読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

秋の静物を描く

2009年10月31日 | 水彩画

秋の静物

  先週の水彩画教室は、東京都目黒区にある「目黒自然教育園」を描きに行く
 ということになっていた。目黒駅前に9:00集合としましょうということで、柏から出
 るとなると7時ちょっとすぎに出発しなければならないので、「参ったな」と思って
 いた。
  雨なら教室で描きますということだった。ところがどうも日曜日は朝から雨の
 予報。早起きしなくてもいいかなと思っていたら「雨でも東屋があるのでそこで」
 と言われ、あわてた。
  結局さて目黒に出かけようかという7時前に連絡があって、やはり教室でお勉
 強ということになった。散々振り回された感じで教室で描いたのは秋の花「秋桜」。
 先生のお近くの休耕田に咲いていたものという。
  
  コスモスはも終わりと思っていたがまだ頑張っている花もある。

  その前の週は野菜・果物を描いた。

   


   

   

 ◇絵の基本はデッサン

  水彩画といっても構図・デッサン力は当然問われる。ということで2週間ほど
 木炭を使ってのデッサンの練習。
  全体はもちろん、各部分それぞれにある光と影、陰影の強弱を的確に見分け
 表現することを学んだ。

     
        自分の左掌                  操舵輪は難しかった
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

佐々木譲「警官の紋章」

2009年10月29日 | 読書

◇北海道警シリーズ第3作「警官の紋章」佐々木譲著
                         2008.12角川春樹事務所刊

  
図書館にリクエストしていた「警官の紋章」が手に入って、一気に読んだ。最新
 作はと言えば2009年2月発表の「制服捜査」であるが、「笑う警官」、「警察庁か
 ら来た男」
に次ぐ第三作。道警シリーズものは見逃すわけにはいかない。
 本書は書き下ろしである。

  本作の中心テーマは、2年前自殺した父(当時生活安全部企画課長、事件当
 時は薬物対策課長)の死が、実は上司の圧力で法廷での嘘の証言を強いられ、
 それを回避するための自殺であった。
  それを知った息子の日比野巡査は、当時の上司(今は内閣情報官)への復讐
 に走り、サミット対象のテロ対策との絡みで道警を右往左往させる線。
  一方にもう一つの流れがある。第1作以来一匹狼的存在で独特の動きをする
 佐伯警部補は、前々作品の中心事件であった「覚醒剤密輸摘発事件」に疑問を
 抱き、独自の解明捜査を続け、これが他の司法機関まで巻き込んだでっち上げ
 事件であったことを明らかにしていく。この二つの線が交錯する中で結局日比野
 巡査は救われ、佐伯は大々的なでっち上げ事件の動かぬ証拠をつかみ、立件
 へと動き出す。

  ときはあたかも「洞爺湖サミット」開催準備中。大がかりな警備体制の中に、津
 久井巡査部長や小島百合巡査も取り込まれていく。そして上野巡査は、互いに
 心憎からず思い合っている佐伯からほんの少しの間心揺らめき、大臣警護に当
 たるちょっとかっこいい酒井警部補(警視庁警護課)に傾いたりする(ところが
 彼は一緒に東京から来た大臣警護の女性警護官と割りない仲ということがわ
 る・・・かわいそー)が、最後はまた元の中に戻ることで安心したりする。

  昔吾輩と同じ職場で働いたことがある北海道知事が実名で登場したりして、お
 やおやと思う。「小柄な女性知事」とまで書いて、それでは登場するサミット担当
 の女性大臣はホントは誰のこと?と実在の女性大臣をあれこれ思い浮かべたり
 する。地名や人名は実在のまま書くと差しさわりがあるため、多くは仮名・架空
 のものとするのが習い。実在人物名が出るとノンフィクションめいて迫真性が増すが、
 がその境界はどの辺にあるのか。

  道警シリーズはまだまだ続編がある予感がする。楽しみである。

   

   ◎その他最近読んだ本
    *「愛こそすべて、と愚か者は言った」 沢木冬吾著 角川文庫 2008.8刊
    *「アフター・ダーク」 ジム・トンプソン著 三川基好訳 扶桑社2001.10刊
    *「ポップ・1280」 ジム・トンプソン著 三川基好訳 扶桑社 2000.12刊

   (以上この項終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

赤倉温泉と妙高山

2009年10月25日 | その他

同期会で赤倉温泉に
  郵政省時代の仲間との同期会が新潟県赤倉温泉であった。同期生は関東甲信
 越地域にいて、毎年持ち回りで各地の温泉地などで開催されてるい。今回は長野
 県北信地域の諸君が幹事であった。

  同期は昭和32年~33年に1年間寮生活をしながら勉強した間柄で、「おれ、
 おまえ」の関係。殆どが高校卒業したて。初めて親元を離れたものの、寮生活と
 いうことで周りは同級生のようなもの同士でやんちゃな生活だった。言ってみれ
 ばまだ完全に大人にはなり切れていない、ぼよぼよのひよっこ社会人だった。

  あれから50年みんな70歳以上になったが、宴席では50年前に戻る。残念なが
 ら2人病気で亡くなった。しかし今回は先生(86歳と87歳)お二人のほか、寮の賄い
 をやっていたおじさん(78歳)が初めて顔を出し、大いに盛り上がった。
 
 <温泉旅館>

  赤倉温泉は赤倉高原最大の温泉地で、湯は妙高山の北地獄谷から引いてい
 る。赤倉スキー場・妙高スキー場と一体になって、一時大いに賑わったが、スキ
 ー人口の減少とともに往時の賑わいはないらしい。
  宿の「香雲閣」は、江戸中期、高田の藩主榊原氏の御本陣として開設され、
 湯治・鷹狩りに利用された由緒ある旅館である。堀口大学の書なども展示され
 ている。

    

  展望風呂からは上越市を経て日本海と米山山が、湯船を変えると北信五岳と
 呼ばれる「斑尾山」、「飯縄山」、「黒姫山」、「妙高山」、「戸隠山」のうち戸隠山
 以外の全ての山を見渡すことができる。

<岡倉天心六角堂>
  岡倉天心は明治時代の偉大な芸術家・文化人であるが、終焉の地が赤倉であ
 ったことは不明にして知らなかった。また、茨城県北茨城市五浦(いずら)に
 「岡倉天心六角堂」があって、横山大観、下村観山など多くの画家が修行し、文化
 人を招いて黎明期の画壇形成に力を尽くしたことは、彼の地を訪ね知っていた
 が、赤倉にも六角堂があり(形は全く違う)驚いた。尤もボストン美術館の中国・
 日本美術部長を務めた天心が帰国し、いったん五浦に帰ったものの、体調を壊
 し赤倉山荘で静養していたところ1914年9月に赤倉の地で亡くなっている。こ
 ため有志が天心終焉の地に、記念として昭和41年「六角堂」を山荘跡地に建
 てたものという。
  勇壮な妙高山の姿とマッチしてこれも見事ではある。
  
     
    
<いもり池> 
  妙高高原の一角に「いもり池」という沼地がある。かつては湿地帯で、いもりが
 棲息していたためか「いもり池」と呼ばれている。妙高山を入れると絶好の景観
 となるため人が絶えない。多くの人が絵を描いていた。

  

<苗名の滝>
 日本海にそそぐ1級河川「関川」の上流に、日本100名瀑のひとつ「苗名の滝
 がある。車が入れるところからさらに4~500m山道を登ると華麗な滝が現れる。
 標高およそ800mで、滝つぼからオゾンをたっぷり含んだ霧が舞い上がっている。

  

長野善光寺と母校
 <長野駅と商店街>
  
高校生時代の5年間を過ごした長野市はわが第二の故郷の存在。信州博覧
 会があった平成5年以来ご無沙汰していたが、この度訪れてその変貌ぶりに
 驚いた。有名な善光寺を模した駅舎が、どこにもあるモダンなものに変わり、商
 店街も昔の古臭い、殿様商売を象徴するようなものから、観光客を意識した明
 るい印象の店舗に変わった。聞けば長野冬季オリンピックと新幹線開通を期し
 てすっかり変わってしまったようだ。
  
     
 
    

   

 <我が母校と長野善光寺>

  長野市では5年間に何と7回住まいが変わった。それぞれ事情があってのこと
 ではあるが、その後我がかつて住まいし宿は如何にと訪ねてみれば、全て別の
 建物に変わり思い出をたどるよすがもない。4個所を巡ってあとはあきらめた。
  我が母校も変わった。木造の古びた校舎は瀟洒なまるでケア付き特養ホーム
 のようなたたずまい。最近は女子が増えているようだ。昔は戦時中白い壁が目
 立つということで墨を吹き付けてあった正門の建物は、白い壁が復活し「金鵄
 館」という財団法人の会館として保存されていた。

    

     

     

     

   (この項終わり)

 


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋の畑の作物

2009年10月24日 | 畑の作物

大根とブロッコリー

<ブロッコリー>
 
 台風以来雨もなく、作物は台風に貰った水分で順調に大きくなりました。
 最近は青虫もつかなくなりました。
 20・21日と旅行をして帰ってきたらこんなに大きくなって、収穫も間近です。

  

   <大根>

  直径が7センチくらいになって、そろそろ食べごろかも。

   

 <ホーレン草>

  ホーレン草は3回に分けて蒔きました。
  1回目は双葉が大きくなって、3回目は糸のような目が出てきました。
  これからは大きくなるのを待つだけ。

     

 <小松菜>

  台風(10月8日)に間引いた小松菜は当時3センチくらいだったのが、2週
  間でこんなに大きくなりました。
  今日次女が「ありがとう」と持って行きました。

  

  (この項終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイクル・コナリーの本

2009年10月16日 | 読書

堕天使は地獄へ飛ぶ」   マイクル・コナリー(Michael Connally)著 古沢嘉通訳 
                                              2001年9月扶桑社刊

  マイクル・コナリー(1956年生)は19992年に第1作「ナイト・ホーク」でMWA(アメリカ探偵作家
 クラブ)エドガー賞最優秀処女長編賞を受賞した。その後最新作「The Overlook」まで13の作品を生
 みだしているが、その大半がアメリカはロス市警の刑事ハリー・ボッシュを主人公とする連作もので
 ある。

  今回読んだ「堕天使は地獄へ飛ぶ(原題:ANGELS FLIGHT)」は第7作目。実は先月読んだ
 「暗く聖なる夜(原題:LOST LIGHT)」(上/下)の方が新しく、何とボッシュがロス市警を退職し、
 私立探偵のライセンスを得た上で、心に懸かっていた未解決事件を一人で解明していこうという話
 だった。どうやらロス市警という組織での仕事に嫌気がさして、チームを組んでいた仲間2人にも
 相談もしないで黙って辞めてしまった様なのだ(「LOST LIGHT」の中では「悪かった」と謝っていた。)。

  そもそもコナリーは、第1作から事件解決を通じてのみならず、主人公ハリー・ボッシュの生い立ち
 やベトナム従軍体験、ロス市警内部での孤立などを踏まえてアイデンティティの確立を図っていくという
 小説手法をとっているので、できるだけ作品発表順に読んでいく方が理解し易いらしい。

  ロスのダウンタウンにあるケーブルカー<Angels Flight>で二つの射殺死体が。被害者は黒人の女性
 (掃除婦)と黒人の男性。これがロス市警を相手にいくつもの訴訟を起こし嫌われている人権派弁護
 士ハワード・エライアス。
  警官にとって宿敵ともいえる人物が被害者となると、真っ先に疑われるのは弁護士に訴訟を起こさ
 れた過激捜査警官。扱いを誤ると黒人の暴動にまで発展する恐れがあり、市警幹部は戦々兢々で
 ある。
  二人の黒人刑事とチームを組むボッシュに捜査が任される。ところが一番の容疑者は、来週訴訟が
 始まる事件の証人となる、かつてタッグを組んで捜査に当たった無二の親友チャーリーなのだ。

  市警幹部は普段犬猿の仲であるFBI に捜査協力を依頼する。捜査を進める中で次第に明るみに
 出てくる意外な真相。誘拐殺人と思われた事件が意外や小児虐待の暗い世界へ迷い込む。信じき
 っていた親友の意外な告白。そして自殺。そしてさらに意外な人物が犯人であることを突き止めた
 ボッシュ。犯人は天の裁きを受け、市警幹部は市警にとって都合の良いストーリーでことの収束を図る。
 そしてボッシュは、不本意ながらも天職の刑事を続けられることを条件にこれを受け入れる。 

  コナリーの作品は人物造形が巧みで、主人公もハードボイルドのヒーローらしくないナイーブなとこ
 ろがあったりして魅力的であるが、「なんだ、アメリカ人にも結構日本人と同じような心の動きがある
 ではないか」といった箇所があちこちにあって興味深い。

  例えば、こんなところ。
  本作品で主人公ハリー・ボッシュの短い結婚生活が破綻を迎える。
  このところ愛する妻のエレノアの挙動がおかしく、仕事をしていても彼女が家を出て帰ってこないの
 ではないかと気が気でなく仕事が手につかない状態が続いている。お互いに愛が薄れたわけではな
 いのに、生活していても一体感が感じられないもどかしさがあって、気持ちがちぐはぐになっているの
 だ。
  ついにエレノアが自分の気持ちを明らかにする。「あなたには刑事というのめりこめる仕事がある。
 新しい事件に取り組む時の高揚感がある。しかし私にはもうそれがない(かつてエレノアもFBIの優
 秀な捜査官であった。)。それに極めて近い感じとしてやっと見つけたのは、フェルト台から5枚のカ
 ードをめくり、どんな手が来たのかを見る時の感じ、そんな時に生きがいを味わっている感じになる。
 私たちはみなジャンキー。単にドラッグが違うだけ。あなたと同じドラッグがあればいいのだけど、私
 にはない」

  そのときのハリーの反応が泣かせる。
 「ボッシュはじっとエレノアを見詰めた。なにかを言えば、声にうっかり現われてしまうやもしれなかっ
 た。ボッシュはドアに向かい、開けてからエレノアを振り返った。いったんドアを通ってから、ふたたび
 戻ってきた。
 『胸が張り裂けそうだ、エレノア。俺はきみにもう一度生きがいを味わわせようとずっと努めてきたの
 に』
  エレノアは目をつむった。今にも泣き出しそうに見えた。
 『ごめんなさい、ハリー』エレノアはささやくように言った。『こんなこと言うんじゃなかった』
  ボッシュは黙ってドアを抜け、後ろ手で閉めた。」

  このあと間もなくエレノアは「探さないで」と言ってラスベガスへと消える。2年ちょっとの結婚生活
 だった。

      

      <暗く聖なる夜>

      
  
     (この項終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする