今年も東京大学柏キャンパスの一般公開にでかけた。
昨年5周年を迎えた我が障害者施設ボランティアグループの、「自己啓発・教養活動」の一環として
毎年参加している。 なぜか昨年も一昨年も雨の中の参加だったような気がする。ついていない。とくに
今年は台風14号が関東接近中という悪天候で、関係者にも気の毒だった。
東大は今年創設133年だそうだ。
東大柏キャンパスは平成11年度に宇宙線研究所と物性研究所の移転を皮切りに移転新設機関が
続き、現在は職員・大学院生等含めて3100人という大所帯。 大学院新領域創成科学研究科(基盤
科学系・生命科学系・環境学系)を初め、物性研究所、宇宙線研究所、大気海洋研究所など世界的に
も第一級の最先端の研究が行なわれている。また人工物工学研究センター、空間情報科学研究セン
ター、環境安全研究センター柏支所、柏図書館なども置かれている。
世界トップクラスの研究機能が集結した東大柏キャンパスも、地域に超然とした存在であってはなら
ないと、隣接の千葉大学農学部などと提携しあって柏市民との融和事業にとり組んでいる。キャンパ
ス公開もこの一環。
我々一般市民には、このような最先端科学の研究内容に直接接触する機会など考えられないが、
そこが地の利。専門領域で世界トップモードの研究内容を直接研究者から説明してもらうという恩恵
を享受できる。
まずは研究室めぐり。
<物性研究所>
*固体ヘリウム高温固体超流動か
極限環境低温棟にある久保田研究室。ヘリウムという言葉は知っていても超流動なんて言葉は知
らなかった。液体ヘリウムが絶対温度2度で圧力差なしでミクロな穴を通り抜ける。こうした超流動
現象と25気圧かけて固体になったヘリウムに出現する「渦状態」と捻じり振り子現象の研究。
こんな基礎の基礎的研究は、仕分けの「蓮舫グループ」の手にかかったら間違いなく「廃止」の烙印
押されそうだが、研究員の人は、ど素人の私らに噛み砕いて説明しようと懸命だった。
*低温液化室の遊び
研究内容を知ってもらうには身近な現象で説明するのが一番。そこで小中学生にも喜んでもらえる
低温化現象遊びが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/77/7d3ff28c04b8315999d12a92b7391071.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/d4/d5526d5e1032fba2c169e64cd9b0de74.jpg)
物性研究所受付・スタンプラリーも 低温液化室のお遊び
*物質合成室の宝石づくり、・錬金・表面ナノワールドなど興味はあったがパス。
<新領域創成科学研究科>
*電気自動車
われらの男性陣は興味津々。「新技術でバッテリーチャージを30秒で」ただし今のところ走行距離は
30キロ程度…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/23/471ea0c312550c3c077be91d3104e94b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/5b/ae92509f8739d0e28a1a833739e1088f.jpg)
新領域創成科学研究棟 新方式の電気自動車
*脳磁計で脳を診る・不思議脳波実験・暗号符号化最前線・放射光で観るナノ・サブナノの世界などは
興味はあったがパス。
昼食はしゃれた「学食」で。 宇宙世界に取りつかれた(暗黒物質の探索ーXMASS-?)Y氏は、昼食時間が
惜しいとばかりにメシ抜きで講演会へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/0d/c68a420afb5e3008b9b8a71d20aed976.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/4a/a8ec1ac4d4cbb093b6f99b793ed8210d.jpg)
カフェテラス(「学食」) 東大グッズも売っています
<特別講演会>
昨年までは素人にはやや難解な講演内容で、心なしか知的高揚があり、脳に刺激を受けた錯覚が得
られたが、アンケートなどで方針を変えたのか、今年は若干東大側が聴衆にすり寄った感じで、面白い
がそれほど知的刺激が多くはなかった。
*海洋と大気の研究拠点が柏に
仕分けの蓮舫グループに「2番ではいけないんですか・・・」と食い下がられたという大気海洋研究所
西田睦所長。「国民の支持が重要らしいので、仕分けで予算を削られないようにご支援を」と訴えていた。
予算は厳しいらしく、WindowsnoのXPを使ったPowerShotが容量オーバーでフリーズし、強制終了せ
ざるを得ない場面があったりし、駆け足の説明でやや締まらなかった。
仕分けを凌いで生き延びられればいいが…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/98/17cc8a28cd8dcdc2b6b752920459edd1.jpg)
西田大気海洋研究所長の講演
*家庭でできるホーム貯筋術のすすめ
東大名誉教授で現在鹿屋体育大学の福永哲夫学長が持論の「貯筋術」を面白おかしく展開。40分の
持ち時間の中で過去の実験動画・グラフを使って、加齢や身体不活動がもたらす各身体部位の筋力
低下。高齢者が日常簡単にできる筋機能を高める「ホーム貯筋術」を紹介された。
高齢者になると一番落ちやすい筋肉は、腹筋と大腿筋であり、加齢で1年あたり筋肉量の1%が、身体
不活動(寝込むと)では2日で1%低下するという。貯筋しておかないと急速に筋力が衰えて寝たきりに
なる。
*場としての地形を理解する
空間情報科学研究センター小口高教授から、山地と山麓の地形の分析と地形の発展過程など地形学
の話と地形学発展の歴史が解説された。
残念ながら台風接近と次の行動予定時間が近づいたため、途中でエスケープ。
(以上この項終わり)