読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

スペインの世界遺産トレドの街を描く

2021年06月23日 | 水彩画

トレドの展望台からアルカサルなど街を俯瞰

     
             clester F8

   2008年というずいぶん昔にスペイン旅行で訪ねた世界遺産都市トレドの街を俯瞰した絵
です。丘の上の軍事博物館(図書館併設)アルカサルが象徴的な、街全体が見渡せる展望
台からの眺望です。
 当時描いた絵をもう一度描き直してみました。立て込んだ建物を描くのに苦労します。
アルカサルの威厳ある姿とタホ川の流れが、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の文化が
共存していたというトレドという都市の、なんともいえない調和を感じます。

                             (以上この項終わり)



 

 

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家庭菜園のトマト栽培(その4)

2021年06月21日 | 畑の作物

◇ 収穫期に入った露地栽培のトマト

  実を付け始めてほぼ1カ月、そろそろ収獲期です。
  接ぎ木の銘柄トマトも、実生の桃太郎もほとんど変わらない育ち方です。
 人間の子供と同じです。出自がどうであろうが、子供のころは同じように
 元気に生まれます。

  今週末には第3回目の追肥を行います。

  
                   
                   
  
  我が家のトマトの唯一の弱点は木が徒長気味なこと。多分元肥の肥料 
 のせいと思われます。来年は工夫してみます。
  第3果まで実が大きく育っています。この上に第5果の花が咲いたの
 で中心部を摘みました。これ以上伸ばしてもエネルギーが分散して大し
 た実が期待できないからです。

  
  これは中玉のトマトの第2です。

   

  

  

  

  

  
  普通のミニトマト
     
  中玉のトマト、既に1個は収穫済み
   

  
  <付録>
  ポット栽培の茄子と胡瓜
                 (以上この項終わり)

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高杉 良の『雨にも負けず』

2021年06月17日 | 読書

◇『雨にも負けず(小説ITベンチャー)』

   著者: 高杉 良    2021.3 KADOKAWA  刊    

  

   企業小説がお得意の高杉良のベンチャーもの。
   早稲田の工学部出身で、一旦損害保険会社に契約社員として就職した主人公が、
5年後にベンチャーとして独立創業したものの、アメリカで電子情報の大量搬送
モデルを開発し起業した日本人創業者にマンハントされ、存立の危機に立たされ
た本社を見限り、日本法人をアメリカ大企業を相手取った訴訟を通じて大成功に
導くというお話。

 学歴も出自も定かでない人物が、新しいビジネスモデルを構築し大発展を遂げ、
経済環境変化であえなくあぶくと消えていく。そんな小説ではない。堅実な家庭
に育ち、いい大学を出て、一流の会社で実績を上げ、起業する。そしてマンハン
トされた会社で飛躍を夢見たものの、創業者の実力を見誤って挫折を味わう。し
かし、しっかりとした経営理念で困難を克服し日本での経営を立て直す。そんな
優等生物語で終わる。
 ストーリーには格別の起伏もサスペンスフルな展開もない。しかしアメリカに
おけるベンチャーの実態を垣間見る良い機会にはなる。

 企業が成功するためには、単に売り上げを伸ばすだけではなく、顧客の信頼を
得ることが最も重要だということ、アメリカにおいて立身出世するということは
同僚や知人、果ては顧客をもないがしろにしながらもひたすら業界一位を目指す
という業績第一主義だということなどを知る。
 
 主人公北野譲治は早稲田の工学部(建築)出身で、初めから起業を志していた
が、最初の会社でも常に顧客の利益を考えた営業で信頼を得る。その信用の蓄積
は起業後の発展の基礎になった。一方彼をマンハントした財津正明は慶応大出身
で、三菱電機に就職FSXの開発に携わった後アメリカのMITに留学、MBAを得た
のち「イーパーセル」というデータの電子宅配便システムを開発し、「ネット上
の国際物流会社」を立ち上げた。コンバックやリーマンブラザースを顧客にする
など幸先良いスタートを切った。
 財津は本人も吹聴する如く華やかな経歴ではあるが、開発したテクノロジーは
優れていても経営能力はお粗末で、人格的にも高く評価できない、そんな人だっ
た。
 北野はイーパーセルの日本法人の営業担当幹部として位置づけられたが、実態
は創業者財津にいいように使われ、体調も崩すというさんざんな結果だった。
 9.11の事件後アメリカの本社の業績は上がらず、日本法人の資本も食いつぶす
羽目になる。ベンチャーキャピタルでとして資会した日興プリンシパルは日本法
人の本社持ち株を買いとり北野に経営主導権を委ね再生を期すことになった。
 企業買収の場合は”事業”、”技術”に投資するが、ベンチャーの場合は”人”に投資
するのが鉄則というとがここで再確認されるのである。そして北野の最大の資産
は人的信用が産んだ豊富な人脈だと知ることになる。

 財津の「国際電子宅配会社」の特許を中心にしてセールスしても日本の会社は
国際標準化していないからと乗ってこない。北野はアメリカの大企業相手に特許
侵害訴訟を起こし、和解に持ち込んだ。
 裁判で勝つことよりも訴訟で和解を勝ち取ったという宣伝効果を狙ったのであ
る。狙いは見事に成功。アメリカで評価されたのならという後追いビジネスが得
意な日本企業はこぞって北野の門をたたいたのである。

 雨にも負けずはご存じの通り宮沢賢治の詩の冒頭の一節である。北野の好きな
詩であり、サミュエル・ウルマンの「青春」も好きな詩であるという。
小説と銘打っているが、実在の人物、会社がありモデルがあるいうことである。
                        (以上この項終わり)

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吉川英治の『新書太閤記(九)』

2021年06月10日 | 読書

◇『新書太閤記(九)
  著者:吉川 英治  1995.5 講談社 刊 (吉川英治歴史時代文庫)

  

  第9巻はほぼ全編秀吉と柴田勝家との攻防の様子に終始する。
     友人だった能登の前田利家はともかく柴田勝家は秀吉が気に食わない。
 一戦を交えたいが冬季は動きにくいので前田利家を口説いて秀吉に和睦
 を働きかけるよう頼んだ。秀吉は約束は反故にされると承知の上でこれ
 に応じた。

  利家はその裏で信長の次男信や秀吉嫌いの富山の佐々成政らと呼応し、
 冬季の行軍の困難さの裏をかき、先ず秀吉の長浜城の守り、余呉の大岩
 砦を陥すべく甥の玄蕃允盛政を向ける。作戦は成功したが、盛政は居座 
 らず引けという利家の軍令を無視し続ける。
  大岩砦陥ちるを知った秀吉は滞在中の大垣から夜を徹して長躯の移動
 を敢行し、大岩城に籠る玄蕃を一気に攻め立てる。応援に駆け付けた勝
 家の本軍もたまらず敗走する羽目に陥る。
  前田利家もこれまでの勝家とのかかわりから応援に駆け付けるが、秀
 吉との誼もあり積極的には動かない。

  秀吉の大軍はわずか3日にして長浜に達し、大岩砦の奪回を果たす。潰
 走する玄蕃の兵と勝家率いる本軍は共に雪山の中を敗走し北ノ庄(現在
 の福井市)を目指す。   

        勝家はわずか3千の兵と共に命からがら本拠北ノ庄の城に辿りついた。
 玄蕃と息の勝敏も捕われたし羽柴軍勢に取り囲まれた勝家は敗北を観念
 し、割腹の覚悟を決める。
  側室のお市の方には「そこもとは信長公の妹御、息女3人は浅井殿の遺
 子、秀吉もつらくはすまい。城を出られよ」とすすめたが、お市の方は
「武門に嫁いだからにはかかることも覚悟の前、筑前の陣門に頼るなども
 ってのほか」と答え、3人の息女(茶々、初、江)のみ城を出て秀吉に託
 すことに同意した。 
        柴田勝家はお市の方と共に自害し、天守閣に火を放ち遺骸を敵に曝す
 ことはなかった。
 
  さて不気味な存在は家康である。前田、柴田、羽柴らとは異なり、太
 い絆で結ばれてはいたが、信長の臣ではなかった。天下国家を望む立場
 としては彼らと同等である。実は柴田勝家は家康に使を送り、甲州攻め
 の賀を述べ暗に筑前打倒の同腹を誘ったが、家康はそっけなくあしらっ
 た。織田家の同士討ちに巻き込まれるのを避けたのである。
                      (以上この項終わり)

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枝付きの枇杷を描く

2021年06月05日 | 水彩画

◇ 房州枇杷を描く

  
    clester   F6 (中目)

 今年も妻の知人の方から松戸のご自宅に成った枇杷を頂いた。以前にも頂いて絵に
したことがある。枝付きの枇杷はめったに手にすることがないので、また描いた。
 前回と同様、枇杷は器には盛らず、新聞紙に置いた。新聞は国内の新聞だと、つい
文字を追ってしまうことになるので、英字新聞にした。コロナの前年次女が持ってき
たLos Angels Times日曜版(2019.6.9)1面にはトランプの国境への壁の構築の記事と、
クローンを使った環境調査の写真が載っている。

    枇杷は果皮が薄いオレンジ色である。コントラストを強調するために幾分濃いめに
とバーントシエナを少し加えた。ピーコックグリーンの葉はうらが粉っぽい柔毛で特
徴がある。
                            (以上この項終わり)

  
 

 

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