読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

泣いても笑っても年の暮れ

2017年12月31日 | その他

年の暮れ ご挨拶
 この一年間、つたないブログにお付き合いいただきありがとうございました。家庭菜園の様子と
趣味の水彩画、それに手当たり次第の読書感想など、とりとめのない内容でしたが、材料がない
と1週間近くブランクが空いてしまうことがありました。今日は何があるかなと開いても昨日と同
じ内容だとがっかりします。そんなブログにならないように努力します。
 今年から家庭菜園が無くなりました。貸主のIさんが代替わりし、息子さんが土地を売ってアパ
ートにしました。30年も耕してきた愛着のある畑が、何の変哲もないアパートに変わった姿を見
ると悲しくなります。畑のジャガイモを「バッチイ…」と言いながらこわごわ掘っていた一番年上
の孫R君が今度高校受験です。
世の中はこんな風に変わっていくのですね。老兵は黙って去るのみ
です。

 苦々しい結果に終わりましたが、今年の衆院選はこれまでになく話題の多い選挙でした。どんな
大統領になるのか興味深々だったトランプ氏は予想通りの奇人でした。4年の任期を待たずに辞め
させるには弾劾という手があります。政権内で反乱を起こし(副大統領と過半数の閣僚が大統領不
適格を宣言する)崩壊するという手があるそうですが実現はむつかしいでしょう。北朝鮮にはこの
一年ずいぶん振り回されました。トランプ大統領は大口は叩いたものの結局金正恩の思惑通り核の
脅しに負け核保有国と認めてて直接対話に向かうでしょう。そうそう日韓蚊帳の外で米中で北朝鮮
の始末を密約したとか。このようにいつも大国同士で物事を決めるのです。
 大災害、旱魃、大量殺人やテロル。次々と悲惨な出来事が起こりました、愁眉は開かないまま年
を越すことになるのでしょうか。

 今の政治家は理念も信念も乏しく、望ましい国家デザインも描くことなく、ただただいかに当選
するかに心を砕く姿にいらだちと失望を覚えます。少子高齢化がもたらす社会保障や医療保障制度
の破綻という問題の議論を避け、教育の無償化とか憲法改正とか見当違いの問題で国民の目くらま
しを策す、そんな人しか育てなかったのはやはり昭和生まれの責任でしょうか。
 年寄りは何を言っても愚痴になってしまうものの、幼稚園・保育園や小学校低学年の子供らに会
うと心が安らぎ自然と笑顔になります。これからの日本を背負っていく若い諸君が健やかに育って
いく環境を整えるのはわれら年寄りの責務です。子供の声がうるさいから保育園反対などとけち臭
いことを言っていないで、みんな仲良くしていきましょう。
どうぞよいお年をお迎えください。                       

(以上この項終わり)
 

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シクラメンを透明水彩で描く

2017年12月27日 | 水彩画

◇  新春を待つピンクのシクラメン

  
   clester F8

  この時期2・3ヶ月は我が家の居間に鎮座することになるシクラメン。
  花の開き加減を見計らって描いています。
  今年は花色がピンク。この色はやはりオペラとカドミウムレッドです。花弁のふちが微妙
  に白く抜けているので塗り残しましたが、今一つ納得いきません。 
  葉はプルシャンブルーとバーントアンバーにイエローの混色です。独特の斑入りで、葉脈
  とこの斑を入れると俄然シクラメンらしくなります。

  鉢は花鉢用でポットを受けています。もっと色が濃い鉢受けを用いたほうが落ち着いたか
  もしれません。

  画面いっぱいの花と葉、とりあえず量感だけは出たでしょうか。

                                (以上この項終わり)

   

コメント (2)
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車谷 長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』

2017年12月23日 | 読書

 ◇ 『赤目四十八瀧心中未遂』 著者:車谷 長吉(くるまたに ちょうきつ)
              1998.1 文芸春秋 刊  

  

  私は車谷長吉という作家は名前は知っていたが読んだ作品はなく、全くなじみがなかった。
 なぜこの作家の作品を読んでみようと思ったかと言えば、購読しているN紙朝刊で高橋順子と
 いう詩人が、夫車谷長吉と四国札所巡りをしたことが載っていたことから、どんな作品を書い
 ているのだろうと関心を持ったからである。たまたま図書館で手にとった作品が彼が第119回
 直木賞を取った『赤目四十八瀧心中未遂』であった。

  これは私小説である。この時代を映し、一見暗い独特の独白めいた文体であるが、当時の時
 代風景や情景が目に浮かんくる。ちょっと丸山健二っぽいところがあるが彼ほど思索的でなく、
 文体が独特で直木賞らしい雰囲気がある。適度に情感がこもってい読み易いところがよい。

  大学を出て東京で会社勤めを始めたのに、20代の終わりに身を持ち崩した「私」は無一物に
 なる。以降9年間、その日暮らしの流失の日を送る「気が腐るほど真面目な」「たちのわるい難
 儀な男」だった。名は生島。
  その頃は大阪阪神電車出屋敷駅駅近くのアパートの一室で焼鳥屋のモツ肉や鶏肉を串に刺す
 仕事をしていた。その老朽アパートには年輩の娼婦やごみ漁りをする老夫婦、入れ墨彫り師な
 どが住んでいた。生島はアヤちゃんという色白の女に懸想した。アヤちゃん彫り師の情婦だっ
 た。

  ある夜アヤコ子が生島の部屋を訪ね、二人は抜き差しならない関係になる。それからは彼は
 始終彫り師の探るような眼差しを恐れるようになる。
  そして二人のことが露見したのか、ある日生島はアヤコに駆け落ちを迫られる。  
  「うちを連れて逃げて。この世の外へ」尼崎、大阪天王寺、赤目四十八瀧(三重県名張)へ
 とさ迷う二人。生島は正直この道行きから逃げ出したいと思った。

  結局二人は死んで結ばれることはなかった。心中未遂である。
 「うち生島さんを殺すことは出来へん」そう言ってアヤ子はヤクザの兄の借金のかたに売られ
 て博多の苦界に去る決意をしたのである。

  そして生島38歳。また会社員になった。
  がらんとしたアパートの一室で肝臓と心臓の病気で倒れた。

 ・・・このざまを「精神の荒廃」という人もいる。人が生きるためには、不可避的に生きる
 との意味を問わなければならない。
「言葉として生きる」が私には生きることだった。ただ
 「世
捨てて生きたいという気持ちだけは捨てられなかった」。(生きたいというからには自
 暴自棄
ではない)

  作者は71歳で亡くなった。晩婚で48歳の時に高橋順子と結婚した。四国行脚を誘ったのは
 妻からであるが、長吉は小説のモデルにした人々に詫びて歩きたいと言ったという。
  作家の近親者などここまで書くかと思うくらい過去の秘密を暴かれる。親しい人もそうで
 ない人も、隠しておきたい過去を明かされてつらい思いをした人もいるに違いない。そうい
 う意味では作家というのは因果な仕事であるが、多少は申し訳ない気持ちを持っているだろう
 と思ってはいたが、その事実をここではっきりと知って幾分すっきりとした。


                                 (以上この項終わり)

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ジョン・ハートの『川は静かに流れ』

2017年12月21日 | 読書

◇『川は静かに流れ』(原題:DOWN RIVER)
            著者:ジョン・ハート(John・hart)
            訳者:東野 さやか    2009.3 早川書房 刊

     

    「僕という人間を形作った出来事はすべてその川の近くで起こった。川が見える場所で母を失い、
 川のほとりで恋に落ちた。父に家から追い出された日の、川のにおいすら覚えている」
  本書の主人公アダムが生まれ育ったノース・カロライナ州ローワン郡を流れるヤドキン川。
 確かにエドガー賞をもらっている作品で数件の殺人事件も起きているのでミステリー・サスペンス
 小説であることは否定しないが、これは明らかに家族小説である。本書冒頭で作者本人が言ってい
 る。「家族崩壊は豊かな文学を生む土壌である。」と。

  主人公のアダムは無実の罪で法廷に引きずり出された。義母の証言が決定的で起訴となったが結
 果は無罪。(なぜアダムを犯人と証言したのか真相は終盤で明らかにされる)しかし周囲の目は冷
 たく無罪を信じようとしない。何よりのショックは父親のジェイコブが義母の証言を信じたことだ。
 父親に勘当されたアダムは恋人のロビンを残しNYへと逃れる。

  そして5年。親友のダニーが電話でダニーに助けを求めてきた。二度と帰るまいと思っていた故郷
 の地に戻って来たアダムの心の裡には、許しがたくも懐かしい父とロビンの姿があった。
  幼いころの母の自殺、父親の再婚。義母のジャニス、双子の連れ子の姉弟、父の親友で農場の監督
 者ドルフ、その孫娘でアダムが妹のように愛しているグレイス、子供のころからの友人ダニー、今は
 刑事となっている恋人のロビン、その同僚刑事グラサム、元ヒッピーのサラ…登場人物は多い。

  父や
義母との確執に加えて義理の姉弟が抱えた問題、襲われたグレイスをめぐる犯人探し、行方不
 明のダ
ニー探し、アダムが犯人とされた殺人事件の真犯人探し、それぞれが互いに係わりをもって絡
 み合う。
  猪突猛進型のダニーは、警官であるロビンに抑えられながらも、自分の力だけで問題を明らかにし
 ようと懸命に動き回る。


  終盤、思わぬ事実が明らかになり、悲劇的な事態伴いながらいろんなことが一応収まるのであるが、
 とにかくここまで複雑な人間関係を巧みに絡み合わせ物語とする作者の構築力は並ではない。


   作者ジョン・ハートは処女作の『キングの死』がエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)処女長篇
 賞を受賞、本作も同賞の最優秀長編賞を受賞し、第三作の『ラスト・チャイルド』も同賞最優秀長編賞
 を受賞するという快挙を成し遂げた。最新作は『終わりなき道』(2016.)。

                                     (以上この項終わり)


  

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柚子のマーマレードをつくる

2017年12月19日 | ものづくり

◇ 柚子のマーマレード
  近所のお宅でできた柚子をいただいた。今年は台風の影響や夏場の長雨の影響か柚子
 の出来があまりよくないとのこと。TVなどでも九州などの柚子の産地では裏年に加え
 て台風に影響で成りが悪く、値段も昨年の3割高と言っていた。
  ちょうどヨーグルトに加えている手作りの甘夏のマーマレードがなくなったので今度
 柚子でいこうと冬至の柚子湯用を残して6個をマーマレードにした。

  

<果皮を剥く>
 ・頂いた柚子の皮はでこぼしてる。たわしでよく洗った。
 ・まず果皮を剥く。リンゴやジャガイモのようにすんなりとはいかない。6個で100g。

  

  

<果皮を千切りに>

 ・果皮は丁寧に1~2ミリに刻む。結構時間がかかる。
 ・3度ほど茹でこぼす。最後は水にさらす。1時間くらい。苦みが薄くなる。

  

  

<果汁を取る>

 ・果皮をとった中身から果汁を絞る。大体100㏄取れた。

  

<ペクチンを採る>

 ・果汁を搾り取った中身は種と一緒に重量比で1.2倍の水と一緒にゆでる。(6個で540g
  の中身が取れたので650gの水を加えた。
 ・15~20分くらい茹でたらペクチン液をざる等で漉す。600gの液ができた。

<砂糖を加えて最終工程>
 
 ・とってあった果汁と果皮の千切りを加えて、300gの砂糖を3度くらいに分けて加え20
  分ほど煮詰める。
 ・とろみを感じてきたら煮沸消毒した瓶に移す。

  

  

                         (以上この項終わり)
  



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