◇ ようやく梅雨明けした
今年の梅雨は長くて、そのくせ台風が少なくて水がめの利根川水系のダムの貯水率
が55%などといわれています。
今年も梅干しを10キロ作りました。樹熟の3L南高梅です。6月初めに届いた梅は
良い加減に熟していて、粒もそろっていて傷ものは4個くらいでした。
心配した梅酢も3日ほどでしっかり上がってきて安心しました。
紫蘇は群馬の、梅酢にあらかじめ漬けて製品化したものを使いました。生のシソ葉か
ら作ると、葉っぱをむしってよく洗って、乾かして塩で揉んで、あくを抜いて紫蘇球にして
から梅酢と合わせるなど手間がかかるからです。
梅雨かけがあまりに遅くて、しびれを切らして梅雨の中日に一日だけ干しました。
これは第二回目、今日梅雨明けの晴れ渡った青空の下で干しました。色はだいぶ鮮やか
になっています。
早くも長女からは梅干しだけではなくて「梅酢」もというリクエストが届いているので、
「ゆかり」の素材となる紫蘇団子と一緒に送る予定です。
(以上この項終わり)
『犬の掟』 著者:佐々木 譲
2016.3 新潮社 刊
久々の佐々木譲の警察小説。
佐々木譲には北海道警ものが多いが、今回は警視庁とお隣りの神奈川県警が舞台である。
登場人物の主役は、門司、波多野という所轄の刑事課捜査員と綿貫、松本という警視庁捜査
一課捜査員。
東京湾で射殺体が発見された。被害者は暴力団の幹部である。所轄の刑事課波多野はペア
の門司と事件を追ううちに本庁捜査一課の警察学校同期の松本と出会う。松本はかつて波多
野が逃走犯につかまり銃で脚を撃たれた折に身を挺して彼を救出したことがある。
波多野と出会ったとき、捜一の綿貫・松本は上司の管理官から内密の捜査を命じられてい
た。東京湾の射殺体に見る両手首の擦過痕、スタンガによるとみられる火傷痕、銃殺の手口
が、過去に起きた未解決事件に共通点である。しかも事件関係者には人身売買組織にからみ
暴力団との関連が疑われる。そこに万が一警察関係者がが絡んでいれば一大スキャンダルと
なる。それが杞憂でなかった場合、所轄に先んじて犯人を押さえたい。そのための密命捜査
だというのだ。
不法滞在外国人支援組織の女医自殺事件、フィリッピン女性死体遺棄事件、人身売買仲介
人変死事件、そして今回の暴力団幹部の射殺事件。これは単なる暴力団の争事件ではなく、
複雑に関連しあった事件である。そうした前提で背景調査を隠密裏に進める。所轄の波多野
らも事件担当捜査員らを克明に洗っているうちに疑わしい人物が次々と上がってくのである
が…。
後半一気に事態は急変しアッと思わせる展開に。それは読んでのお楽しみ。
(以上この項終わり)
◇ わが家の庭で咲いた大輪のカサブランカ
SIRIUS F10
庭の白百合カサブランカが咲いた。数年前に妻が球根を植えたもので、今年は大輪の花を咲かせた。花弁
の直径が21センチもあった。
カサブランカは強力な香りで、食堂や居間では飾れない。玄関になる。人目につかない場所では気の毒な
ので、先ずは絵にしようと取りかかった。花は下の方から順に咲いていく。盛りを過ぎると 4日ほどで花弁が醜
く茶色く萎れていく。無残な姿。妖艶で典雅な姿だっただけにみじめである。高校生の頃、映画「カサブランカ」
(1942年アメリカ)のヒロイン、イングリット・バーグマンの容姿に惹かれた。年老いたか彼女の姿は見たくない。
ちなみに彼女は67歳で癌で亡くなった。
花弁の白は塗り残し。以前マスキングを用いたこともあったが画用紙の肌を傷めるリスクがあって止めた。
白い絵の具は不透明水彩絵の具なので出来るだけ避けたい。そうすると塗り残ししかない。
花弁の白を際立たせるには背景色を思いきって暗い色にするに限ると、ペインズグレイを基調にインディゴ
を加えてたっぷりと色を作ってぬり始めるが、すぐに足りなくなって追加する。少し色合いが違ってくる。いつも
これで苦労する。
赤茶色の雌蕊の花粉は衣服に付くとなかなか落ちなくて往生するので、普通店頭の百合はこの雌蕊を取っ
てしまう。しかしこの雌蕊もよりの重要なシンボルの一つだと思うので、絵を描ききるまでは大事にする。
絵の完成は翌日まで持ち越したが、この絵の上から三段目の蕾は開いてしまった。
(以上この項終わり)
◇『悪魔の手は白い(上/下)』 (原題:THE PREACHER)
著者:サンダ・ヤコブソン(Sander Jakobsen)
訳者:羽田 詩津子 2016.3 早川書房 刊(早川文庫)
世界中で注目を集めるサイコ・スリラーという惹句に惹かれて借りたが、正直言って期待は外れた。
二人のデンマーク人が合作ペンネームで発表したデビュー作であるが、当初はデンマークではなく、
二人が英訳しイギリスで発表された。世界11カ国で翻訳出版されているという。
のっけから(プロローグ)妻を殺された牧師が、服役し釈放された犯人を刑務所の前で待ち伏せする
ところから始まって、「すわ復讐が始まるか…」と、ありきたりの期待をしたら、なんと牧師のトーキ
ルは犯人と一緒にカフェに入って、コーヒーを飲みながら連絡先を聞き出して解放する。
『悪魔の手は白い』どうしてこんな題を付けたのか。原題は(プロテスタントの)「牧師」である。
確かにこれでは面白くもなんともない。ネタばれになるのではっきりは言わないが、巧妙な犯人の手口
は、自らは手を汚さず犯罪を巧みに回避する、つまり白い手で殺人を実現するということを表したかっ
たのか。
いずれにしても牧師のトーキルが主役のせいか、時折り難解な魂との対話的な話が織り込まれて辟易
する。多分日本のスリラーではこうした形態は少ないだろう。
筋書きはというと、ある日突然牧師トーキンの妻が射殺された。出歩くことも少なく、他人との付き
合いを望まなかった妻が誰に、なぜ。動機が全く分からない。トーキンは夫でありながら妻の日常をほ
とんど知らなかったことに愕然とする。刑事のティーアとともに妻の行動の軌跡を追っていくうちに隠
された日常がだんだん明らかになっていく。そのうちに女性の射殺という第2の事件が発生、過去にも
似た事案があった。酷似した事件とのつながりは…。
トーキンは第2の殺人事件被害者の兄フランクとともに事件の背景を探るために奔走する。
心理操作という要素はあるもののサイコ・スリラーというほどの内容ではない。西欧のしかもあまり
なじみのないデンマークの警察機構や警察関係者の捜査スタイル、組織の上下関係などを知る機会
ではある。
(以上この項終わり)
◇ 胡瓜・茄子・トマト…
Clster F6
ジャガイモ、ピーマン、ししとう、インゲン、みょうが、玉ねぎ、にんじん、レタス…
夏野菜といったらいろいろあって、選り取り見取りであるが、とりあえずこんなもので。
それぞれ質感、肌合いが違うのでその特徴をつかんでしっかりと表現する。
いつも困るのは教室の光源がいくつもあって、ハイライトが複雑なこと。余計なものを
捨てることになるがうっかりして違ったものを残したりする。要注意だ。
きゅうりは我が家のもの。棘は白く抜いた。これだけで棘の感じは出るが、そこに濃い緑
の点などを入れたらもっとリアルになるかもしれないが、やりすぎは怪我の元でここで止
めておく。
ジャガイモは新種らしく、皮がサツマイモに似て薄紫色である。
ピーマンは素直な形のものとひどくいじけたものがあった。描きにくい。
トマトはもっとつるんとした肌を様子を出したかった。最初の彩色が肝心である。いじ
ればいじるほど肌が荒れてくる。玉ねぎも同様。
(以上この項終わり)