◇新鮮な筍を描く
店先に並んだ筍を買ったのは、今年二度目。前回は地元産だったが、今回は熊本産。空輸なのかトラック便なのか、
あんな遠いところから運んだのに、まだ切り口は新鮮で、みずみずしかった。
皮は一枚一枚丁寧に描いて、乾いてから次の皮に移らないと滲んでしまう。少し失敗したものがあった。皮の先っぽ
は一番土の表面に近いので青い(緑)。下に行くほど黄色っぽい。一番下の紫っぽい粒々は根っこになるところで、何
やらなまめかしい輝きを示す。
筍を包んだ新聞紙をそのまま背景として使った。
新聞紙の折り曲げられた部分がなかなかはっきりと示せないもどかしさがある。
絵を描いたらすぐに筍を茹でる。
皮をむいて茹でた方が手っ取り早いが、本格的に皮を付けたまま茹でると香りが強く残って、筍本来の香りと味を楽
しむことができる。
皮の柔らかい部分(黄色でとろけるような柔らかさ)を刺身にして食べたらば絶品だった。
CLESTER F8
(以上この項終わり)
◇ヴァイオリンと楽譜台
昔吹ける(演奏できる)という保証がないのに、フルートを手に入れて吹いてみたいと思った
ことがあった。そのうち吹くことが難しいことと、値段がすごく高いということが分かってすぐ諦
めた。もともと音楽は小学校時代から体育と並んで苦手だった。その後ピアノの音色に魅せ
られて転向。子供のためにピアノを買った後、習いに行った三女に教えてもらいながら弾く楽
しみを覚えた。「音符が苦手なお父さんのためのピアノ教室」というNHK出版の本を買って、
10曲ほど弾けるようになったが、遠くにいる孫にピアノが渡ってしまって、もうピアノも弾けな
い。いま僕にはピアノがない。
この間の水彩画教室で「楽器」を描くことになった。ピアノ、ギター、ヴァイオリン、ハーモニカ、
カスタネット、メトロノーム(楽器関連)、楽譜台(同)・・・。
ヴァイオリンはこんなに身近かに観たのは初めて。窓のカーテンを引いて描いたので、光が
まんべんなく当たって少し平板になった。何かもう一個楽器か楽器関連グッズが欲しかった
が…。
CLESTER F6
(以上この項終わり)
◇また何かありましたら・・・
我が家は築35年になる。
そろそろ二度目の外壁塗装をやらねばと時期を思案中である。
そもそも新築時の風呂場の浴槽はステンレス製であった。それを是非とも人工大理石の浴槽で風呂
に入りたいという人がいて入れ替えた。築20年、まだ20世紀末のことである(大げさかな)。
ついでに窓も張り出させて浴室は幾分広くなった。浴槽と一緒に内壁も床もタイルを張り替えたのだ。
ところがタイルの工事がいささかお粗末で、仕上がったタイルに不満が残った。また12年目にして床の
表面の一部が割れてしまった。そこで昨年の3月になって某リフォーム会社に補修工事を頼み張り替え
てもらったのである。
ところがこの床のタイル目地が数か所欠けてきた。十数年前の床タイルの目地は、毎日掃除をしてい
ても、どうということはなかったのに、張り替えた床の目地が傷むということはどうしたことだ。「なんとか
補修して!」と言われて、仕様がないホームセンターで補修材でも買ってくるかと思っていた。
そんなある日、工事をやった〇〇リフォームサービス㈱からハガキがきた。「無料12カ月点検のご案
内」で、プロの目で必要な点検を行い未然にトラブルを防止します。という触れ込み。
未然に防止するどころか、すでに起こったトラブルを何とかしてもらうためにさっそく電話をした。
1年経ったのに担当したMさんはまだいた。事情を話すとさっそく状況を点検に来た。「まれにこのよう
に剥がれることがあるんですよね。」 という。我々が補修するときは、ホームセンターなどで多分チュー
ブ入りの補修材を買ってきて、目地に押し当てて「OK」というイメージだったので、「このように部分的に
剥がれるということがよく分からないのだが」と言ったらプロは補修材を自分で調合して練って貼る(とい
うか押し込む?)らしい。それなら部分剥離が起こりうることは分かる。「業者さんと連絡を取って工事時
期は後で電話します」と言って帰った。
しかしその後なかなか連絡が来ない。工事業者は工事の不具合を訴えられて、いやいややらざるを
得ないので渋っているのかな。などと余計なことを考えていたら、ほぼ1週間後に電話がきた。
「よろしければ今日午前中に。」
11時半前後に伺いますというのが12時半になった。そう言えば前回も「前の仕事(それも茨城から)
が遅くなってしまいまして」と何時間も遅れて、夜に入ってまで仕事をやっていたっけ。急ぐと仕事は往々
にして雑になる。それで剥がれたのかも、などとあらぬ推測をしていたら「ピンポーン」。
現れた工事のお兄さんは紛れもなくこの前工事をしたお兄さん。別に「剥がれるような工事をやってす
みませんでした」という感じではない。「じゃ見せてください」とすぐ仕事に入った。形(なり)はと言えば、
肥ったおばさんの足が3本くらいは入りそうな例の工事用ズボン。髪は手ぬぐいでまとめるという標準
スタイルなのに、まるでホストクラブのお兄さんのように賑やかなオーデコロンの匂いを振りまいている
ところが今様の若者である。
ほぼ1時間ほどで工事は終わった。見かけはそんな風に見えないが、感心にも自分のつけた足跡は
持ってきた雑巾で丁寧に拭いて帰った。教育は行き届いていた。
「どうもありがとう、御苦労さまでした」
「いや、また何かありましたら言ってください」
「?」(もう何もあってほしくないよ。しかも今度は有償になるんじゃないの)
(以上この項終わり)
◇トマトと西瓜を植える
例年連休前に作付するトマトと胡瓜、それに西瓜。
今年は天候不順を見込み早めに作付けした。
野菜は概して連作を嫌う(連作障害:土壌病害・虫害など)とくにナス科(茄子・トマト・ジャガイモ)、ウリ科
(胡瓜・西瓜)、 マメ科(枝豆・いんげん)などは顕著である。毎年好んで作る作物がすべて連作障害を持つ
ので、どこかでひっかかる。仕方なく輪作を図る。つまり同じところに続けて作らない。ほんとは3年は避ける
ことが望ましいとされるが、土地が限られるのでそんな贅沢できない。土中に有機物を十分に増やすことが
連作障害を避ける手立てとされる。以前は生ごみをボカシで発酵させて良質の有機肥料としていたが、この
生ゴミバケツを畑に運ぶことが持病の腰痛に良くないことが判明してやめたので、トマトの出来も悪くなった。
接ぎ木苗を植えることである程度連作障害を緩和できるというので、多少値段が高いが接ぎ木苗を使ったり
する(トマトと西瓜)。
庭先の野菜 胡瓜 ミニトマト 桃太郎
庭の胡瓜とトマト。狭い(1坪くらい)場所につくるので4本の畝を毎年交互に使っている。ナス科もウリ科も
連作障害を起こすというのに、交互につくるのならいいのか?ちょっと出来具合はよくないが仕方ない。
西瓜は大玉と黄色小玉を植えた。西瓜は人工受精のときは慎重になるが、あとは多少放っておいてもひと
りで大きくなり手が掛からないので楽だ。
木は2~3m離せと教科書には書いてあるが、以前も30cmくらい離して作って大丈夫だったので、前例に
倣う。
小玉西瓜 大玉西瓜 右奥は桃太郎
(以上この項終わり)
◇糖尿病を克服した山口瞳
前回の「世相講談」について書き忘れたこと。
本人が書いていますが、「僕、ある評論家に、この作家(山口瞳のこと)から酒を除いたら何も残
らないと書かれたことがある。すると僕は一塊の泥土に過ぎぬのか。(世相講談(下)291ページ
「親指の唄」)
とにかくよく飲む人である。糖尿の先によく肝硬変にならなかったと思う。書けなくなると飲みに出
かけるし、書く材料は酒を飲みに行った先で仕入れている。糖尿病は治らないと聞くがWikipedia
で山口瞳の生涯を読むと、「糖尿病を患ったが克服」とある。結構医者の言うことを聞くまじめな性
格だったのか。そんな几帳面なタイプとは思えないんだが…。
自分が「大酒飲み」であることは認識している。やはり「親指の唄」に、酒を避けるために「僕、一時、
牢屋にはいりたいと思ったことがあった。そうすれば酒がやめられるだろう。煙草も制限されるだろ
う。(実は煙草も好き)・・・。」と書いている。飲みすぎることを一応反省はしているのである。
(この項終わり)