せっかく京都まで来てロクに紅葉も愛でずに用事だけ済ませて帰るには
ちょっと心もとないという思いで、せめて全体の景色だけでもと将軍塚
に寄ってみた訳ですが、数年前に寄った時には無かったはずの建造物が、
と言うより寺院の門みたいなのが見えて覗きに行ったのが『青龍殿』。
大正2(1915)年、大正天皇の即位を記念して、「大日本武徳会京都支部
武徳殿」として京都北野天満宮前に建立された価値ある木造大建造物が
戦後、昭和22(1947)年、京都府に移管され、「平安道場」として警察の
柔道剣道の道場となり、後に、一般にも開放され、多くの青少年たちも
武道修行に取り組んだ場所になったそうです。
平成10(1999)年、京都府は、平安道場を閉鎖し、解体処分を決定し、その後、
青蓮院が歴史的文化遺産の継承を決意し、京都東山山頂に「青龍殿」として
移築再建したのだそうで、実物は雨漏りの修理が手遅れ状態で修繕管理の費用
もかさむので解体されたそうです。
昨日の市内一望の大パノラマはここの一部で舞台の4.6倍の広さ(延面積
:1046㎡)の木造大舞台からの画像でした。
本堂の奥堂には国宝の「青不動明王二童子像」(縦203㎝、横149㎝の
絹本礼拝画像)が安置され、普段は手前に精巧に製作された複製が祀られ
昨今2度の一般公開の折りには、およそ55万人もの拝観者が集まったそうです。
展望台に続く庭園には、紅葉(約220本)、桜(約200本)、源平垂れ桃、藤、
シャクナゲ、サツキ等が植えられ、特に紅葉、桜の名所となっているそうです。
春の桜の咲くころに墓参に訪れることは過去にも無かったのですが、これだけ
観光客の少ない穴場なら、わざわざ理由を付けても来てみたいと思いました。