読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

大谷石資料館を訪ねて

2016年10月28日 | その他

◇ 宇都宮市の「大谷石資料館
  友人4人と馬頭温泉で遊んだあと、宇都宮市にある「大谷石資料館」を見学した。
 大谷石は一時期家の門塀、擁壁、縁石などに多用された。
 今は細々としか出荷されないのでコンクリートブロックなどにとって代わられた。
 フランク・ロイド・ライトの設計になる旧帝国ホテル本館に使用され有名になった。

  そもそも大谷石とは「栃木県宇都宮市大谷町付近に産する流紋岩質凝灰岩の石材名。
 新生代第三紀の火山活動で噴出した火山灰が,海水中に堆積して形成されたもので,
 緑色から淡緑色,あるいは淡褐色を呈する文字どおりのグリーンタフである。かつて
 は露天掘りでつるはしによって採石され,地表に近い層の〈白目〉と下層の〈青目〉
 とに分けられていたが,今日では石切場は地下に移り,地下数10mに達する大洞窟を
 作りながらチェーンソーによって大規模に切り出されている。」
                           (出典:世界大百科事典)
  露天掘りから洞窟掘りとなったため1989年ころ陥没事故が多発し、次第に掘削が
 困難になってきた。かつて掘り進んだ石切り場は現在「大谷石資料館」として公開
(有料:大人700円)されている、また幻想的空間として映画やドラマの舞台、音楽
 イベント、造形芸術の展示などに活用されている。
  掘削後の洞窟は常時10℃前後の温度で、夏なら格好の避暑空間である。

  

     まるでエジプトのファラオの墳墓のような雰囲気。

  
     ただいま気温10℃。

  
       機械掘削時のノコギリの痕。

  
        鑿等で掘っていた当時の掘削痕。

  
       演出が幻想的です。

  
        演劇などに格好の舞台。

  
        例えばこんな演出も。

  


    
       掘削機械1。

  
   掘削機械2。

  
       見学通路遠景。

  
       歴史資料室1。

  
       歴史資料室2。

  
       歴史資料室3。

  
         歴史資料室4。

  「大谷石資料館」は宇都宮駅からバスで30分、450円で行ける。 
                                
                            (以上この項終わり)
   
 

 

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恵比寿ガーデンプレースで写生会

2016年10月24日 | 水彩画

◇ 恵比寿ガーデンプレース・ジョエル・ロブションを描く
  先週の木曜日、珍しく秋晴れで汗ばむ陽気の中、はるばると山手線恵比寿駅へ。
 長い長い動く歩道(スカイ・ウォーク)で400mhほど進むと恵比寿ガーデン・プレース。
 1994年10月8日(吾輩の誕生日!)に開業した。すでに20年以上経ったのだ。
 日本麦酒なごりのサッポロビールが飲める「ビア・ステーション」がとっつきにある。昼
 食はここでステーキピラフで生ビールを飲んだ。

  絵は2枚描いた。1枚は「ビア・ステーション」。もう1枚は「ジョエル・ロブション」という
 シャトーレストラン。一見ホテルと見間違う。ホテルはこの建物の後ろにある「ザ・ウェ
 スティン」である。

  建物はデザインが凝っていて、煉瓦造を思わせるが、細かい部分に手こずった。し
 かしこの細かい部分をないがしろにすると絵の狙いを外れるのでしっかりと描いた。
  うっかり広場の立っている彫刻誰のどういう作品か説明を見忘れてしまった。しかし
 この彫像が建物と並んでこの絵のもう一つの目玉である。

  
     Artenon F6
                                                  (以上この項終わり)

 

 

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『ジョン万次郎・海を渡ったサムライ魂』

2016年10月19日 | 読書

◇『ジョン万次郎・海を渡ったサムライ魂(HEART OF A SAMURAI)』

                               著者:マギー・プロイス(Margi Preus)
                                 訳者:金原 瑞人
                                      2012.6 集英社 刊

  

     著者は児童文学家、劇作家であるが、この作品は初めての小説ということになっている。
 読んでみるとなるほど児童文学家の作品だなと思う。やさしく、読みやすい。誰にも(子
 供にも)素直に理解してもらうように書いている。数々の児童文学賞を受賞したというが
 むべなるかな。

  児童文学的とはいえ実在の人物を描いているので実際の事件・史実を丁寧に調べている。
 著者自身が述べているようにいくつかの事件と何人かの人物はフィクションである。例え
 ばジョリーとトムは創作の人物で、それは緊張感を高め、ストーリーを展開させるためと、
 万次郎が直面した偏見と悪感情を代表させるために登場させたとしている。
  史実を踏まえるために多くの文献を参考にしているが、日本語の文献を英訳したものを
 参考にしているものも多い。したがって日本の風習や文化について幾分ニュアンスの異な
 る捉え方をしている部分もある。また翻訳の問題もあるかもしれない。

  ジョン万次郎、ジョン・マン、中浜万次郎と呼ばれている人物は、江戸末期から明治維
 新にかけて数奇な生涯を送った傑物である。その一生は波乱万丈で、物語れば冒険小説で
 あり、偉人伝であり、立志伝である。
  これまでも多くの小説や伝記が書かれている。井伏鱒二の『ジョン万次郎漂流記』、
 童門冬二の『ジョン万次郎』、中濱武彦の『ファースト・ジャパニーズ ジョン万次郎』、
 山本一力の『ジョン・マン 波濤編 大洋編 青雲編 立志編 望郷編 』等々。

  ジョン万次郎の足跡をたどれば、①漁船が遭難し鳥島に漂着、②アメリカ捕鯨船による
 救出、③ホットフィールド船長に見込まれ養子となり高度な教育を受ける、④捕鯨船の乗
 員となるが日本への帰国願望強く、カリフォルニアで金採掘に携わり渡航資金を得る、⑤
 アドベンチャー号で琉球に上陸薩摩藩に送られる、⑥島津成彬に米国事情を説明、⑦薩摩
 藩で操船術、造船術など教える、⑧長崎奉行所で踏み絵を受ける、⑨土佐藩に送られ実家
 に入る、➉土佐藩で士分に取り立てられる、江戸幕府に招かれ旗本になる、⑪英語、航海
 術などを教える、⑫遣米使節団の一員として咸臨丸で米国へ、13土佐藩、薩摩藩で英語、
 航海術等教授、14欧州視察旅行の帰路恩人ホットフィールドと再会、15明治35年、72歳
 で死去。

  実に数奇な生涯であるが、本書では子供向けを意識したこともあってか平易な文章とな
 っていて捕鯨場面などでもやや平板で物足りない。エピソードとして出て来るアメリカで
 はじめて恋心を抱いたジョン万次郎が手紙を送ったキャサリンは実在の人で、80歳になっ
 ても手紙を手元に置いていたという。

  山本一力は土佐出身で郷里の偉人ジョン万次郎には思い入れがあって、積年の課題に取
 り組んだ『ジョン・マン』はぜひ読んでみたい。

                              (以上この項終わり)
 

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ダイアン・ジェーンズの『月に歪む夜』

2016年10月11日 | 読書

月に歪む夜(原題:THE PULL OF THE MOON)』
                                            著者:ダイアン・ジェーンズ(Dian Janes)
                                            訳者:横山啓明
                  2012.9 東京創元社 刊 (創元推理文庫) 

    
  読んでいくうちになぜかデジャヴ(既視感)にとらわれた。前に読んだのではない
   か。
  読んだ本をまた借りてしまって、すぐ返したことは何度もあるが、今回は読んでい
 て新鮮さが薄く、読んだような初めてにような…。認知症の前駆症状ではないかなど
 と余計な心配をしたりして気分が良くない。

  著者は英国バーミンガムの生まれ、二児の母で本作は処女作という。処女作にして
 は構成もよく、語り口も丁寧でなかなかの力作である。年若い主人公の揺れ動く気持
 ちが巧みに描かれている。
  話は主人公のケイトが若き日のひと夏の事件を回想するスタイルをとっているが、
 交互に語られる現在と回想の話の連系が実に巧みである。

  50代の主人公ケイト(ケイティー)は一通の手紙を受け取る。かつて恋人であった
 今は亡きダニーの母ミセス・イワニセヴィッチからだ。「…息子の身に何が起こった
 か是非知りたい」ので会いに来てほしいというのだ。出会いの時から苦手だった。会
 いたくはないのだが。彼女はダニーの死の経緯を疑っている。そしてダニーと結婚す
 るはずだったケイトに真相の告白を求めているのだ。
  今は大学を出て小学校の教師となったケイトは何百キロも離れたミセス・イワニセ
 ヴィッチの住む介護施設へと出かける。

  ケイトはあの狂ったような夏休みの事件を回想する。1972年の19歳の夏を。

  あのころ、同じ大学に通うケイトとダニーは恋人の仲、ダニーの親友のサイモンの
 叔父が夏休み中、家を自由に使ってもよいという夢のような話がきた。ただし庭に池
 と石庭を作るという条件で。

  家や勉強から解放された3人は、まるでヒッピーのような自堕落な毎日を過ごしてい
 たのだが。
  ある日遊びに行った浜辺でトゥルーディーという、同じ年恰好の魅力的な娘に声をか
 けられ、結局4人で生活し始めることになる。出身地も、生立ちも判然としない謎に包
 まれたトゥルーディーの出現で、次第に彼らの人間関係が微妙に狂い始める。

  近くにある「ペティスの森」で昔殺人事件があった。霊感体質だというトゥルーディ
 ーはこの森の探検をしよう、交霊会を開き被害者と出会うなどと騒いで3人を辟易させ
 る。
  ケイトは、突然訪ねてきたダニーの両親からダニーがケイトと結婚することになって
 いると聞いたと語られ激高する。勝手に振舞うダニーに不信感を抱いたケイトを巧みに
 誘惑したトゥルーディー。女性同士のベッドインシーンをサイモンに目撃される。

  さて、その夜ダニーがペティスの森へ幽霊狩りに行こうと誘う。懐中電灯を頼りに暗
 い森の中を進む4人。電池切れで暗闇に迷うケイトの耳にトゥルーディーの悲鳴が届く。
  トゥルーディーは殺されていた。警察の追及を恐れた3人は、犯人が誰かもわからな
 いままトゥルーディーの死体を家に運び、造成中の池に埋める。トゥルーディーは突然
 出て行ったと言えばいい。

    良心の呵責に耐えかねたサイモンは恐るべき事実をケイトに告げる。実はダニーは
 1年前に大学で起こったレイチェルという同級生の殺人事件の犯人だという。サイモン
 が警察に偽証し罪をまぬかれたというのだ。だとしたらトゥルーディーもダニーが?。
  ケイトはこの家から、二人から逃げようとする。しかし車の運転もできないケイト。

  「あなたが殺したのね」ケイトはダニーを問い詰める。
  「君のためさ、君のためにやったんだよ」、「あの女は俺たちの間に割り込んでき
  た」、「トゥルーディーは君を辱めた、知ってるんだ二人のことを。止めなければ
  ならなかった」。暗然とするケイト。

  サイモンが酒でアスピリンを大量に飲み死んでいた。そばにはろれつが回らないほ
 ど酔ったダニーが転がっている。ケイトは「二日酔いにならないように」とダニーに
 大量のアスピリンを溶かした飲み物を与える。ダニーは死んだ?ようだ。
  「人殺しは私だ」3人の死体があるこの家からどう逃げ出せばいいのか。  

  朝になった。サイモンの叔父が現れた。予定より早く帰って来たのだ。二つの遺体
 を救急車で運ぶ。しかし昏睡状態のダニーはすぐには死ななかった。ケイトはショッ
 ク状態にあるという好都合の隠れ蓑で、警察から責任を問われることもなかった。
  ケイトはフランスの友達の家にいることになっていたので両親にこっぴどく叱られ
 た。ダニーの子をおなかに宿していることが分かって、母親は激怒した。 
 
  おおまかこれが本作のあらすじであるが、うまくできているしそれなりにスリリン
 グではあるがサイコサスペンスというほどのものではないと思う。幾分好都合な仕立
 てもあるし、不自然な部分もある(トゥルーディーは行方不明で新聞に取り上げられ
 ていた。町で何人かの人に会って話をしている。警察が調べないのか。産後すぐに里
 子に出した息子が、大きくなってケイトの小学校に生徒として現れる。ダニーの面影
 を見て驚くなど)
  だがそうしたアラも補って余りあるものがある作品だ。

                            (以上この項終わり)

   

  

   

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日本橋川・神田川クルーズに参加

2016年10月09日 | 里歩き

川から東京の裏側を見ようと
  ボランティア仲間の有志で日本橋川クルーズに参加した。このところ悪天候続きで
 落ち込む日々であったが、この日(9月30日)だけは秋晴れの良い天気になった。
  最初は船で夜景を楽しむツアーに参加する予定だったが、われわれの狙った日は既
 に満杯で、急遽予約がとれたこの川巡りツアーとなった次第。某旅行会社の企画で、
 毎日はやっていない。

     出発は日本橋。外国人観光客が多い。
 国道原標のある日本橋の南詰「滝の広場」に集まって40人乗りの平船に乗り込む。
 一応座席の下には救命用具が用意されているが、さて水深は?

                    

            

<日本橋川>
  先ずは西河岸橋、それと一石橋。日銀に近い常盤橋はただいま工事中。

                  

 新常盤橋を越えるとJR外濠橋次が神田橋。錦橋、一ツ橋をすぎると江戸城外濠の石垣を
 見ることが出来る。


                  

 雉子橋です。次いで新川橋、気象庁を左に見て宝田橋へ。

                 

 俎橋の次は南堀留橋、堀留橋、新川橋と続きます。三崎橋で神田川へ。


                  
  
<神田川>
 

 まずは後楽橋。川に沿ったビルはすべて壁で殺風景です。水道橋は後楽園に向かう人で
 にぎわっています。

                     
 
 やがて御茶ノ水駅へ。ここは工事中です。聖橋も工事中。すぐに地下鉄丸ノ内線の線路を
 くぐります。 


                  

 右手に総武線の線路が見えます。この辺で歌「神田川」の「三畳一間の~」の光景が見ら
 れます。


                  

 昌平橋、万世橋をくぐります。洒落たテラスのレストランが。


                    
 
 秋葉原の電車が見えてきました。和泉橋です。

                   

 美倉橋、左衛門橋をくぐります。やがて浅草橋。船宿が見えてきます。


                  

 江戸の遊郭の一つ「柳橋」、船宿の一つ「小松屋」の主人が佃煮を売りがてら小唄をひ
 とくさり歌いました。

                  
 
 船は両国橋を越えます。橋の橋脚の上には土俵をイメージした張り出しが。隅田川名物の
 堰堤の浮世絵。幼稚園の園児らが手を振ってくれました。

                   

 新大橋が見えてきました。 そして清洲橋。ここで「小名木川」に入ります。松尾芭蕉
 公園があります。最初の橋は萬年橋。次いで高橋(たかばし)、西深川橋。東深川橋。


                   

 江戸時代町方の奉行所の与力、同心、岡っ引きなどはこの辺り八丁堀に住んでいました。

                  

  扇橋閘門があります。パナマ運河の小型版です。大横河の先にスカイツリーが見えました。

                   

  小名木川を戻ります。再び清洲橋へ。遠方にスカイツリーが見えてなかなかの光景です。 

               

 佃島の高層住宅群です。永代橋はただいまお化粧中。前方に中央大橋が見えます。

               

 ここから亀島川に入ります。亀島川水門を経て南高橋、高橋、亀島橋。

               

 新亀島橋、霊岸橋の次は日本橋水門。


                 

 日本橋川に入ってきました。兜町の東京証券取引所・茅場橋、鎧橋、江戸橋と続きます。

               

 出発点・日本橋です。130分結構楽しかった。


                    
                 
                              (以上この項終わり)


           

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