読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

メアリー・ヒギンズ・クラ-クの『魔が解き放たれる夜に』

2024年07月26日 | 読書

◇『魔が解き放たれる夜に

  著者:メアリー・ヒギンズ・クラーク(Mary Higgins Clark)
  
  訳者:安原 和見    2004.5 新潮社 刊 (新潮文庫)

     
   

   成人し、今は犯罪調査記者となったエリー。7歳の時に姉のアンドリアがボーイフレンドの
ロブに殺された。そのロブが近く保釈で刑務所を出てくる。何と身の無実を訴える裁判をおこ
すのだという。まだ殺人の余罪がある根っからの悪魔と信じて疑わないエリーは確固とした
証拠固めに奔走する。

ストーリーとしては単純で派生的サイドストーリーも安直であるが、「内緒だよ」との姉と
約束を守ったばかりに、二人の逢引場所を父に伝えなかったという罪悪感、そのための両親が
離婚、母の憔悴の挙句の死など犯 罪被害者の被ったかずかずの悲哀も重要な構成要素となって
おり、読みごたえはある。

 ロブ陣営は再審を妨げるエリー側を暴力的脅しや情報攪乱で追いつめる。エリーの車がロブ
の車に追いかけられ崖から転落する終局場面はスリリングであるが、父親と弟に助けられ、父
と和解するくだりはやや安直に過ぎる感はいなめない。
                             (以上この項終わり)

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令和6年のトマト栽培ー5ー

2024年07月20日 | 畑の作物

◇ 令和6年のトマトづくりの終焉

 令和6年のトマト栽培に取り組みわずか5カ月で終焉を迎えました。
多い木で1本に8個くらい、少ない木は3個くらい、全体で18本の木で100個
くらいは収穫したと思うが、第6果以上は結果をみることなく木の徒長に任せる
だけ、この先はあきらめました。
 今回はうどんこ病のような病気にもかかることなくあまり手を掛けず木成り完
熟トマトを楽しむことが出来ました。


 
                              (以上この項 終わり)
  

 

 

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西村 寿行『荒涼山河風ありて』

2024年07月08日 | 読書

◇『荒涼山河風ありて

   著者:西村 寿行   2005.8  徳間書店 刊(徳間文庫)

  

 某年4月22日5時頃、山形日報記者寺本徹は磐梯朝日連峰月山北剣が
峰方向に虹に似た怪光を見た。
 一方気象庁観測部地震課所属の河北央二はこれまで殆ど有感地震の記
録がなかった酒田測候所、山形気象台から震度1という微震ながら有感
地震の観測が報告されたことから不吉な予感に襲われる。妻香織と娘の
沙織が月山の春スキーに出かけていたからである。

 月山と並ぶ羽黒山の麓五彩沼は異様な地震による上流からの土石流で
隣接の民宿2軒が土砂に埋まり宿泊客らは巻き込まれ全員死亡と推定さ
れた。その一つが河北の妻子が泊まっていた民宿である。
 当時怪光を目視し、その時間帯に同地域に見られた黒いヘリコプター
に疑念を抱いて調査を始めた寺本と、不自然な有感地震の発現と土石流
の発生に疑念を持った河北は手を携えて不審な現象解明に奔走する。絶
対に妻と娘の仇を晴らさねばと復讐を誓う。
 
 二人は山形空港に近い陸上自衛隊第六師団司 令部に着目する。国家
機密の地震発生気象兵器の開発実験が行われていると見た。現地に向か
った二人を狙う特殊部隊。山岳部と都市部での激しい攻防の果て、最後
には勧善懲悪側の河北・寺本組が特殊部隊を壊滅させる。何度かエログ
ロ場面が登場するが、そこは西村寿行ワールド、読者向けサービスであ
ろう(それにしてもグロさが酷い)。
「終わったな」、「どこへいく」、「地獄以外にどこか行くところがあ
るのか」
                     (以上この項終わり)

 




 

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J・F・フリードマン『第一級謀殺容疑』<下>

2024年07月04日 | 読書

第一級謀殺容疑』 (原題:AGAINST THE WIND)<下>

   著者:J・F・フリードマ ン(J・F・FREEDMAN)

   訳者:二宮 磬    1991.11 新潮社 刊 (新潮文庫)



<承前>
 さて、ウィルは落胆する被告4人に対し、死刑判決事案では上訴は当た
り前
であるが上訴要件をクリアすることが如何に困難なことであるか説明
する。
 ウィルは好きな酒も絶って(と言ってもビールは別、ワインも別)好き
なメアリー・ルーとの交渉も抑えている。
 
 そんな中、突然州検事のロバートソから呼び出しを受ける。重大事件が
発生。
州知事を交えて事態収拾に協力を依頼される。州刑務所で暴動が発
生、受刑者集団から州側の交渉役には弁護士ウィルを充てるよう要求があ
ったというのだ。
 ほぼ全権委任を与えられたウィルは決死の覚悟で刑務所に向かう。

 受刑者集団の代表はなんとウィルの依頼人ローン・ウルフだった。常に
物事を冷静に把握できるウルフは、暴力行為がエスカレートする受刑者た
ちを宥め、要求を集約し実現できる方法をウィルと協議する。

 収監者評議会はウィルとウルフらでまとめた要求書を呑んだ。ウィルは
知事の要求書同意を取り付けて、記者会見に臨む。ウィルは一躍ヒーロー
となる。

  そんななか、(いささか出来過ぎであるが)TVでウィルの英雄的活躍を
見た失踪中のリタが電話をしてきた。審理直前で身を晦ましたのは「証言
したら殺す」と言われ怖くて逃げたからで、今度こそ審理での証言に臨む
と言う。
 ウィルはリタを隠れ家に匿い検察側のうその証言づくりの一部始終を録
取し、判事に再審に向けた審尋の再開を申し出る。

 判事の好意的判断で、再審に向けリタの証言録取書中心に審理が再開さ
れた。検事のロバートソンは怒り狂う。「宣誓し真実だと述べた証人が、
実はあれは
嘘だったという証言が真実だということは信用できない」とい
うのである。また検事はリタに嘘の証言を仕込んだという検事補や担当警
官の悪事をも認めるわけにはいかない。リタは検事の必死の追及にたじた
じとなるが、懸命に踏みとどまる。

 何という幸運か、ウエストヴァージニアの小さな町の保安官からウィル
に電話があった。ある宗教伝道師の信者の一人が、ウィルの抱えた訴訟事
件の殺しの犯人だという男が告白したいと言っているという。またガセか
と思いながらもウィルはその町に飛ぶ。
 話を聞いたウィルはこの男の述べることは真実だと受け取った。
 またリタが4人組にレイプを受けた後警官の手で病院に連れられて行った
ことが明らかになり、前の供述の一端が崩れたことで再審が決定される。
 事件発生後なにやかやで2年余り経ってた。

 伝道師に殺人を告白したスコット・レイという流れ者の若者は、被害者
バートレスと麻薬の取引でトラブった上、自分が忌み嫌うゲイだと指摘さ
れたあげく屈辱的な奉仕を強いられたことから彼の銃を奪って頭を射殺、
めった刺しにしたうえ陵虐への仕返しにペニスを切り取り口にねじ込んだ
と供述した。
 唯一の物証である銃はレイの記憶通り道路側溝から発見された。

 かくして4人組のバイカーらは無罪釈放となった。判事は言う。「被告
人たちの釈放を認める」、「そして諸君に…本法廷は心からのお詫びを申し
上げる」

 ウィルの仕事は終わった。この訴訟で自分の人生でまともな何かを掴ん
だのかもしれない。家ではメアリー・ルーが待っている。
                     (以上この項終わり)

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夏の花「アジサイと姫ひまわり」を水彩で

2024年07月03日 | 水彩画

◇「アジサイと姫ひまわり」は仲良し

  
             clester  F4
       夏の花を描く水彩画教室。昨年同様Sさんが自宅の庭に咲いているアジサイ
 2種(西洋紫陽花アナベル、ガクアジサイ、)姫ひまわりを持参、花瓶に入れ
 て皆で描いた。 
  アナベルは小ぶりなうえ白色なため、絵にするのに苦労します。部分的に影
 を入れて花の集合体であることを表現することにしました。紫の額アジサイも
 形をとることがむつかしく、ほぼ印象で描きました。姫ひまわりは花弁をもっ
 と丁寧に描かなければと反省しました。
                        (以上この項終わり)


      

コメント (2)
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