読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

潮騒と水仙の東伊豆へ

2014年01月31日 | 国内旅行

稲取温泉
  
お正月のお疲れ休み」と勝手な理屈をつけて、行きなれた伊豆東海岸へ。
  今回は昨年某ホテルで食べた金目鯛のしゃぶしゃぶプランが再び登場したので、早めに日を
 決めて連泊の旅。一泊だと何ともあわただしいので最近は温泉といえば連泊が多い。

  少し早く出れば熱海の梅園もいいな、と開花状況を調べたらまだ2分くらいの開花で、現地の
 写真でも寂しげな様子なので今回はパス。

  乗る電車はいつもの通り「快速アクティ」。グリーン車でゆっくりと食事をして熱海に着く。
 熱海で伊豆急行「リゾート21」へ。先頭の展望車に乗って、子供みたいに一番前の運転席前で
 楽しんだ。

  伊東からの伊豆急は女性の運転手さん。
  「出発・進行!」かっこいい~。


              


       

  宿は海岸に接し、道路一本を隔てて波打ち際の岩場になる。夜も穏やかな潮騒にいやされる。
  ペットがいるからなかなか旅行に出られないという方も結構多いが、「ペットと泊まれる」を売り
  にして集客しようというホテルも出て来た。この宿も数年前からペット同伴可という売り込みで、
    ペット専用の足湯まで出来ていた。

        

爪木崎の水仙
  当初河津の桜を見に出掛けるつもりであったが、こちらもまだほとんど咲いていないという情報
 だったので、下田まで出て爪木崎の水仙を見に行くことにした。
    爪木崎は伊豆急下田駅からバスで20分そこそこ。片道420円です。

  冷たい風が強く、心づもりの写生も画帳が風に持って行かれるほどの風に閉口し、ハガキ大の
 スケッチと、F3の下絵1枚で断念した。
 画材は昨年三女夫婦からクリスマスプレゼントされた
 携帯に便利な水彩セット。大きさははがき大で、ふたの部分がキャンパス代わりになる。
 筆は筆洗不要の水筆ペン。背後にはパレットを支えることができる指輪がある。
 いいものを貰いました。

            

  水仙は今が盛りで、人出も結構多かった。
  野生地の水仙もあるが人工的に植えた水仙の方が多い。

              


              


                         

  海岸から坂の階段を上ると爪木崎燈台に向かう道があって周りを岩礁が囲んでいる。はるか彼方
  (およそ9キロの南方)には「神子元島燈台」がかすかに見える。明治3年の建造で、和歌山県樫
  野埼燈台の次に旧い。世界歴史的燈台百選のひとつでもある。

  
                  


    神子元島燈台


   稲取のつるし雛
    節分から雛祭りにかけて、稲取温泉はこの時期つるし雛が人気である。
    つるし雛会館にはいろんなつるし雛が展示してある(有料)。
    河津桜が一輪ほど咲いていた。

               

   
    伊豆稲取駅前には江戸城築城の石垣として使われた伊豆石がいくつか展示されている。
    巨大な石を「動かせるもんなら動かしてみな」と、綱が曳けるようになっている。若い女性
   二人が「やっぱりだめだ~」としょげていたので、「一緒にやってみようか?」と4人で曳いて
   みたがビクともしなかった。そばで見ていた中年の4人のご婦人に参加してもらって綱を曳
   いたらやっと動いた。コロを使っているとはいえ、3.4tの石ではさすがに無理というものだ。

  

            

   (以上この項終わり)

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マリリンモンロー死の謎に挑む『空のグラス』

2014年01月23日 | 読書

◇『空(から)のグラス』  著者:J・I・ベーカー(J・IBaker)
           訳者: 茅 律子  
           2013.10 早川書房 刊(ハヤカワ・ミステリー文庫)

              


  1962.8.5 突然世を去った世紀の大スターマリリン・モンロー。その死は自殺説で片づけられたが、
 依然として根強く謀殺説が囁かれるなどいまだに話題性を持つ。
  不可解な死を巡って、これまでいろんな小説や映画などで独自の推理がなされているがこの小説
 もこうした流れのひとつ。

  著者はジャーナリストで、現在も雑誌「コンデナスト・トラベラー」の寄稿編集者をつとめているという。
 彼は謀殺説をとる(そうでなければなかなか小説にはならないだろう)。小説家としての第一作。

  マリリン・モンローの死にはいくつかの疑問点があって、公表された自殺説はにわかには信じが
 たいのは確かだ。

  ①家政婦が発見してから警察に通報するまで4時間もかかっている。この間に何があったのか。
  ②電話の交信記録が消えた(FBIが押収していたことが後でわかった)。
  ③睡眠薬の瓶はあったが、処方された錠数ではとても死ねない。しかもコップも水も発見されて
    いない。解剖しても胃腸には薬剤服用の痕跡がない。注射の痕もない。座薬か?
    死後遺体を移動させた痕跡がある。
  ④遺書はない。日記帳代わりにしていたという赤い手帳が見当たらない。
  ⑤死の前日に白い化粧棚を買った小切手が発見された。自殺する人の行動とは思われない。
  ⑥3日後にはかつて離婚したジョー・ディマジオと再婚することになっていた。
   等々。

  母親が精神病で病院を出たり入ったりしていたこともあって、うつ症状を示すモンローは先天的
 に自殺願望があった。三度の結婚・離婚歴があるが、大統領選前に会ったJFKにすっかり夢中に
 なって、一時はファーストレディを夢見て、JFKが結婚後もジャクリーン夫人に電話を掛けて「私が
 ・・・」ということもあったらしい。その後ロバートが間に立って説得しようとしたが、ミイラ取りがミイ
 ラとなってロバートもモンローと関係を持つことになる。モンローは時折ケネディとの会話の内容
 を漏らすことがあった。当然FBIやCIAは国家機密の漏えいを心配する。時あたかもキューバ危
 機の前夜、CIAがシカゴマフィアのサム・ジアンカ―ナにカストロ暗殺を依頼した事件が起きたこ
 ろで、モンローは危ない火種ではあった。次第に冷たくなっていくケネディ 家の不実な兄弟に業
 を煮やしたモンローは「いろんなことをばらしてやる」と言い始めた。
  焦ったCIAはモンローの口封じに動く。(その夜モンローがロバートを呼びつけたことを知ったジ
 アンカ―ナが殺しの罪をロバートに押し付けようと謀ったとの説もある。JFKの祖父の頃からケネ
 ディ家はシカゴマフィアのボス、サム・ジアンカーナのと親交が厚く、JFKの大統領選でも多大の
 資金援助をしている。JFKの父ジョセフはジョンが大統領になったらいいポストに就けてやると甘
 言を弄した。しかし蓋を開けてみたら司法長官に着いたロバートがジアンカ-ナを極悪人のトップ
 扱いをして追及を厳格化するなど結局はケネディ家に裏切られた。それを根に持ったジアンカ―
 ナはケネディ一家を追い落とすためにモンローを謀殺したというわけである。)

  そして1962年8月4日の夜。モンローは自宅のベッドで、受話器を握ったまま全裸の状態で死ん
 でいるのを家政婦が発見した。
  死体発見の後5日経って「睡眠薬(バルビツール)の過剰摂取による自殺の可能性が高い」と発
 表された。屍体解剖に当たったのはロサンゼルス・オレンジカウンティ郡検視局検死官代理のT・
 野口。奇しくも彼は後に暗殺されたJFK、ロバート・ケネディの検視も行うことになる。  

  この小説ではロサンゼルス・オレンジカウンティ郡検視局検死官代理の一人ベン・フィッツジェラ
 ルドが主人公で、上司が糊塗しようとしている事件の解剖報告書や検視証拠の矛盾を一人で解
 明しようと動き回るうちにCIAやロス市警に狙われ、捕らわれて、ついには命を落とす。
  
  1960年代のアメリカ社会の暗部についてはジェームズ・エルロイの『アメリカン・タブロイド』など
 に詳しい。
 (『アンダーワールドUSA』参照)

  それにしてもこの本は読みにくい。なぜかといえば、時系列がめちゃくちゃで話が相前後し、、今
 話しているのは誰で、いつのことかがよく分からない。「大将」という代名詞が誰を指していたのか
 終わりころにやっとわかる始末。これは翻訳者のせいではないと思う。作家がまだ未熟なのかも。

 (以上この項終わり)

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最新のスパイ小説『レッド・スパロー』を読む

2014年01月19日 | 読書

◇ 『レッド・スパロー』 原題:RED SPARROW
              著者:ジェイソン・マシューズ(Jason Matthews)
              訳者: 山中 朝晶

     
  
  久しぶりにスパイ小説を堪能した。
  東西冷戦の終結で熾烈な諜報戦は姿を消して、勢いスパイ小説も姿を変えた。しかし大国間の
 情報戦は依然として激しさを増している。そんな現代の新しい諜報戦の中では重要なことは、仮
 想敵国の枢要な部署中に「もぐら」と呼ばれる情報提供者を置くことと、自国に潜り込んだあるいは
 リクルートされた「もぐら」をあぶり出して情報漏洩を防ぐことである。本書ではこのリクルートと、情
 報受け渡しのスリリングな展開が魅力。もちろんスパイ戦といえば米ソ間が面白い。 この小説で
 アメリカCIA防諜部と、ソ連崩壊後のロシア対外情報庁SVRとの情報戦―危険と、策略と、非情さ
 と、陰謀と秘密が渦巻く世界が明らかになる。
 
  この小説の流れをご紹介しよう。 
  主人公の一人は類稀れな美貌のロシア女性ドミニカ・エゴロワ。そして一方にアメリカCIAの諜報
 員ネイト・ナッシュ。
  ドミニカはSVR第一副長官イワン・エゴロフの姪に当たるが、美貌を武器に対外情報保有者の
 落を担わせるために第5部(レッドスパロー訓練学校)に入れられて、屈辱的な訓練を受けさせ
 られる。当初は熱烈なロシア愛国者であったドミニカも、堕落し切った旧ソ連時代を引きずるSVR
 に失望し始める。
 一方、ロシア大物高官のエージェントから極秘情報を受け渡しするケースオフィサーの役割を担っ
 ていたていたネイトは、危うくエージェントを相手SVRの包囲網に晒すというミスがあって、フィンラ
 ンド大使館に追いやられ不遇の身をかこっていた。 

  ソ連情報機関の高官にモグラがいるらしい。その ケース・オフィサーと思しい人物は現在フィンラ
 ンド大使館付きのネイトが最も怪しい。SVRはドミニカに対しネイトに接近し親密な間柄になって
 ソ連の高官モグラを探りだす役目を与えた。
  一方ネイトにはソ連内での新らたな情報提供者としてドミニカをリクルートするよう指示される。ド
 ミニカはネイトとの接触の中で次第にアメリカへの情報提供協力に傾く。そこには自己の人格否
 定をしたロシアに対する復讐心があった。
  折しも米国内のソ連内報者の一人が米国国家通信網構築計画の技術データ・マニュアルという
 機密情報を持ち出す動きを察知する。その情報受け渡しにはドミニカが当たることになるが、功を
 焦ったFBIがこの受け渡し現場でモグラを逮捕したことで事態は急変、ドミニカは内通を疑われ厳
 しい糾問を受ける破目になった。
 
  そして旧政治犯監獄レフィオルトヴォで対外防諜局の旧KGB生き残りによる言語を絶する拷問。
 執拗な拷問で身体も精神もズタズタにされながらもドミニカは強靭な精神力でこれに耐えた。心の
 支えはネイトだった。2カ月に及ぶ拷問はかえって強固な反骨心と復讐心を鍛えた。

  巧みに仕組まれた偽の米国国家通信網構築計画の技術データ・マニュアルは、ソ連内で本物と
 認められてドミニカは釈放される。ドミニカには”赤い憤怒が繰り返し湧きあがってくる”。
 再びネイト攻略の任に着いたドミニカは・・・。
 
   実は<マーブル>と呼ばれるアメリカのソ連内でのモグラはSVR第一部長のウラジミール・コルチ
 ノイ。そして<スワン>と呼ばれるソ連のリクルートした、モグラはなんと米国上院の諜報活動特別
 委員会委員長のステファニー・バウチャーだった。
  やがて傲岸不遜の女性もぐらスワンはCIAの諜報員の監視をを軽視したために、会合場所で逮捕
 され自殺する。
  またロシア防諜部内のもぐらマーブルもその存在が明るみに出て逮捕される。

  ロシア内の「もぐら」を探る目的でネイトに浸透する役割を担ったドミニカは、SVR副長官の後釜を
 狙う防諜部長の送った殺し屋の手にかかって危うく命を落としかけるがネイトに救われる。しかし、
 事件はギリシャ警察の手に移り現場の警察に捕らえられる。
  SVRの不手際に怒り狂ったプーチン大統領は身内のねずみを暴いた英雄ドミニカの取り戻しを命
 ずる。
 
  そして驚愕の展開。CIAはロシアのねずみマーブルとドミニカの交換を図る。またも昇進を狙う防諜
 部長のさし向けた殺し屋に襲われるが、これを排除し受け渡し場所であるエストニアのある橋に向か
 う。果たして無事にマーブルの命を助けることが出来るか。

  ここまでの諜報員とその上司たちがプロとして繰り広げる探り合い、騙し合いの手口や駆け引き、
 などはスパイ小説ではおなじみのもの。著者が米国元CIA局員で旧作戦本部に所属し、エージェン
 トのリクルートに従事していたていただけに話の中身に迫真性があってそれはそれで興味が尽きな
 い。しかしこの本の本当の面白さはロシアの大物モグラが我が身を捨てて二代目の大物モグラをつ
 くりだすという意表をついた陰謀にある。

  だが、作者はここでスパイ小説のルール違反をする。ドミニカは相対した人の背後にその性質を
 表す色彩を見る特異な能力を持つ。正直で誠実な人は紫、茶・黄色・緑は危険・欺瞞・緊張の色。
 敵か味方かを見抜く魔法のメガネを持っていることになる。これは絶大な武器ではないか。

  これは作者の第一作。次作を期待したい。

  (以上この項終わり)

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庭の山茶花を描く

2014年01月16日 | 水彩画

◇ 今を盛りと咲きほこる山茶花
  庭のサザンカは今が盛りの状態。枝を切って花瓶に挿して描くのもいいが、木にある
 状態で描いてみた。
  山茶花を文字通りに読めば「サンザカ」であるが、さざんかの方が落ち着くせいか、
 「さざんか」になったようだ。

  「綿密な観察と大胆な省略」私にとって永遠のテーマ。花弁はもちろんであるが、独特
 ののこぎり状の葉縁、厚みのある濃密な濃緑の葉、立て込んだ葉群、あどけない蕾等々
 観察するだけで課題が山積していく。
  やはり主役は花。満開状態に咲き切ったもの、これからという人待ち顔の花、今に見て
 おれと満を持している蕾。
  前面の葉とその後ろにある葉は当然色合いも、鮮明度も違うということを幾分強調して
 描く。ツヤツヤした葉のハイライトは独特である。

    
      Clester F6

   (以上この項終わり)

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プランターでいちごを育てる

2014年01月14日 | 畑の作物

◇ いちごのプランター栽培

  昨年の10月中旬に、ボランティア活動で通っている施設のお祭りでイチゴの苗を6株買った。
 1本200円。(そのうち2本を三女に上げた。マンションの10階で育っている。)
  日当たりがよい2階のベランダの一角にプランターを置いて、赤土や培養土などで土をつくり
 土の表面が乾いたら、ほぼ4日に一度くらいの頻度で水遣りをした。霜が降りるような寒さが
 予想される時は段ボールで覆い寒気避けをした。
  
  そんないちごの木の1本に白い花が咲いた。実がなるのは4月と聞いているので早すぎる
 と思うのだが。人間でも植物でも(サンタクロースでさえ)そそっかしい、あわてん坊がいるも
 んで驚くにあたらない。

  よく見るとほかの木のクラウンには花芽の予備軍が待ち構えていた。

   

   

   

   (以上この項終わり)

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