノン・ミュージアムを出ると、5時少し前であった。大きく赤いパンフレットを持っている人が目についたので、これは買わねばと外の売店を見る。猪木軍とK-1が別のテントで、猪木軍の方がお客さんが多い。K-1の店でパンフレットを2000円で買った。ナップサック風のK-1特性のビニール製の袋に入れてくれた。
5時頃、会場内に入る。席はS席で、10000円で買ったチケットを持っていたが、席を確認すると11列目ということで、同じS席でもまずまず見やすい位置にあった。真正面にリングというのがいい。
大晦日なので、500円で年越しそばも売っていた。ちょっと迷ったが、ビールとサンドイッチを買って食べた。会場内を見ていると、あちこちでビールを飲んでいる姿が・・・。大きめの紙コップで650円なのだが、やはり、プロレス観戦にビールは欠かせない。
6時試合開始の予定だったが、実際に始まったのは約20分遅れであった。
『試合開始』
第一試合の高田×ベルナルドは、この試合だけが3Rということ。高田の足の状態では3Rしか持たないとの判断だとは思うが、それにしてもお互いに相手の領域に入っていけず、膠着したまま試合が終わってしまった。
高田は、前回のミルコ戦の後だけに、もっとリスクを負ってでも飛び込んでいってほしかったし、ベルナルドもローキックを何発か出しただけで、特のパンチをガンガン打つということがなかった。<結果=ドロー>
第二試合の佐竹×グレコでは、佐竹がタックルで飛び込むも、グレコにフロントネックロックで返されてしまうので、結局その後は、K-1の試合のようになってしまった。
ルール上、ドローという結果に終わったが、判定では圧倒的にグレコが押していた。テレビで見るグレコのあのラッシュは見れなかった。<結果=ドロー>
第四試合グッドリッジ×ブラガは、お互いに馬乗り状態になったまま膠着状態になりラウンド終了ゴングを待つという展開で消化不良のまま終わってしまった。ブラガのタックルのうまさが光った。
第五試合の石澤×子安は、石澤が何度もタックルで倒してはパンチを打ち込むという展開の中で、あの石澤に寝技で決めさせなかったのだから、子安の寝技での健闘が光った。石澤であれば、相手の腕や足を関節技で決めようと思えば決めることができたと思うのだが実際のところはどうなんだろう。
子安もよくがんばっていて、石澤の太股が赤く腫れ上がっているところがスクリーンに映し出された時は、会場が沸いた。
休憩後、まずは猪木の登場である。ホームレスのかっこうで、出てきて、お決まりの「元気ですかぁー」から「1・2・3・ダァー」まで、猪木ワールドを展開したが、なぜが猪木のそばに付いていたのは「サスケ」であった。
第五試合のフライ×アビティは、フライが登場から星条旗を掲げて、トランクスの模様も星条旗で、気合いがビンビン伝わってきた。対するアビティも負けん気の強さを表に出していたが、やはり、フライの方がこういう試合での場数をたくさんふんでいて、得意のパターンに持ち込んでの固め技での勝利であった。
勝った瞬間、それまでの欲求不満を吹き飛ばすすごい歓声が響いた。私も思わず立ち上がってフライに拍手を送った。
第六試合の永田×ミルコは、プロレスファンとして永田に勝ってもらいたかったが、あっという間のハイキック一発で決まってしまった。永田はレフェリーストップが腑に落ちないという表情をしていたが、あれだけきれいに蹴りをきめられたら仕方がないと思う。プロレスでは、あの場面から立て直して反撃をしていくのだが、ここはミルコの一撃必殺の蹴りをほめたい。
それにしても、ミルコは、藤田・永田と蹴り一発で倒してきたが、今や一撃必殺という言葉は、フィリオからミルコにこそピッタリあてはまるようになった。
永田には、この影響が1/4ドームの秋山戦に響かないように、むしろ、この敗戦をエネルギーにして、ぜひ秋山に勝ってもらいたい。
一方、ミルコの価値が最高の所まで上がったので、次に誰と対戦をするのか楽しみでもある。
第七試合の安田×バンナは、試合前のスクリーンで、借金や離婚や娘などの話題を振っていたが、後で聞くと、テレビの方でもしつこいぐらいこの話題をふくらませていたらしい。安田が勝ったから良かったが。
試合前は、正直に言って相手があの強いバンナだけに安田が負けるのでないかと、とても心配であった。
1Rでは、バンナにヘッドロックを決められてしまい、ゴングが鳴るのを待つという展開になり、組技でも倒せないのかとさらにその心配が大きくなった。
しかし、それでも安田はガンガン前に出て、相手に密着して倒し、固めに行くという、とても泥臭く安田らしい展開で見事にギブアップを奪ったのである。
その瞬間、会場は大いに盛り上がった。さらに、娘を肩車してコーナーに上がって喜びを表現する姿に感動した。安田のおかげで、来て良かったと思うことができた。安田選手おめでとう!