◇映画「アマルフィ」
流山おおたかの森駅近いシネマコンプレックスで映画「アマルフィ」
を観た。
テレビドラマ「女王の教室」で冷徹な女教師役で人気を博しファン
になった天海祐希が出演する。( もちろん男役の主演は織田裕二
だが) 何よりも魅力なのはオールイタリアロケ。家人はかつて訪
イタリアの観光地を追体験できるかもと楽しみにしていたが、残念
ながらローマの一部(コロッセオ・サンタンジェロ城・スペイン広場・テルミニ駅)、
カゼルタ宮殿(ナポリ)、アマルフィ海岸だけ。小説ではヴァチカン市
国が重要な場面となるがさすがにロケは無理だろうから映画では
外されている。
せっかくオール・イタリアロケというからにはもうちょっとサービス
して世界遺産のいくつかを舞台に取り込んで欲しかった。
ちなみにアマルフィはローマから200キロほど南にある。旧くは
ピサ・ジェノヴァ・ヴェネツィアと並ぶ海洋都市国家であった。紺碧
の地中海に面し、切り立った崖に張り付くように立ち並ぶ、白壁、
オレンジ色の屋根の家々・・・。1997年に世界遺産に登録。
天海祐希も織田裕二も良かった。天海裕希もあれだけ身長がある
とイタリア人の間に入っても負けない。織田裕二も笑顔を全く見せず
頑張った。ただ佐野史郎はともかく、小野寺昭は完全にミスキャスト
と言わざるを得ない。いくら外務省が別世界の役所とはいえ、あん
な能天気な大使をイタリアに置くわけがない。ペーペーの戸田恵梨
香はよかった。
映画の筋と言えば、イタリアを観光に訪れた母子(天海)の娘が
誘拐される。身代金の要求があるがどうやら単純な営利誘拐では
なく狙いは別にあるらしい。
一方日本大使館に訪伊する外務大臣警護のために一人の男が
本省から派遣される(織田)。誘拐犯の電話を取って「父親」を名乗
ってしまった行き掛かり上誘拐事件にかかりっきりになる織田。
10万ユーロの身代金を持ってあちこち引きずり回される天海と織
田。そこに天海の友人が現れる。二人の間にどんな会話があった
のか、その日から天海の挙動があやしくなる。実はイタリア屈指の
警備保障会社のセキュリティシステムに犯人が侵入し、監視カメラ
に工作したらしい。原データから犯人の姿を探ろうと警備会社に迫
る織田。しかし警察の捜査令状がなければセキュリティ・コントロー
ルルームには入れないという。伊国家警察の助けを借りて何とか
コントロールルームに入った途端、天海が拳銃を持ち出しイタリア・
オペラ座のセキュリティシステムをシャットダウンしろと迫る。そこに
はイタリア大統領が訪れることになっている。緊急事態である。
実は犯人一味の主魁だった天海の友人に迫られ、人質の娘の命
と引き換えにコントロールルーム乗っ取りを図ったのだ。
ところがこれは囮(カムフラージュ)。本命は日本国大使館で、狙いは
外務大臣だったのだ。しかしこの場面では世界と歌姫として有名な
サラ・ブライトマンが歌う「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」がすばらしい。
コントロールルームの電源が一時的にダウンした隙に犯人グル
ープは警備モニターに偽の映像を流し、まんまと大使館のパーティ
会場に侵入、かつて外務大臣が外交官時代紛争地域で命を落とし
た邦人を見殺しにしたことを許せないとした主犯(天海の友人)と紛
争地域で家族を失った犯人グループの4人が、大臣に真相告白を
迫る。
結局娘は助かるのだが、なぜか誘拐事件と犯人グループの真の
敵(外務大臣)の間の論理展開が迂遠過ぎてしっくりこない。
警備会社のセキュリティコントロールルームを乗っ取るために天海
の娘をなぜ誘拐しなければならなかったのか。いま一つ明快でな
い。
それに誘拐された天海がホテルでじりじりしながらテラスでタバコ
を吸う場面が三度ほどある。いまどきタバコを吸わせなければなら
ない必然性が見当たらない。無神経である(ファンにとってイメージが
悪いぜ。ひょっとして監督が喫煙者?)。
収穫はサラ・ブライトマンのきれいな歌声と、知らなかった「世界
一きれいな海岸アマルフィ」を見たことか。
◇小説「アマルフィ」
真保裕一著 2009.4 扶桑社刊
著者の小説後記によれば、映画のプロット作りを持ちかけられた
のは2年半くらい前とのこと。フジテレビ50周年記念映画ということで
大々的に海外ロケを敢行したいというのが当初からの方針。その
方針のもとにプロットが練られて、小説の方もこのプロットを元に書
かれているそうだ。
小説と映画は少々違いがある。
天海の職業は外資系銀行、(映画では看護師?)友人の男は勤務
先銀行の上司(当然外人。映画では元患者)。犯人の狙いはヴァチ
カンを訪問するロシアの外務大臣(チェチェン紛争の指導者)。映画で
は日本の外務大臣。
小説では書けても映像化が難しいところはあるだろう。同時並行
的に小説も進めていくという手法は果たしてうまくいくのか。本を沢
山読んでいて多少は目が肥えている家人は「小説の方は雑。」と
切って捨てた。
江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞、山本周五郎賞、日本推理
作家協会賞(長編)、新田次郎文学賞(短編集)と多くの文学賞を
貰っている方に失礼ではあるが。
確かに一人合点で説明不足で分かりにくいところもある。
◇量感あふれる裸婦
先日の水彩画教室は「裸婦」。
先生は事務局に「大柄な人がいい」と注文。なぜなら量感があって「描き甲斐が
あるから」。
当日現れたモデルさんは注文通り、身長170センチくらいの大柄な人で、確かに
描き甲斐があった。
最初に「立ちポーズ」、「座りポーズ」「寝ポーズ」の3ポーズをそれぞれ5分間程
度デッサンする。そしてみんなで気に入ったポーズを述べ合って、一番人気のポ
ーズで本番に臨む。
座りポーズと立ちポーズが同数であったが結局再投票で立ちポーズとなった。
前回のデッサンで黒田清輝の立ちポーズの女性を練習したので好都合であっ
た。
モデルさんもただ立っているのも大変らしく、20分ごとに休息時間を取って、そ
の間ストレッチまがいのことをやっているものの、最後には足が攣ってよろけてい
た。血液が下半身に下がってくるので時間とともに上半身よりも赤くなって来るの
がはっきりわかる。
背景色はブルー系も考えられるが、(弦田英太郎先生はブルー系)暖色系にし
た。
反省点は実はもうちょっと脚が長かったのではないかということ。
◇手作り作品をフリマに
25日(土)と26日(日)は恒例の「柏まつり」。今年も夏らしいお天気で市街地は
大変な人出で賑わった。
我が障害者施設ボランティアグループは例年銀座商店街の「フリーマーケット」
に参加しており、今年で4年目。
出品する商品は日頃つながりの濃い施設の育てた「花苗」、メンバー手作りの
「メダカ」、「さぎ草・だいもんじ草」、「牛乳パックで作ったミニ・ぽっくり」、「けーたい
ストラップ」、「押し花ランチョンマット」、それに家庭で育てた草花鉢、ハンドバッグな
ど袋物・・・。
間口2m、奥行き1mのスペースに商品を並べると売り子は立って小さくなってい
るかお客さん側に回るしかない。
規定の販売開始時間は2時であるが、1時ころ陳列が終わると、手慣れた人は
様子見に回ってきて、これはという商品をいち早く買って行ってしまう。いいもの
は早く売れてしまうという主婦感覚はここでも発揮されているわけだ。
フリーマーケットはプロが多い。扱っているものは如何にもフリマといった衣類、
おもちゃ、地元商店の店頭販売、飲食品が多く、我々が扱っている「メダカ」や
「サギソウ」などの手作り山野草、花苗などはどこでも売っていないので結構人
気で、とりわけ「メダカ」などはマニアックの人が買っていく。
何週間もかけて作った「ミニ・ぽっくり」も、「あら、かわいい~」と言って商品を
手には取るが、お買い上げにはならない人が多い。海外へのお土産に喜ばれ
ると言って何足もお買い上げという人もいた。
友誼団体の人たちが激励に顔を出し、差し入れまでしてくれたので、気合が入
ったせいか5時間ほどで商品はほとんど売り切った。(商品がないので明日は
閉店)
今回は店舗の立地点がやや不利なこともあって前年比では▽20%。しかし
貴重な活動資金になる。
(以上この項終わり)
◇夏本番・小玉西瓜も続々
梅雨明け後は小玉西瓜も順調に授粉が進み、人工的な授粉をしなくてもよく
なったらしく、授粉日付のない玉がいくつも発見された。
既に16個。
生り物にも歩留りというものがあって、ちゃんとするまで安心できない。
小玉西瓜の場合、授粉後30から50日くらいが食べごろと言われているが、
30と50ではずいぶん開きがあって目安にもならない。丁寧な人は単純な日数
ではなく、1日の平均気温の積算値がおよそ775度Cになったら収穫して良いと
か言っている。もっともらしい理屈ではある、以前作ったときに切ってみたらまだ
ピンク色だったのでがっかりしたことがある。
今回は収穫は35日位をめどにしてみよう。
7月1日に受粉したのが一番大きく、マスクメロン大になった。
その後5日、10日、14日、15日と把握できているが、知らぬ間に自然授粉し
たのがあって、これは大きさから授粉日を類推している。
7月14から15日授粉で新生児並みの大きさ(ウズラの卵大)だったものもテニ
スボールよりやや小さい大きさにまで育った。がんばれ!
7/1 7/5 7/5
7/8 7/8 7/10
7/10 7/14 7/14
7/14 7/15 7/15
(以上この項終わり)
◇人物画へ向けて演習
今週の水彩画教室は、次回(26日)の人物画(裸婦)へ向けて石膏像でデッサン
の演習。
たぶん西洋の若い女性・・・ミロのヴィーナスの頭がない姿。顔は自分の好みで
想像すればよいので楽。いつもながら光源が複数の方向から射しているので、め
りハリがつけにくい。ただ石膏像は陰影が白と黒ではっきりしているので身体の骨
格、筋肉などが分かり易い。
確か数年前にもこの像を描いたことがあったっけ、と探したらありました。今から
6年前(2003.1)の習作。今回と反対の側から描いています。
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